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フレッシュ&スウィート フルーツプリキュア!

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ラビリンス本土決戦
スーパーフレッシュプリキュア!誕生
  第48話 成仏できない悪霊!それがメビウス!!

 
前書き
 敵はメビウス総統だけ!休戦協定締結からメビウスを窮地に追い込むとこまでお送りします。 

 
 
 ラビリンス首都ピョンピョン近郊の荒地ノースイーストが倒れた現場

 「行きましょう。」
 「待て。」
 「塔から聞こえる。」
 「我が名はメビウス。全世界の統治者なり。」
 「メビウス。」
 「まだまだ元気があるな。今日はもう遅い。」
 「遅いって。」
 次第に暗くなり始めた。
 「夕刻。」
 「ここで休戦協定を結ばないか。」
 「なぜ。」
 「それでも行く。」
 「ピーチエンジェル、待ちなさい。」
 「でも。」
 「グウーーーーッ。」
 「またお腹の虫さんが鳴ってしまったどす。」
 「グウーーーーッ、グウーーーーッグウーーーーッグウーーーーッ。」
 「ああーーっ。」
 「お昼も食べず戦い続けたからね。」
 「そうだろ。腹が減っては何とかではないか。」
 「皆、休戦協定を受け入れましょう。」
 「はい。」
 「決まったな。」
 すると、スウィーツ王国からテレビ電話の着信が入った。
 「メビウス聞こえるか。」
 「貴様は。」
 「スウィーツ王国のエンジニアでシフォンの父ショコラだ。」
 「ショコラか。よくも、私のコンピュータをメチャクチャにしたな。」
 「ああ。そのおかげでクラインを外へおびき出したからな。」
 「貴様、一連の技術どこで教わった。」
 「私の父と当時の上司からだ。」
 「そうか。」
 「シフォンは無事だろうな。」
 「ああ、無事にいる。」
 「パフェに代わるぞ。」
 「パフェとは誰だ。」
 「私が、シフォンのママでパフェよ。」
 「そうか。この子の母親か。」
 「メビウス、シフォンを返して。」
 「誰が返すか。シフォンは絶対に渡さん。」
 「そんなあ。」
 「きちんと、シフォンの世話をしてるの。」
 「我が親衛隊の手で手厚く世話をしている。案ずるな。」
 「代われ。」
 「あなた。」
 「その言葉、信じて良いな。」
 「もちろんだ。」
 「メビウス。」
 「何だ。」
 「シフォンに何かあったら、いつでも容赦しないよ。」
 「約束しよう。絶対に危害を加えないことを。」
 「休戦協定の解除はいつだ。」
 「明日の9時だ。」
 「分かった。プリキュア隊、今晩はゆっくり体を休め。」
 「でも。」
 「案ずるな。こっちも監視している。」
 「分かった。」
 「よし、ホテルへ引き上げろ。」
 「はい。」
 プリキュア隊17人は飛び立ち、引き上げ始めた。一方、チビプリの母親たち6人とサウラー、ニューウェスター、ウェスターの3人は、徒歩でホテルへ向かった。
 「プリキュア。」
 「明日、頑張って。」

 スウィーツ王国首都アラモード内ナノ研究所

 「中断か。」
 「かなり追い詰めましたから。」
 「これもタルトとアズキーナのおかげじゃ。」
 「あなた夕食は。」
 「適当に作って持って来てくれ。」
 「分かったわ。」
 パフェはナノ研究所を出た。
 「わしもワッフル城のダイニングで夕食食べてくるかの。」
 「長老、お疲れ様でした。」
 「いや、まだ戦いはこれからだぞ。」
 「はい。」

 御一行が宿泊するホテルのレストラン

 プリキュア隊全員、変身を解いていた。
 「いらっしゃいませ。今日はバイキングで夕食サービスをご提供させていただきます。」
 「バイキング。」
 「食べ放題。」
 「ありがてえ。」
 「近隣住民からたくさんの食材をご提供されましたから。これも、プリキュア隊のご活躍のおかげです。」
 「すごーい。」
 御一行は、食券を係員に渡しレストランへ入って行った。
 「サウラー、私たちは宿泊客じゃないから。」
 「いくらかな。」
 「今日はお安くしておきますよ。日本円で1500円ぐらいで。」
 「日本円で1500円か。」
 「ありがてえ。ニューウェスター、一緒に食べるぞ。」
 「OK。」
 サウラーとニューウェスターも料金を支払った後、レストランへ入って行った。

 スウィーツ王国ナノ研究所

 「あなた、持ってきたわよ。」
 「そうか。」
 パフェはテーブルに夕食を置いた。
 「まだ監視は続けるの。」
 「もちろんだ。」
 すると
 「所長。」
 「どうした。」
 「メビウスのマザーコンピュータが復元作業を開始しました。」
 「そうか。それで休戦協定を結びたがっていたのだな。」
 「あなた。」
 「何、勝負は明日だ。夕食いただくぜ。」

 数十分後、

 御一行は中会議室を借り、サウラーとニューウェスターを加えて明日の作戦会議を始めた。
 「どうやら、総統官邸に結界が張られたそうよ。」
 「この間、何をしても入れないってこと。」
 「そうよ。テルンから提供された映像ではいまのところ、シフォンは無事だよ。」
 「良かった。」
 「では、明日9時に潜入するけど、メンバーを決めるから潜入を希望者は、各部隊毎に申し出て。」
 「もちろん、私たちフレッシュよ。」
 「私たちスウィートもよ。」
 「あたちたち、フレッシュチビもよ。」
 「まず、プリキュア隊17人全員ね。チビプリのお母さんたちは。」
 「私たち、官邸前でチビプリ6人と交信するわ。」
 「電波も十分届くみたいだからね。」
 「分かったわ。何かあったら、外部への連絡お願いね。」
 「はい。」
 「俺たちも一緒に行かせてくれ。」
 「メビウス様に対する忠誠はもはや無い。今はただ、全ての真実が知りたいだけだ。」
 「うん。」
 「これで20人ね。」
 「タルトちゃんとアズキーナちゃんはここにいて。」
 「何言うてんねん。わいも行くで。」
 「どんな危険が待っているか分からないのよ。」
 「危険が何や。わいは、長老からシフォンのこと任されたんや。せやのに、なのに。」

