| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハイスクールパパラッチ

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

旧校舎のディアボロス
  どうやら原作が始まるみたいです!

 
 
「「「死ねー!! 重楯ェ(碧羽ゥ)ーーー!!」」」
「アッハッハッハ、お断りですね」


 ――バキッ! グシャッ! グチャッ!


「フォビドゥン!?」
「レイダー!?」
「カラミティ!?」


 授業が終わり、時間は放課後となった今、私は変態三人組に報復されました。が、返り討ちにしてやりました。普通の人間程度に負ける程弱くないですし。


「重楯! お前のせいでまた穴場が無くなっちまったじゃねーか!!」


 丸刈り頭の変態が叫ぶ。こいつの名前は松田 陽一。爽やかなスポーツ少年の姿をしたのとは裏腹にド変態の残念少年です。別名『エロ坊主』『セクハラパパラッチ』『重楯 碧羽と真逆の行動をする奴』


「そうだぞ重楯! あの穴場を見つけるのにどれほど時間がかかったと思うんだ!!」


 次にメガネ少年が叫ぶ。こっちの名前は元浜 惣右介。メガネを通して女性の体型を数値化できるとかいうクソ下らねぇ特殊能力を持ってます。誰がどう考えても明らかに残念能力ですね。握手しないと発動しない読心能力やアスファルトの粘性しか操れない能力並に要りません。後者二つの能力を持ってる私が言えた義理ではないですが。


「そうだぜ碧羽(へきう)! おかげで俺達すげー怒られたんだからな!!」


 そして最後に叫んだ奴の名前は兵藤 一誠。あだ名は特に無いですが、強いて言えばイッセーでしょうか。ほか二人が濃すぎるせいで地味になりがちだから仕方ないですかね。まぁ、別に知らんでも構わないでしょう。正直な話、特に変わった見た目や能力がないから、ただのド変態野郎というわけです。ただ、困ってる人は分け隔てなく出来得る限りの助力をし、頭も学年上位を取るほどに良いので、教師や生徒会からすれば扱いに困る生徒堂々の第二位を飾っています。因みに一位はぶっちぎりで私です!


「元士郎以外は全員女性で美人な生徒会メンバーに説教を貰ったんです。本望でしょう? 貴方達は」
「「「ハイ! 生徒会メンバー最高でした!!」」」


 悲しいかな。前二人は兎も角、イッセーと私は友達という関係にあります。所謂、悪友にして親友的な。まぁ年中ネタに尽きない連中で、面白いですし。イッセーとは家が隣同士ですしおすし。








 それから松田と元浜の二人と別れ、イッセーと二人で他愛もない話をしながら家路についていると突然―――

「あの!兵藤一誠くんですよね?」

 ―――イッセーが声を掛けられました。しかも美女です。


「えっと……俺が兵藤一誠だけど。……どちら様?」


 ある意味初めて美女に声を掛けられたイッセーは緊張してます。ちょっとからかってみますか。暇だし。


「我が親友兼悪友にして、お隣さんのイッセーよ。まさか他校の生徒にまで迷惑をかけていたのですか? ……残念です。警察に捕まるか、警察に捕まりに行くか、好きな方を選びなさい」
「なんでだよ!? まだ他校には迷惑かけてねーよ! ってか警察に捕まること前提かよ!」
「まだ? つまり何時かはやると?」
「そういう意味じゃねーよ!」
「……あのー」


 私がイッセーをからかっていると、すっかり空気となっていた彼女が話しかけようと声を掛けてきました。仕方がない。からかうのは止めますか。


「あぁ、すいませんね。つい話し込んでしまって。ところでお嬢さん(フロイライン)、あなたはこのド変態で犯罪者一歩手前のようなイッセーにどの様なご用で?」
「ちくしょう…否定できねぇ…」
「…その、兵藤くん!」
「はっ、はい」








