| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

Another29 黄金幻竜

 
前書き
本領発揮が出来るようになったゴールドブイドラモンで…。 

 
ナノモン[ここは、私の原点だ。記憶を失ってもなお、ここを求めるのは当然なのかもしれない…。私がサーバ大陸から集まってくるデジモン達からの依頼で、集まってくる機械を修理する場所だ]

大輔「ああ、何となくだが分かる。それにここは、デジモンの酸素とも言える電気がある」

この部屋の設備を見ればそれくらいは誰にでも分かるだろうし、ここには大量の電気がある。

ナノモン[うむ、その通りだ。流石は選ばれし子供と言ったところか。デジモンにとって電気は人間で言う酸素と同じだ。]

タケル「アインスさん、酸素って何?」

アインス「酸素っていうのは簡単に言えば空気だ。私達生物は酸素という物を吸って、二酸化炭素を吐いて生きているのだ。肺は二酸化炭素と酸素を入れ替える場所であり、心臓はそれを頭から爪先まで運ぶために、毎日休まないで動いているわけだ。デジタルワールドでは、その酸素が電気ということになる。」

ナノモン[うむ。私がエテモンを止めたのは、あのダークケーブルに使うから、とどこかから持ってきた物質の電気が異常値を示したからだ]

ヤマト「異常値ってどういうことだ?」

ナノモン[エネルギーとして高濃度なのだ。あり得ないほどにな。私達は電気で生きているのだ。電気は酸素そのものなのだ。考えてみるがいい。そんな私達が異常値で高濃度の電気に接触すれば、どうなるか。どうなってしまうのか。]

丈「えっと…人間は酸素を吸うことで生きているけど。吸うごとに人間の身体を衰えさせていく危険な物なんだ。だから電気を酸素としているデジモンも…」

ナノモン[そうだ。お前達が相手をしている暗黒の力という奴は、こういうものなのだ。なのにあの機械音痴は理解できなかった…あの大馬鹿猿は…]

悲しそうに言うナノモンに子供達はかける言葉が見つからない。

大輔「そう言えば、デビモンとの戦いの後にエレキモンに聞いたんだ。デビモンのデジタマはデータの損傷が酷すぎて転生するまでに長い年月がかかるって」

ナノモン[デジタマのデータの損傷…予想以上だ。暗黒の力は…お前達は知っているだろう、私達は本来死というものは存在しない。死んでも生き返るのだ、デジタマに。そして、それでもなおこの世界にいるべきではない、と判断された者達はダークエリアに送られる。そこでアヌビモンという裁判官によって裁判を受けるのだ。こちらの世界にいるべきか、ダークエリアで禁固刑に処せられるか、それともアヌビモンによってデジコアを食われて死ぬという名の消滅をするか。この消滅こそが我々にとっての死だ。]

アインス「ふむ、ゴールドブイドラモンが歯車を浄化していなければ手遅れになっていたわけだな」

ブイモン[そう思うと本当にギリギリだったんだなあ]

ナノモン[デビモンはダークエリアによってアヌビモンにより3つの選択肢すら与えられないまま、デジタルモンスターにとっての死を強制されそうになったのだ。暗黒の力によって。闇の象徴である筈のデビモンですら消滅しかけたのだ。まさに暗黒だ。そこには闇も光もない]

ぞっとするほどの暗黒の力の強制力である。
もしゴールドブイドラモンが歯車を浄化していなければと思うとぞっとした。

ナノモン[私もエテモンを戻すには、まだ何か余地はあるのではないかと考えていた。だが、事態は最悪だ。どこまでも暗黒の力は有害なのだ。もうここまで話せば分かるな?エテモンを救う方法は、一つしかないのだ。まだアヌビモンの元で裁かれるという選択の余地がある、という方法を取るしかないのだ。エテモンが暗黒の力により巨大化などの最終手段に出る前に、倒すしかない。いや、倒すだけではだめだ、殺せ。ダークエリアに送るために。これほどまでの強大なものだとは私も思わなかったのだ。選ばれし子供達よ、注意しろ。お前達の相手をしている暗黒の力はそれほどまでに絶望的なのだ。しかし、デビモン、エテモンは何も知らぬままこの力を手にしている。だが、ダークエリアに住まう者達からすれば、格好の標的だ。注意しろ、いずれ、この力を利用しようとする輩が現われんとは限らん。だから、エテモンのように、救える同情の余地がある奴ばかりとは限らん。見極めろ。でなければ、その代償は高いぞ]