 回想編 総統官邸内コンピュータルーム外の階

 「わいは、わいは。」

 現世に戻って

 「タルト。」
 「絶対に行くでぇ。」
 「うちもお供しますえ。」
 すると、スウィーツ王国からテレビ電話の着信が入った。
 「ん、ショコラはんや。」
 「タルト、よく言った。」
 「ヘエ。」
 「タルトは僕の代理だ。父の代理として、プリキュア隊と協力するのだ。」
 「おおきに。」
 「アズキーナ。」
 「はい。」
 「君は、パフェの代理として行ってくれ。」
 「おおきに、ショコラはん。」
 「総統官邸を潜入してシフォンの階まで行けただけでも功績は大きい。おかげで、マザーコンピュータを突き止め、遠隔操作ができるようになったのも大きい。これによって、他国の名簿データファイルの全削除に成功し、更にラビリンスの国民基本台帳まで及び、クラインをおびき出すことに成功した。」
 「ヘエ、おおきに。」
 「長老も喜んでいたぞ。」
 「そうでっか。」
 「ショコラさん、1つ聞いていい。」
 「何かね、ラブちゃん。」
 「あの階って。」
 「シフォンのいる階だよ。」
 「タルト、アズキーナ。私たちが飛行機で移動中、そこまで行ってたの。」
 「ヘエ。」
 「小動物だから、センサーが感知しにくいんだよ。」
 「そうなの、ショコラさん。」
 「そうだ。」
 「ねえ、シフォンちゃんのパパさん。」
 「何かね、小さなお嬢ちゃんたち。」
 「極小サイズなら、センサーに感知されず、一足早くシフォンちゃんのいる階へ行けれるのではありませんか。」
 「お嬢ちゃんたち、賢いね。目に見えない小ささなら、十分可能であるぞ。コンピュータ操作も手伝ってくれるかね。」
 「もちろんよ。」
 「インフィニティも旧クローバーボックスも抜いて持って来てくれよ。」
 「はい。」
 「ショコラさん、シフォンのいる階ってどこなの。」
 「光っている位置で分からないかな。最上階よりも数階下の階だったはずだ。」
 「そう言えば、最上階で戦ったことがあるわ。」
 「確か、ドラゴンイースが出て来て壁を破られ吹っ飛ばされたこと覚えているわ。」
 「そうか。あの最上階までエレベーターで行った。」
 「うん。」
 「他の階でも、破られた個所があるだろ。」
 「確か、ノーザとノーサーで戦った時に2ヶ所壁が破れてるわ。」
 「行ける方法が分かったぞ。任せてくれないか。」
 「坊っちゃん、どうやって。」
 「詳しくは明日、お教えしよう。」
 「分かったわ。」
 「皆。」
 「はい。」
 「明日の計画のメドが立ったようだな。我々スウィーツ王国も、マザーコンピュータのハックに全力を注ぐ。僕としても、娘を助けるためやれることを全力を尽くす。」
 「ショコラさん。」
 「それでは皆、成功を祈る。」
 通話を切られた。
 「どやねん、わいらの活躍。」
 「分かった、一緒に行こう。」
 「おおきに。」
 「決まりね。」
 「これで、官邸潜入のメンバーは、20人と2匹に決まりね。」
 「それと、ジャーナリストのアジトから2人がどうしても一緒に同行したいって連絡が入ったわ。」
 「誰。」
 「来海流之助さんと渡部陽一さんの2人。何でも、ラビリンスで起った事を取材したいって言ってから。」
 「写真撮られるの。」
 「仕方ないよ。」
 「皆、真実を知りたいからね。」
 「分かったわ、22人と2匹ね。」
 「今晩の会議はここまで。明日、8時55分出発よ。」
 「良いね。」
 「はい。」
 「それでは解散します。」
 「解散。」

 2009年12月27日朝、ホテルレストラン

 「いらっしゃいませ。今日もバイキングです。」
 「うはあーー。」
 「たくさん食べよう。」
 「腹が減っては戦はできないからね。」

 スウィーツ王国ナノ研究所

 「皆、おはよう。」
 「おはようございます。」
 「今日は決戦の日。メビウスの悪しきプログラムを全て叩きのめせ。」
 「はい。」

 ホテル前

 プリキュア隊全員、プリキュアに変身してから外へ出て来た。尚、フレッシュ6人については、スーパーフレッシュの超変身はここで行った。
 「おはようございます。」
 「これは、流之助さんと陽一さん。」
 「私たちも取材に同行させてください。」
 「畏まりました。」
 「皆さん、お揃いで。」
 「サウラー、ニューウェスター。」
 「それでは、総統官邸の塔まで移動を任せてくれますね。」
 「はい。」
 「この白いカードは。」
 「ナケワメーケを使うの。」
 「ナケワメーケ。フン、その名はもう存在しない。」
 「ピューー。」
 「ホホエミーナ、我に力を。」
 「パン。ブアッ、ブアッ。」
 「ホホエミーナ、ニッコニコーーーッ。」
 ホホエミーナとは、北京発着の旅客機にも描かれている乗用怪獣である。
 「ニッコニコーーー。」
 まず、サウラー、ニューウェスター、ウェスターの3人が乗り込んだ。
 「私たちは自力で飛べるから、チビプリのお母さん6 人とカメラマンの2人は乗せてあげて。」
 「もちろんよ。さあ、乗って。」
 チビプリの母親6 人とカメラマンの2人も乗り込んだ。
 「シーーーーッ、カシャカシャ。」
 「行くぞ。」
 「ニッコニコーーー。」

 繁華街

 「あっ、プリキュアとホホエミーナだ。」
 「プリキュアーーー。」
 「皆が手を振っている。」

 数分後、総統官邸前

 「ワーワーワーワーワーーー。」
 「プリキュアーーーー。」
 「ホホエミーナは着陸した。」
 「私たちはここで待機します。」
 「何かあったら、お願いね。」
 「はい。」
 「プリキュアーーー。」
 すると、チビプリ6 人も着陸した。
 「チビッコプリキュアだ。」
 「あたちたち、この姿で潜入するよ。」
 チビプリ6人は、リンクルンを出した極小サイズへ超変身する。操作をし始めた。
 「チェンジ。ミニマムプリキュア、ヒーーーートアーーーッッップ。」
 「消えたかのように変身するなんてすごーい。」
 「チビプリたち聞こえる。」
 「はい。」
 「皆、これが最終決戦だよ。」
 「うん。」
 「はい。」
 「行こう。」
 「プリキュアーーー。」
 「プリキュアーーー。」
 チビプリの母親たち6人を除く22人は、塔へ向かって飛び立った。」
 「プリキュアーーー。」
 「ハッハッ、アッタラーーニッコニコーーー。」

