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ローゼンリッター回想録 ~血塗られた薔薇と青春~

作者:akamine0806
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第5章 卒業と新任地へ

 私たち同盟軍統合士官学校第173期生は宇宙歴791年4月5日に士官学校を卒業した。
私の卒業順位は575人中10位であった。途中編入生としてはまずまず満足できる順位であった。
 そして、当然のことであるがこの年卒業と同時に全員が少尉に任官した。
私は全員より2歳若い18歳であったが・・・
 また、先の事件で戦死した士官学校生9名のうち同期生であった7名に対しては戦死後の追贈という形で少尉任官後特進で中尉の階級が贈られた。
卒業後、3週間後には全員が新しい任地へ派遣される。
私の新任地は第2艦隊第41特別陸戦隊であった。
ローゼンリッター連隊は現在連隊の規模の戦力を保持しておらず、現在戦力は連隊長のバーンシェッフェ大佐以下7名の士官と1個白兵戦中隊と1個後方支援小隊ととなり名目上は存在するものの廃隊寸前であった。
私のよき教師であったリンツ中尉、ブルームハルト少尉は第2艦隊第41特別陸戦隊に左遷された。
そのほかの隊員も第41特別陸戦隊に配属されていた。
つまり、第41特別陸戦隊はローゼンリッターの一時退避場所だったというわけである。
これは副連隊長シェーンコップ中佐の元上官で元ローゼンリッター隊員であった、現第41特別陸戦隊指揮官のマークス・カルナック准将の配慮であったのだ。
こうして、第41特別陸戦隊の実に4割近い隊員はローゼンリッター隊員で占められていた。
この第41特別陸戦隊について説明しておこう。
第2艦隊を上級部隊とし、宙陸両用作戦や強襲揚陸作戦を主任務とする3個白兵戦連隊を主部隊とする戦力である。
マーク・カルナック准将は先のヘンシェル攻防戦でヘンシェル奪還降下部隊総司令官を務めた勇将で過去にはローゼンリッター連隊副連隊長を務めた人物であった。

現在、第2艦隊はハイネセン近郊のリヨンに駐屯している。
無論、第41特別陸戦隊もここに駐屯している。
配属までの3週間することがなかったので、リヨン駐屯地への引っ越し準備をしたり、いろいろとお世話になった第23特別陸戦隊にあいさつに行ったりした。
私のよき相談相手であり、友人でも会ったニコールは現在「ハイネセン第2衛生軍医士官学校」の士官候補生 軍曹である。
なんとか、あの難関の軍医士官学校に合格したのだ。今現在彼女は途中編入の4年生。
毎日勉強が大変とは言っていたものの、楽しそうに医学学科・研修をこなしていた。
ところで、私の同期生で友人であるステファン・クォーター少尉は第6艦隊 第443空母機動群 宇宙空母「アムルタート」第66空戦飛行隊に配属された。
彼は、その通達がされたとき当然ながらめちゃくちゃ喜んでいた。
そのほかの友人たちとしては
スーン・スールズカリッター少尉は第8艦隊 第88戦艦打撃群 戦艦「ユリシーズ」砲術士官に、カレン・モートン少尉は第6艦隊 第98ミサイル艇隊 ミサイル艇「M-222」航宙長になった。
私の友人の中で一番変わった配属場所になったのがエダ少尉で、彼は「同盟軍中央情報局」の第3課課長であった、バクダッシュ大尉の副官になった。

配属まで、あと1週間といったところで私はある2通の通達を受けた。
それは
「第2艦隊は急きょ第99小惑星群 βⅢへの出撃が決まった。第2艦隊総司令部まで急ぎ出頭せよ」
と、「貴官の処遇は、第41特別陸戦隊第1連隊第3中隊 中隊長である。」
1,2通目どちらにも驚かされたが2通目は強烈だった。
小隊長勤務なしで中隊長って…

頭の混乱する中2日後には司令部に出頭した。
第41特別陸戦隊指揮官のマークス准将は私に任命書を手渡すなりいきなり私を作戦室に引き込んだ。
准将は
「シュナイダー少尉
いきなりだが、これを見てもらいたい。」
と言って、見せられたのは
第99小惑星群の帝国軍基地βⅢの航空写真であった。
そこには各連隊からその所属する大隊そして、中隊までの進撃経路が書かれてあった。
「ついこの間、ここに駐屯していた第99小惑星群軍守備隊の第91連隊が帝国軍の攻撃で全滅した。
ここは、草も生えないような一面雪原との氷の諸惑星だが、ここからは艦艇を動かす有用なエネルギーが採掘されるところだ。何としてもここを奪還し、ここでいまだにゲリラ攻撃を行っている見方を援護しなくてはいけない。
そのために我々第2艦隊が派兵されることになったのだが、
本来の君の中隊の指揮官であったショーン・ヘンドリックス大尉以下多数の士官がついこの間の空挺降下訓練でまさかの事故に見舞われてね・・・・」
この事故はかなり大きなものであった。
空挺降下訓練中の部隊が搭乗した輸送機にハイネセン首都防衛軍の第93高射群の自動攻撃システムが誤作動して1個中隊分の輸送機30機中7機を撃墜するという事件であった。
同盟軍はこの所属部隊、事故の詳細を隠していたがこれが今回の作戦のための訓練中であったのだ。
このために先述のショーン大尉以下中隊本部メンバーのほとんどが死亡した。
もともとこの中隊は下士官が小隊長を務めていたため、士官の生き残りは0になってしまったのだ。
この中隊には私を含めて新たに5人の少尉が配属されていたが、このうち私を除く4名は予備役将校訓練課程卒業の予備役少尉でつい2年前まで大学生であった少尉たちで、実戦経験がなかったのだ。
それで困りに困った司令部は以下のような中隊人事を行ったのであった。
中隊長 エーリッヒ・フォン・シュナイダー少尉
中隊長付 アラン・ベイ 予備役少尉
第1小隊長 エーリッヒ・フォン・シュナイダー少尉(兼任)
第2小隊長 クレメンツ・ホリー 予備役少尉
第3小隊長 ジョージ・フィリップス 予備役少尉
機関銃小隊小隊長 マリー・ビュコック 予備役少尉
本来なら少尉は小隊長付に任命されるものであるが、先任少尉である私が中隊長、以下その他の少尉は小隊長に任命された。

私はこうして宇宙歴791年 5月3日 少尉任官2週間後18歳にして1個中隊250名の命を預かる中隊長になったのである… 
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