 次の瞬間、彼女は爆弾を投下しました。








「私と、付き合ってください!!」






「え?」
「(ΦωΦ+)ホホゥ....、こいつは特ダネです」


 この瞬間、イッセーに(おそらく)人生初の彼女ができた模様です。




 ――仄かに友人達と同様の、堕ちた香りする彼女が。












――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――














 ―――天野夕麻。

 我が悪友にして親友である、イッセーに告白した彼女の名前です。




 あの日、彼女ができた日からイッセーのテンションは常に有頂天でした。
 学校では正直ウザイと思えるほどのテンションで授業に参加して先生に怒られたくらいです。

 まぁ、初めてできた彼女なのです。暖かく見守るとしましょう。むしろ、イッセーが清いお付き合いをしてくれれば、それはそれで特ダネになりますからね。犯罪だけは起こさないでほしいものです。


 それと、松田と元浜は血の涙を流していましたが…………どうでもいいですかね。てか一部女子達もショックを受けた表情してましたね。

 ま、イッセーは陰では何気に女子からは木場 祐斗に継ぐ人気を誇ってますし、変態性を少し抑えれば彼女くらいすぐに出来たと思いますけどね。






 そして今日、ついにイッセーが人生初のデートに初陣です。

 ちなみに私は隠れて二人を追跡するつもりです。無論ネタ集め為に!
 てかイッセー。待ち合わせ時間の一時間前にステンバーイするのは、どうせ「お待たせ兵藤くん。待った?」「いや、俺もいま来たところだから」って感じのやり取りがしたいんですよね? アホですか、そうですか。三十分前とかにしとけばいいものを。


「お待たせ兵藤くん。待った?」


 おっと、ようやく彼女が到着したみたいですね。


「いや、俺もいま来たところだから」


 流石はイッセー! 私の予想を裏切らないとは。

 その後二人は洋服店や小物、喫茶店などのお決まりコースで、楽しそうにデートして行きました。

 何の面白味も無い普通のデートでしたが、そのデートも終盤。二人で公園に入っていきました。


 ―――夕暮れの公園。

 二人で何かを話している。
 デート後に夕暮れの公園に居る一組のカップル。シチュエーション的にはこれ以上ない程のモノ。裏の事に関わり合いの無い一般人が殆どの学園の新聞の記事に出来ない程の大スクープな展開は無いといいなぁーとか思っていたら………。


「死んでくれないかな」


 ――バサァッ。


 天野夕麻の背中から一対の黒い翼が生えました。
 ハァ。予想通りの展開すぎてうんざりです。そしてあの堕天使は弱過ぎです。


 彼女の手から友人達のモノと比べると爪楊枝と言っても過言では無い程小さく、切れかけの安物豆電球と言っても過言では無い程に薄汚い光をした光の槍が生成され、イッセーに向けて投擲されました。


 さて―――

「なにやら実に面白ェことになってますねェ、お二人さン」

 ―――取り敢えず、助けに行くとしますかねェ。


「私も混ぜてくださいよ」









――――――――――――








 Side:一誠


「死んでくれないかな」
「え?」


 俺こと兵藤一誠は混乱していた。
 初めてできた彼女、夕麻ちゃんとのデートで浮かれすぎて疲れたのかな? なんか夕麻ちゃんの背中から黒い烏の翼みたいなのが生えてるように見えるし、「死んでくれないかな」なんて聞こえた。


「楽しかったわ。あなたと過ごしたわずかな日々。初々しい子供の飯事に付き合えた感じだった」


 冷ややかで見下した様な声で夕菜ちゃんが話す。その手には一本の槍のようなものが握られた。

 え? つーか、普通に槍じゃね? アレ。


 そのままそれが俺に向かって投げられた。


「(あぁ~、これは多分死んだな、俺。童貞くらいは捨てたかったぜ……)」


 このまま俺に投げられた槍が刺さるかに思ったが――――

「なにやら実に面白ェことになってますねェ。お二人さン」

 ――――今、この場に居るはずのない親友の声がした。


 その声の人物は投げられた槍をぶっ壊して、俺と夕麻ちゃんの間に飛び込んできた。


 ……って! あいつなんで!?