 スウィーツ王国ナノ研究所

 「所長、メビウスのマザーコンピュータが起動しました。」
 「よし。早速、ハックにかかれ。」
 「はい。」

 ラビリンス総統官邸内

 ノーザとの戦いで破壊された壁から潜入した。
 「何か静か過ぎて気味が悪いわね。」
 「あっ、光や。」
 「出口やろか。」
 コンピュータルーム外の階に到着した。
 「シーーーーッ、カシャカシャ。」
 「ああーーっ、ここは。」
 「ブオーーーッ。」
 「シフォン。」
 「フッ、フフフフフフッ、ようこそプリキュア諸君。」
 「メビウス。」
 「カシャカシャカシャカシャ。」
 「シフォンを返して。」
 「シフォーーーーーン。」
 「インフィニティとシフォンは誰にも渡さん。」
 「メビウス、もうやめろ。」
 「ウェスター。」
 「てめえの作ったラビリンスの世界は、間違っているぜ。」
 「だまれ。相変わらず言葉遣い悪いな。父であり、母であるこの私を反逆した愚か者め。」
 「ううーーっ。」
 「メビウス、、俺の父と母ではない。両親共ロシア人だ。この体、母からのDNAから授かったものだ。貴様からではない。」
 「制裁してくれる。」
 「シュウーーーッ、バーーーン。」
 「ハアーーーーーーッ。」
 「バリーーン。」
 「ベリーマーメイド。」
 「ウェスターは愚か者なんかじゃない。」
 「誰よりも優しい心を持った、あたしたちの仲間よ。」
 「パインアゲハ。」
 「法の裁きを受けようとして、あたしにもきちんと謝罪したわ。今の彼は、改心・更生した真人間よ。」
 「チェリーフェニックス。」
 「フン。」
 「シューーーッ、バーーーン。」
 「キャーーーッ。」
 「うわあーーーっ。」
 すると、ピーチエンジェル、メロンソルジャー、ココトロピカルの3人がメビウスに立ち向かい始めた。
 「ハアーーーッ。」
 「シューーーッ、バーーーン。」
 「キャーーーッ。」
 「ドデッドデッドデッドデッ。」
 「スーパーフレッシュ。」
 「ウェスター。」
 「ううっ、ううーーっ。」
 「フッ、たわいな。」
 それでも、ウェスターは立ち上がった。
 「俺に喜びと笑顔を教えてくれた仲間。」
 「ううっ。」
 「大切な友人をこれ以上、傷つけさせはしない。」
 「喜び、笑顔、仲間、くだらん。」
 「シューーーッ、バーーンバーーンバーーーン。」
 「プリキュア・スーパーバリアーーー。」
 「コンコンコン、ドカーーーン。」
 「皆、6人で力を合わせよう。」
 「ええーーーーっ。」
 「待て。」
 「ウェスター。」
 「俺がやる。俺がやらなければならんのだ。」
 「どうやって。」
 「俺にビームを纏わせろ。」
 「良いの。」
 「何のためにこの鋼の体を作ってきたと思うか。」
 「スーパーフレッシュ、やってみなさい。」
 「はい。」
 「キィーーッ。」
 スーパーフレッシュの6人は、リンクルンを出してキュアスティックを呼び出す操作を始めた。
 「ハッ。」
 「トオー。」
 「エイッ。」
 「オーレ。」
 「ハアーイ。」
 「ヤアー。」
 スーパーフレッシュ全員、キュアスティックを受け取った。
 「届け。愛のメロディー、ピーチロッド。」
 「響け。希望のリズム、スーパーキュアスティック、ベリーライトブリンガー。」
 「癒せ。祈りのハーモニー、パインフルート。」
 「努めよ。情熱のアレグロ、スーパーキュアスティック、チェリーラグナロク。」
 「浄めよ。浄化のユビーロッソ、メロンガン。」
 「楽しめ。誠実のグランツィア、ココリコーダー。」
 「ドレミファソラシド、カチャッ、キィーーーン。」
 「悪いの悪いの飛んで行け。プリキュア。」
 「ラブサンシャイーーーン。」
 「エスポワールシャワーーー。」
 「ヒーリングブレアーーーー。」
 「ホットハーーーーート。」
 「クリーンフィルターーーー。」
 「バッドメモリーリムーーーブ。」
 「スーパーフレーーーーーーッシュ。」
 「ボーーーン、ボンボンボンボンボン。シューーーッ、」
 「ウッ。」
 ウェスターは、6つのビームを食らってオーラを形成した。これによって、3つの悪意「冷徹」、「汚れ」、「虚偽」が飛ばされた。
 「ウオーーーーーッ。」
 「ウェスター、大丈夫。」
 ウェスターは、メビウスに近付きこのオーラを食らわせた。
 「俺はラビリンスを出て学んだ。様々な人々が手を取り合い、共に生きると言うこと。そこから、幸せが生まれる。それが、人々が生きて行くのに大切なんだぜ。それはラビリンスに無かった。同じ人間同士なら、きっと....。」
 「待ちなさい。」
 「メビウスは24年前から人間ではないわ。」
 「スーパーフレッシュ、メビウスにビームを撃ち込んで。」
 「OK、ハアーーーーーーーッ。」
 「バーーーン。」
 「ああーーっ。」
 「あっ、エッ、メビウスさんよ。」
 「我が名はメビウス。我が名は.....。」
 「ウェスター、逃げて。」
 「あいよ。」
 「あっ、ああーーーっ、あうーーーーっ。」
 「ドカーーーン。」
 「そんなあ。」
 「あれがメビウス。」
 「ああーーっ。」
 「シューーーッ。」
 「それは本物の私ではない。」
 「何ですって。」
 「メビウス、どこにいるの。隠れてないで出て来なさい。」
 「私は隠れてなどいない。」
 「エッ。」
 「最初からずーとお前たちの目の前にいる。ここだ。私はここにいる。」
 「まさか。」
 「メビウスの正体は。」
 「あの巨大コンピュータ。」
 「シーーーーッ、カシャカシャカシャカシャ。」
 「そうだ、我こそが総統メビウス。」
 「そんな事。」
 「俺たちは、人間が作り出したモノにこれまで支配されていたのか。」
 すると、テレビ電話の着信が入った。
 「嘘を付け。」
 「何だと。」
 「貴様がコンピュータなら、ハックで内側から破壊してみせる。」
 「それができるとでも言うのか。」
 「あれだけデータファイルを削除しウィルスに感染させ、クラインを誘き出せた理由が分からないのか。」
 「ショコラさん。」
 「ああ。確かに私は、コンピュータに取り付いた悪霊だ。24年前にやられた無念がそうさせたのだ。」
 「それで、あの時の怨念でか。」
 「24年前、私は確かに人間だった。おっと、この話をすれは長くなる。後で詳しく話をしよう。」