あのエテモンを殺すことこそが何よりの救いだとナノモンはいうのだ。
かつて誰よりも理解していたナノモンが。
その説得力ははあまりにも悲痛であった。

大輔「俺に任せてくれ、今のブイモンならエテモンを倒せる。」

ブイモン[ああ、手加減なしの全力全開でやればあんな奴、瞬殺出来るさ]

アインス「それにしても殺すことが救いになるとはな…」

ナノモン[エテモンのことなら気に病むことはない。エテモンの場合は、暗黒の力の浸食が激しくて、他に手段がないだけだ。私とて、かつての友をダークエリアに送れなど言いたいわけがないだろう。だが、このままではエテモンは確実に消えるのだ。ダークエリアで禁固刑になったとしても、デジタマで転生するにしても、生きることには変わらん。待つことなど苦にならんさ。救済の方法など他にも色々あるのだ。お前はこれからも捜して行けばいいだろう]

アインス「そうだな…」

一輝「俺達は一度、爺の家に戻る。一度合流しなきゃならないしな」

大輔「分かった。」

ナノモン[いいか?細心の注意を払え、そして全力でいけ。手加減など一切するな。]

大輔「分かってる。さあ!!エテモンとの最終決戦だ!!」

子供達とデジモン達がピラミッドの外に向かう。































そして外に出た瞬間、パートナーを進化させ、エテモンの手下達に攻撃を仕掛けた。
幸いなのはエテモンの手下に完全体のデジモンがいないことだ。
成熟期ならまだ自分達の手に負える。

大輔と太一、ブイモンとアグモンは皆が手下を相手取っているうちに笑天門号に駆け寄る。
太一とアグモンは大輔とブイモンの援護の為に共に来ていた。
そこには、空の脱出カプセルに騙され、怒り心頭のエテモンがいた。

エテモン[あんた達、よくもアチキを騙してくれたわねん!!この恨み、1000倍にして返してやるわ!!]

ブイモン[…悪いけどお前とは何時までも遊んでいられないんだ。今の俺の最高の力で早く終わらせてもらうぞ]

エテモン[へえ、それは楽しみね]

ブイモン[大輔!!]

大輔「デジメンタルアップ!!」

ブイモン[ブイモンアーマー進化!運命の咆哮!ゴールドブイドラモン!!]

完全体すら凌駕するパワーを誇る金色のブイドラモン。
今までは短時間の進化しか出来なかったが、超進化、ワープ進化の機能を廃止したことにより、紋章の力でアーマー進化の持続が飛躍的に増したのだ。
もうエテモンなど敵ではない。
アグモンもグレイモンに進化し、エテモンの周りにいたティラノモンとモノクロモンを蹴散らす。

エテモン[まーた金ピカ犬ドラモン!!?舐ーめんじゃないわよ!!ダークスピリッツ!!]

暗黒球がゴールドブイドラモンに迫るが、それを容易く弾いて鳩尾に一撃、そしてアッパーで上空に打ち上げた。

ゴールドブイドラモン[終わりだ!!ブイブレスアローMAX!!]

上空に打ち上げられたエテモンに極太の熱線が炸裂した。
エテモンは断末魔の叫びすら上げられずに消滅した。
主の消滅に呼応するかのように、ダークケーブルも消滅するが、暗黒の力が作り出したブラックホールにゴールドブイドラモン、大輔、太一、グレイモンも吸い込まれたのだった。

 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