 コンピュータルームの階にある球体内

 そこには一足早く、チビプリ6人が潜入している。
 「あそこにマザーコンピュータがあるのね。」
 「でも、兵隊さんの警備が厳重。」
 「ねえ、見て。」
 「下の部分が。」

 コンピュータルーム外の階

 球体下の部分が口のように開いた。
 「さあ、インフィニティとシフォンを取り戻したければ来るがいい。」
 「行こう。」

 球体内コンピュータルーム出入口

 「シフォンちゃんが入ったカプセルが外へ出て行く。」
 外の階
 「ああっ。」
 「あそこに。」
 「シフォン。」
 スーパーフレッシュ6人はキュアスティックを引っ込めた。その直後、スーパーフレッッシュとスウィートの11人は一斉に飛び立った。
 「シューーーーン。」
 「シフォーーーーーン。」
 「バーーーン。」
 「うわあーーーっ。」
 「キャーーーッ。」
 「バーーン、バーーン。」
 「うぐぐぐっ。」
 「皆。」
 「何なのこれ。」
 「体が重くて飛べない。」
 「重力を操っているみたいね。」
 「フフフフッ。」
 「シューーーーン。」
 鳥越高校の制服を着た蒼乃美希風のメビウスが姿を現した。
 「さあ、シフォンのもとへ上るがいい。」
 「何なの。あれ、あたし。」
 「どうやらあれは、メビウスが作り出した幻のようだな。」
 「シフォン、今行くからね。」
 「キーーーーン。」
 スーパーフレッシュ6 人、スウィート5 人、サウラー、ニューウェスター、ウェスターの3人、タルトとアズキーナの2匹及びカメラマンの2人計16人と2匹が階段を上がり始めた。

 スウィーツ王国ナノ研究所

 「ドンドン、ウィルスの犯してプログラムを破壊しろ。」
 「はい。」

 球体出入口につながる階段

 「ただ上るだけでは退屈だろ。」
 「はあ。」
 「まず、私に忠誠を誓い続けている格下兵士たちと戦ってもらおう。」
 「シューーン、シューーン。」
 「イーーーーッ。」
 「銃を持ってる。」
 「バズーカ砲も持ってる。」
 「皆、ワンダーバンクルの用意を。」
 「OK。」
 「イーーーーッ。」
 「ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド。」
 「コンコンコンコンコンコンコン。」
 「カチッカチッカチッカチッ。」
 「イーーーーッ。」
 「ボンボンボンボン。」
 「プリキュア・スーパーバリアーーー。」
 「コンコンコンコン。」
 「突撃よ。」
 「レディー・ゴー。」
 「イーーーーッ(こちらも突撃)。」
 「タタタタタタタタタタタタタタタッ。」
 「タアーーーッ。」
 「バコボコバコボコバコボコバコボコ。」
 「イーーーーッ。」
 「ドテドテドテドテッ、シューーーッ。」
 格下兵士部隊は全滅した。

 コンピュータルーム出入口

 「ねえ、見て。」
 「ゾロゾロゾロゾロ。」
 「兵隊の半分が動き出したわよ。」
 「かなり手薄になるけど、まだまだね。」
 「我慢、我慢。」

 球体内部の階段

 「所詮、雑魚か。ならば、我が親衛隊と戦ってもらうぞ。出よ、太刀持ち隊。」
 「ピカッ、ピカッ。」
 周囲はジャングルになった。
 「全てはメビウス様のために。」
 太刀持ち隊とは、ウェアーモンスターの集団であった。
 「な、何やこいつら。」
 「ポン、ポポポポポーーーン。」
 「ピューーーーッ。」
 「ハアーーーッ。」
 「テヤーーッ。」
 「タアーーーッ。」
 「バキボキバキボキッ。」
 その後も飛んでくる矢をことごとく撃ち落とした。
 「全てはメビウス様のために、突撃。」
 「こっちも突撃よ。」
 「レディー・ゴー。」
 「タタタタタタタタタタタタタタタッ。」
 「ヤアーーーッ。」
 「オリャアーーーッ。」
 「トオーーーーッ。」
 「バコボコバコボコバコボコバコボコ。」
 「ウゴーーーーーーッ。」
 「ドテドテドテドテッ、シューーーッ。」
 太刀持ち隊は全滅した。
 「流石だ。こうでなくては。」
 「それでは、24年前より以前の話を聞かしてもらおうか。」
 「よかろう。教えてやる。」
 「バチッバチッバチーーーッ。」
 「元々のラビリンスは。」
 メビウスは、白詰草女子学院高等部の制服を着ている山吹祈里に姿を変えた。
 「そう、プリキュア。お前たちが住む世界に似ていた。」
 「エエーーッ。」
 「だが、文明の発達により人間は、便利さばかりを追い求め、ついには国の管理までをコンピュータにやらせようと考えた。ラビリンスの科学の推移を集め作られた国家管理用のメインコンピュータ『メビウス』。それが私だ。」
 また、テレビ電話の着信が入った。
 「嘘を付け。」
 「何を言う、コンピュータの名前も『メビウス』だ。」
 「そうか。」
 「話を聞け。これにより、ラビリンスはより高度な文明を得た。しかし、このコンピュータはあまりに優秀過ぎた。」
 「優秀過ぎた。」
 「何を言う。スウィーツ王国のコンピュータ技術に敵うワケない。」
 「まあ、よく聞け。私は、この国の民の愚かさに気付いた。コンピュータに頼り切りで自分では何も考えない。そんな民たちにこの世界を任せておくワケには行かない。だから、武装集団を結成し。ラビリンスを乗っ取ることを考えた。私は、配下を引き連れメインコンピュータのあるこの建物を襲撃し、頼り切りのだらしない民衆を銃と砲で脅し、ひれ伏せさせた。更に、議会も脅し、国家権力機関も当時の軍隊も全て脅した結果、ラビリンスを支配することに成功した。」
 「ひどい。」
 「コンピュータ頼り切りも良く無いわね。武装集団に乗っ取られてもおかしくないわね。」
 「そうだろ。支配成功後、私はコンピュータと同じ名前、メビウスと名乗った。」
 「メビウスの名を語り始めたのも、この頃からね。」
 「そうだ。そして、武装集団のリーダーだった私は、一国の主として総統に就任したのだ。」
 「正に、勝手就任。」
 「悪かったな。ここで、自分の手足となる護衛を仕立てることにし、爬虫類のDNAからクラインを、植物のDNAからノーザを生み出した。」
 「そう、この顔ぶれでスウィートプリキュアと24年前に戦ったのを忘れてはいないよね。」
 「ああ、覚えてる。ノーザとクラインを揃えてから、全パラレルワールドを管理する計画を始めたのも確か。」
 「しかし、私たちスウィートの5人でその野望を阻止し、あなたを倒した。」
 「ああ、悔しかった。復活するまでかなりの歳月がかかったからな。あの後、バブルが訪れはじけてくれ、長引く不況が続いたおかげで私は、幽霊として復活できたからな。その間、ノーザとクラインの後継者も探し求めていた。後継者は植物のDNA を受け継いだノーザの娘ノーサーと、爬虫類の鱗(DNAはタップリある。)を皮膚に組み込んだ東せつなの2人だ。」
 「ひどい。」 
 「せ、せつなをこんな化け物にするなんて。」
 「仕方ないだろ。顔が爬虫類顔だし、叫んだ表情がティラノサウルスに似てるからな。だいいち、東せつなは幼少時に両親を失った孤児だから。当時、クラインが引き取り面倒を見ていたのだよ。」
 「それで、クラインは育ての親なの。」
 「そうだ。」
 「遠い祖先がティラノサウルスって言うのも本当。」
 「それはどうか分からないが、火を吐く大怪獣に変身できるのも、彼女にはそう言う凶悪なDNA を持っているのだ。」
 「ピーチエンジェル、彼女が悪事を止めさせることができなかったのも、それが理由になっているのよ。」
 「無理だな。私が、殺人マシーンとして仕立てたからな。他国で捕まれば死刑は確実だからな。」
 「せつな。」
 「ところで、あなたが復活したのはいつ。」
 「教えよう。2008年10月、リーマンショックによる世界恐慌が起きた頃だ。この時に不幸ゲージが大幅に上昇したからな。この頃こそがチャンスと考え、改めて全パラレルワールドを管理することを決心した。」
 「クーーーッ。」
 「では、ゲーム再開だ。」
 メビウスは、都立四ツ葉高校の制服を着ている桃園ラブに姿を変えた。

 コンピュータルーム出入口

 「残った兵隊も出て行った。」
 「チャンス。」
 「中へ入ろう。」

 球体内部の長い階段

 「出よ、露払い隊。」
 「ピューーーーッ。」
 「うわあーーーーーっ。」
 「寒い。」
 「ツルツルしてる。」
 「こ、氷の怪獣がいっぱいいる。」
 「またか。」
 「来よるで。」
 「ガオーーーーッ。」
 「キィーーーッ。」
 キュアメロンとキュアメロンマザーは再度、キュアスティックを呼び出す操作を始めた。
 「ピュウーーーッ。」
 「プリキュア・ファイアーーー。」
 「ボオーーーーッ。」
 「ハアーイ。」
 メロンとメロンマザーはキュアスティックを受け取った。更に
 「チェンジ。」
 「ミ、カチャッ。」
 「メロンバズーカー。」
 「ファレファ、カチャッ。」
 「メロン・ファイアーーー。」
 「ゴオーーーーーーッ。」
 「ウゴーーーーッ。」
 「トロートロートロートロー。」
 「ツルン。」
 「キャーーーッ。」
 アズキーナは、ウェスターの肩から落下した。
 「タルト様。」
 「兄弟。」
 「ウェスター。」
 ウェスターは飛び降りた。
 「兄弟。」
 「フッ。」
 「ホホエミーナ。」
 「フフフッ、そうはさせんぞ。」
 「バーーーン。」
 「ホホエミーナーーー。」
 「パタン。」
 「うわあーーーぁーーーっ。」
 「ドスン。」
 「ニッコニコーーー。」
 「バーーーン。」
 「兄弟。」
 「ウェスター。」
 「プリキュア・フェニックス・アターーーーック。」
 チェリーフェニックスは不死鳥フェニックスに変身した。
 「ガオッ。」
 「食らえ、転生の炎。」
 「ボッ、ゴオーーーッ。」
 「ウゴーーーーッ。」
 「トロートロートロートロー。」
 「ポロローーーン。」
 「うっ。」
 「ニッコニコーーー。」
 ウェスターは起き上がった。更に、ホホエミーナも復活した。
 「タルト様。」
 「兄弟。」
 「うっ、ここは。」
 「気が付いたねん。」
 「そうか。」
 「ホホエミーナはんも。」
 「ニッコニコーーー。」
 「さあ、皆。穴の中は重力がないから、乗って戻って来て。」
 「フェニックスか。」
 「そうよ。」
 「ありがてえ。兄弟、行くぞ。」
 「ヘエ。」
 戦いの現場では、フェニックスも含むプリキュア隊は、徹底的に火炎攻撃を繰り返した。
 「ゴオーーーッ。」
 「ボオーーーーッ。」
 「ウゴオーーーーーッ。」
 「トロートロートロートロー。」
 「やったあ。氷の怪獣は全滅よ。」
 「先に行ってて。」
 「OK。」
 チェリーフェニックス、メロンソルジャー及びメロンマザーを除く8人とサウラーとニューウェスター計10人は、先に階段を上り始めた。
 フェニックスは変身を解き、キュアチェリーフェニックスに戻った。更に、メロンソルジャーとメロンマザーはキュアステックを引っ込めた。
 「行くよ。」
 「OK.」

 コンピュータルーム

 極小サイズの時、隙間から入ることに成功し元の大きさに戻った。
 「これが、コンピュータルームの中ね。」
 「中から開けられる。」
 「開けれるわ。」
 「カチャッ。」
 「OK。」
 「これでいつでも出られるわ。」

 球体内の長い階段

 「フフフッ、下を気にしてる場合ではないぞ。」
 メビウスは、ダンスコスチュームを着用しているミユキに姿を変えた。
 「前を塞がれたわ。」
 「抜けろーーーーーー。」
 サウラーは、大量のホワイトカードを投げつけた。
 「シューーーッ、スパーーンスパーーン。」
 「フン。」
 「ピューーーーッ、クルクル、ギュギュッ。」
 サウラーは、大量の太いコードに絡まれ動けなくなってしまった。
 「バチッ、ビリビリビリビリッ。」
 「うわっ。」
 「サウラー。」
 「振り向くな。進め、プリキュア。」
 「坊っちゃん。」
 「フフフッ、人数が減ってきてるぞ。」
 「メビウス、許さない。」

 球体外の階

 「ピーチはん。」

 長い階段上部

 「タッタッタッタッタッタッ。」
 「ハアーーーッ。」
 「全パラレルワールドの支配。全ては、私の計算通り進むはずだったがプリキュアとスウィーツ王国!貴様たちのおかげで何もかも狂ってしまった。」
 メビウスは、ミユキからブラックウェスターに姿を変えた。
 「パタッ。」
 「ええっ。」
 「我が忠実な僕たちまで騙して仲間にしてしまうとはな。」
 「待て。」
 「ニッコニコーーーッ。」
 「ウェスター。」
 「そいつは違うぜ。俺は騙されてなんかいない。俺はラブちゃん、美希ちゃん、祈里ちゃん、フェレットの兄弟、ミユキちゃん、大輔君、カオルちゃん、ジュリアーノさん、メクルメク国王陛下、水泳コーチ他、たくさんの人たちに教わったぜ。」

 回想編 過去のクローバータウンストリート

 「人それぞれ、皆違って良いことではないか。いくつもの失敗や喜び、悲しみを経験して一生懸命生きる。」

 現世に戻って

 「それが、人間の素晴らしさだ。」
 「ウェスター、ありがとう。」
 「行こう。全ての世界の幸せと笑顔を守るために。」
 「何を言っても無駄なようだな。」
 「バーーーン。」
 「シフォン。」
 「ならば消え去れ。」
 メビウスは、シフォンの持つ超能力を利用しながら、魔法を唱え始めた。
 「バーーーン、キーーーーン。」
 「キャーーーーーーーーーッ。」
 「プリキュア。」
 「ピューーーーッ、ドテドテドテドテドテドテッ。」
 「愚か者め。」
 「バリバリビリビリ。」
 「キャーーーーーーーーーッ。」
 「キャアーーアーーーーァーーーーーッ。」
 「ううっ、皆あーーーーっ。」
 「タルト様、あれっ。」
 「ん、あーーーーっ。」
 メビウスの本当の正体を現した。
 「バーーーーン。」
 「ここで朽ち果てるがいい。」
 「ハハハハハハハハハッ。」

 総統官邸前

 「プリキュア、プリキュアーーーーーーッ。」

 スウィーツ王国ナノ研究所

 「いかん。」
 「全員倒れてしまったぞい。」
 「だが、チビッコたちはルーム内に無事います。」

 ラビリンス総統官邸内コンピュータルーム

 「スーパーフレッシュのお姉さんたちとスウィートのオバさんたちも皆、倒れてしまった。」
 「タルトちゃんとアズキーナちゃんは無事だわ。」
 「あたちたち、一体どうちゅれば。」

 コンピュータルーム外

 「バーーーーン。」
 「大丈夫でっか、スーパーフレッシュの皆はん、スウィートの皆はん。」
 「サウラーはん、ニューウェスターはん、ウェスターはんも目を覚ましておくれやす。」

 コンピュータルーム内

 「何かが作動し始めている。」

 スウィーツ王国ナノ研究所

 「このプログラムは。」
 「名簿作成・管理プログラムじゃ。」
 「休んでいる間に復元したんだな。皆、早速、プログラムの削除に取りかかれ。」
 「はい。」

 ラビリンス総統官邸内コンピュータルーム外の階

 「チーーーーッ、チッチッチッ、パリッ、キューーーーッ。」
 「うわあーーー。何やこれ。うわっ。」
 「フフフッ。さあ、私が管理してやろう。」
 「シュウーーーン。」
 「今、楽にしてやる。私が言うがままに生きれば、間違いないのだ。」
 「シューーーッ。」
 「ディスプレイが大量に出現した。」
 「ビュッ、ボン。」
 「桃園ラブ17歳。血液型B型、身長157 cm、都立四ツ葉高校普通科2年生。桃園あゆみ41歳。血液型B型、身長159 cm、高島平駅前スーパーマーケットパート店員。」
 「ラブはんとあゆみはんのデータを、管理しようとしてはんるとちゃいまんの。」
 「やめいな、メビウス。そんなこと許さへん。」
 「バッバッ、グルグルグル。」
 「うわあ。」
 「キャアーーーッ。」
 「蒼乃美希17歳。血液型O型、身長174 cm、私立鳥越高校トレイルコース2年生。蒼乃レミ41歳。血液型O型、身長175 cm、美容院経営。」
 「山吹祈里16歳。血液型AB型、身長153 cm、私立白詰草女子学院高等部普通科2年生。山吹尚子40歳。血液型AB型、身長160 cm、医療事務員。」
 「知念美幸20歳。血液型AB型、身長171 cm、プロダンサー。」
 「渥美奈菜20歳。血液型O型、身長163 cm、プロダンサー。」
 「磐城麗華20歳。血液型B型、身長155 cm、プロダンサー。」
 「サウラー26歳。血液型A型、身長184 cm、元ラビリンス外務大臣で陸軍大将。」
 「ニューウェスター27歳。血液型A型、身長155cm、元陸軍少将。」
 「ウェスター25歳。血液型A型、身長192 cm、メクルメク王国陸軍曹長。」
 「タルト3歳。食肉目イタチ科、シナモンフェレット、スウィーツ王国皇太子。」
 「アズキーナ2歳8ヶ月。食肉目イタチ科、バタースコッチフェレット、スウィーツ王国皇太子妃。」
 「フフフッ、これで良い。これで秩序が戻る。」

 コンピュータルーム内

 「タルト3歳っておかちいー。」
 「フフフッ。」
 「動物だから仕方ないでしょ。」

 スウィーツ王国ナノ研究所

 「大変です所長、長老。」
 「削除作業がはかどりません。それと、他の所員からですけど、何度もインターネットへつなげようとしましたが、どうしてもつながりません。」
 「どう言うことだ。無線LAN ではないのか。」
 「どうやら、有線LAN らしいのです。」
 「相分かった。ルームに潜入している、チビプリ6人たちと交信してみよう。」
 「はい。」

 ラビリンスコンピュータルーム内

 「うわぁ、外に変化が。」
 すると、1台のディスプレイにショコラの顔が映った。
 「チビフレッシュ、聞こえるか。」
 「シフォンちゃんのパパよ。」
 「もしもし。」
 「キュアピーチが。LAN ケーブルを探してくれないか。」
 「はい。」
 「それを見つけたら、コンピュータ本体の裏側の差込口へ差し込んでくれ。」
 「はい。」
 「頼むぞ。」

 総統官邸前

 メビウスは、巨大な幽霊となって姿を現した。
 「我が名はメビウス。全世界の統治者なり。」
 「ザワザワザワザワ。」
 「聞け、国民たちよ。ラビリンスの秩序を乱したプリキュアは、この私が管理した。もう心配はいらん。正しい答えは常にただ1つ、それはこの私だ。私が真実だ。皆は、この私に従っていれば良いのだが。」
 「ハハッ、メビウス様。」
 「メビウス様。」
 「メビウス様。」
 「ザワザワザワザワ。」
 「全てはメビウス様のために。」
 「はあっ。」
 「良いか。私が全て決めた世界なら、争いも悲しみも不幸もない。私が管理統制した世界こそ、間違いのな正しい世界なのだ。」

 コンピュータルーム内

 「あった。これだ。」
 「どこへ差し込めば良いのだろう。」

 コンピュータルーム外

 「その代わり、あなたが管理した世界には思いやり。」
 「重い槍ならあるぞ。食らいな。」
 「エッ。」
 「パタッ、ピューーーーッ。」

 コンピュータルーム内

 「プリキュア・プチブラスト。」
 「ピュウーーーッ。」

 コンピュータルーム外

 重い槍の落下軌道が変わった。
 「ヒィーーーッ。」
 「グサッ。」
 「良かった。」
 「ピーチエンジェル、発言には気を付けて。」
 「はい。話を続けるよ。メビウスには喜びも幸せも無い。」
 「まだ、管理が十分でなかったか。」
 「ウィーーーーーーン、チューーーン。」
 「ウッ。」

 コンピュータルーム内

 「良かった。重い槍の軌道がそれて。」
 「チビピーチ、見つけたよ。」
 「ここ。」
 「差し込んでみよう。」
 「カチッ。」
 「は、ハマった。」
 「やったあ。」
 「でかしたぞ、チビプリ。」
 「はい。」
 「これでウィルスが次から次へと届くはずだ。」

 コンピュータルーム外

 「誰かが決めるんじゃない。」
 「ズズーーーーッ。」
 「自分たちで悩み考え決めるから意味があるんだよ。」
 「時には間違えることだってあるわ。」
 「悲しむことだってある。」
 「災に襲われることだってある。」
 「騙されて金品を奪われることだってある。」
 「不幸になってしまうこともある。」
 「でも、それを乗り越えることのできる思いやりや。」
 「ピーチエンジェル、『思いやり』を発言してはダメ!」
 「パタン、ピューーーーッ。」
 「ハアーーーッ。」
 「プチプチプチッ、コロコロコロ。」
 「ピューーーーッ、グサッ。」
 ピーチエンジェルは、縛られてたヒモを引きちぎり間一髪回避した。
 「話を続けるわ。喜びや幸せがきっと生まれる。」
 ピーチエンジェルは立ち上がった。
 「ブアッ。」

 スウィーツ王国ナノ研究所

 「所長、長老。マザーコンピュータの名簿作成システムファイルの削除に成功しました。」
 「よくやった。」

 ラビリンス総統官邸内コンピュータルーム外

 「何、バカな。」
 「間違ったら何度でもやり直せば良い。」
 「喜びと幸せを手に入れるまで。」
 「だから、こんなところでは終われないのだ。」
 「そう、絶対に終わらせないって、私信じてる。」
 「常に正直に生き抜くからこそ、信じてもらえるのよ。」
 「汚れは常に振り払って清き心で。」
 「最後の最後まで努力し続けるわ。」
 「そうよ。だって、あたし完璧だから。」
 「そして、最後は幸せゲットだよ。」
 「プチッ、プチプチプチプチプチッ。」
 「ブアッブアッブアッブアッブアッ。」
 ピーチエンジェル以外のプリキュア10人とサウラーたち3人もヒモを自力でちぎり立ち上がった。
 「シーーーーッ、カシャカシャカシャカシャ。」
 「バン、ピコピコピコピコ。」
 「桃園ラブたちのデータ管理に失敗しました。」
 「貴様ら、貴様ら。何をした。」
 「あたちたちがLAN ケーブルちゅないたんだよ。」
 「ガキ共め、中に入りやがって。」
 更に、テレビ電話の着信が入った。
 「僕が言おう。」
 「ショコラさん。」
 「名簿作成・管理システムファイルを削除した。」
 「貴様、スウィーツ王国め。許さんぞ。」
 「来るなら来い。待ってやるから。」
 「まず、プリキュア隊からの始末だ。」
 「皆、構えて。」
 「OK。」
 「ウウーーーーーーーーッ。」
 メビウスのオプション幽霊が大量に出現し始めた。まず、メロンソルジャーとメロンマザーがキュアスティックを呼び出す操作を始めた。
 「キィーーーッ。」
 「プリキュア・フェニックス・アターーーーック。」
 キュアチェリーフェニックスは、不死鳥フェニックスに変身した。
 「ハアーイ。」
 メロンソルジャーとメロンマザー2人共キュアスティックを受け取った。
 「チェンジ。」
 「ミ、カチャッ。」
 「メロンバズーカー。」
 「ファラシ、カチャッ。」
 「メロン・ディア・フラーーーーッシュ。」
 「ボン、ボン、ピカーーーーーーーッ。」
 「ウゴーーーーッ。」
 「こっちも行くわよ。食らえ、転生の炎!」
 「ボッ、ゴオーーーーーーーーーーーーーッ。」
 「ウゴオーーーーーッ。」
 「プリキュア・アイフラーーーーーッシュ。」
 「ピカーーーッ。」
 「ウゴーーーーッ。」
 「プリキュア・サンウィンド。」
 「ピカッ、ピューーーーッ、ボボボボボ。」
 「ウゴーーーーッ。」
 「プリキュア・ファイアーーー。」
 「ゴオーーーッ。」
 「ウゴーーーーッ。」
 その中に全体攻撃を掻い潜って近付くオプション幽霊がいる。それに対しベリーマーメイドとココトロピカル中心に待ち構えている。
 「ハアーーーーーーッ。」
 「バコボコバコボコバコボコバコボコ。」
 「ハッ。」
 「ボカン、バコン、ボカン。」
 「フッ。」
 「バコボコン。」
 ラビリンス復元国民名簿が次第に削除され、ディスプレイに映った国民が消え、変わってエラーメッセージが映った。
 「メロン・ディア・フラーーーーッシュ。」
 「プリキュア・ファイアーーー。」
 「ボン、ボン。ピカーーーーーーーッ。」
 「ボオーーーーッ。」
 「ウゴーーーーッ。」
 「ピカッ。」
 「ウゴーーーーッ。」
 「ボカボカボカン。」
 「ボン。」

 総統官邸前

 「あっ。」
 「メビウス様が小さくなって行く。」

 コンピュータルーム外

 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーっ。」
 「更に、大量に出して来た。」
 「フッ。」
 「タアーーーッ。」
 「エイエイッ。」
 「バコボコ。」
 「テヤーーッ。」
 「バコッ。」
 キュアベリーマザーとサウラーが背中合わせになった。
 「坊っちゃん、カッコ良いわ。」
 「いやあ、レミさんこそ素敵ですよ。」
 「プリキュア・アイフラーーーーッシュ。」
 「ピカッ。」
 「ウゴーーーーッ。」
 しかし、横から近付くオプション幽霊がいる。
 「あうーー。」
 「ラビリンス・ディア・フラーーーーッシュ。」
 「ピカッ。」
 「ウゴーーーーッ。」
 「ニッコニコーーー。」
 「ニューウェスター。」
 「パインアゲハ、徹底的に光攻撃よ。」
 「うん。」
 「ハッ。」
 「バコバコ。」
 「ウェスター。」
 「姉貴、接近戦は任せろ。」
 「OK。」
 「バッバッバッバッバッバッバッバッ。」
 ディスプレイにエラーメッセージの映像が続出している。
 「シューーーッ。」

 総統官邸前

 「バチバチッ、シューーン。」
 「おおっ。」
 「どうなんだ。」
 「ザワザワザワザワ。」

 コンピュータルーム外

 「管理できなかったプリキュアたちとスウィーツ王国のデータが、私の中を駆け巡る。」
 以下の光景が駆け巡っている。
 不死鳥フェニックス、バズーカー砲を撃つキュアメロンソルジャーとキュアメロンマザー、キュアココトロピカル、キュアパインアゲハ、キュアベリースーパーマーメイド、キュアベリーマザーとサウラー、ホホエミーナ、スウィーツ王国メインコンピュータ前に座るショコラ、パフェ、ティラミスの3人、コンピュータ操作をし続けているナノ研究所所員、キュアピーチエンジェル。
 「消去されて行く。」

 総統官邸前

 「あっ、僕は今まで一体何を。」
 「プリキュアを応援していたのよ。うふふふふっ。」
 「あっ、そうだ。プリキュアは今も戦っている。」
 「僕たちに今できることは。」
 「プリキュア、プリキュア、プリキュア、プリキュア。」
 「プリキュアーーーーーーーーーーーーーッ。」
 コンピュータルーム内
 「戦いが終わったみたいね。」
 「今のうちに。」
 「キュアチビベリーは、インフィニティを引っこ抜いた。」
 「スポン。」
 「ゴオーーーーーーッ。グラグラグラグラ。」
 「誰だ。インフィニティを抜いた奴は。」

 総統官邸前

 「塔が沈んで行く。」
 「本当だ。」
 「ゴオーーーーーーーーーーーーーッ。」
 巨大な塔は、以前の建物に戻ってしまった。

 コンピュータルーム外

 「何だか大きく下降したような。」
 「あたちたちよ。」
 「チビプリ。」
 「インフィニティは奪還したわ。」
 「旧クローバーボックスも奪還よ。」
 「やりやがったな、ガキ共。」
 「バチッ、バチッ。」
 「メビウス。観念してシフォンを返しなさい。」
 「誰が返すか。話をさせろ。」
 「何が言いたい。」
 「ラビリンスの科学者は、無秩序な世界を統制するために私を作った。だから、私は正しい。正しいのは常にこの私だ。それなのに、お前たちのせいで無に帰するのだ。」
 「わいらのせいやて。わいはただ、ドーナツあげただけやで。」
 「確かに、我々スウィーツ王国が内側から攻撃したからな。」
 「メビウス、あなたがしていたことは人々を騙し、意のままに操ろうとしていただけに過ぎない。」
 「意のままに操れない人たちに対し、諸外国で戦争を仕掛けたり、国内でも寿命操作で殺害してあなたこそ、究極の殺人マシーンだわ。」
 「その寿命操作で俺の命をも奪おうとしやがって。これからも、自由に生きさせてもらう。」
 「きっと、ラビリンスの人たちは、皆の幸せのためにあなたを作ったはずよ。幸せを奪うためじゃない。」
 「この私を浄化しようと言うのか。」
 「メビウス、あなたの幸せは何。」
 「私の幸せ、そんなものはプログラムされていない。だが、あえて言うならばプリキュア!お前たちを消し去ることだ。」

            完 
 

 
後書き
 メビウス総統が仕掛る最後の手段とは。これさえ阻止できれば、真の幸せが待っております。
 プリキュア隊とスウィーツ王国、あと1歩だ!! 
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