「私も混ぜてくだせェよ」


 間違いない。あいつは親友兼悪友にしてお隣さんである―――

「へっ、碧羽ゥ!?」

 ―――重楯 碧羽がいた。


 Side:一誠








――――――――――――








「アイエエエ! ヘキウ!? ヘキウナンデ!?」
「五月蝿ェですよ。将棋以外のボードゲームで7:3で私に勝ち越せる奴がリアリティ・ショックにかかった一般人の情けない悲鳴の様な声を上げねェで欲しィものですよォ」


 ――バキッ!


 突然現れた私に驚き叫んで動かないイッセーを蹴り飛ばしました。

 …………ちょっとスッとしたのは内緒です。


「アベシッ! って痛ってぇな!? なにすんだよ碧羽!」
「将棋以外のボードゲームで私に勝ち越せる秀才の癖して情けない悲鳴上げてる貴方が悪ィです。人生を年齢の回数やり直して来なせェ」
「できるか! てかトンボの太閤将棋や裸王ですら負けた時の俺の心は回復がほぼ不可能なくらいボロボロなんだが!?」

「あっ、あなた、何をしたの!?」


 イッセーとコントの様なやりとりをしていると、イッセーを殺そうとした堕天使が驚愕に声を震わせながら叫んできました。


「……なにって、殺されかけてた我が親友兼悪友にしてお隣さんのイッセーを助けるためにィ、アンタが出した (薄汚ェ光の)槍を壊しただけですがァ、なにかァ?」
「………まぁいいわ。どっちにしたって人間が何人いようと私にかなう訳ないし。残念だけど、見られたからあなたにも死んでもらうわ!」


 そう言ってワンの雑魚堕天使は再び光の槍を手に作り出しました。しかし何度見ても薄汚ェ光してますねェ。私の友人達の光の槍はもっとこう、エクスカリバーや聖剣並とまでは行きませんけど、海蛍や蛍の冷光みたいな綺麗な光を放ってると言うのに。この堕天使の槍ときたら……


「イッセー。ここは私がどうにかします。その隙に貴方は逃げなせェな」
「なっ、なに言ってんだよ! 危険地帯に親友を残して行ける訳だろ!!」


 ……あなたはいい奴ですね、イッセー。私の様な存在の心配をしてくれるなんて。正体を知らないとはいえ、恐らく人間で心配してくれたのは貴方が初めてですよ。


 だからこそ――――

「お願いします」
「碧羽……わかった。ヤバくなったらお前も逃げろよ!」
「分ァってますよ。また明日、教室で会いましょうや」


 私がそう言うと、イッセーは走ってこの場を離れて行きました。

 フゥ、なんとかイッセーを逃がすことができましたか。全くアイツは、優しすぎるんですよ。


「あら? お別れは済んだのかしら?」


 先ほどまで何してこなかった雑魚堕天使が不適に笑っていました。


「えェ、ばァっちりですよォ。明日また会う約束もしましたしねェ」


 それに対抗し、私も不適に笑って応えました。


「そう、でも残念。あなたに明日なんて来ないわっ!」


 次の瞬間、彼女の手から小さな小さな、それこそ人間の腹に直径10センチ程度の風穴を開けれるかどうかの大きさの薄汚ェ光を放つ光の槍が投擲されました。
 しかも、友人達の投げるものより格段に遅い。友人達の投げる光の槍がF1カーの最高速度(約300km/h以上)並とすれば、この堕天使の投げる光の槍は超重量戦車マウスの最高速度(約20km/h前後が限度)くらいがイイ所です。遅いにも程がありますね。流石はワンです。まあ、友人達はトゥエルヴやイレヴンですから仕方ないと言えば仕方ないんですけどね。差が有り過ぎます。単純計算で十一倍や十二倍ですから。

 しかしこの堕天使は弱いですねェ。私の友人達はノーモーションで駒王学園の校舎並みの大きさの槍を十本単位で投げてくるのに。


「やれやれ。何度も言うようにィ――っと、そう言えば貴様は初めてでしたね。なら教えてやりましょォかァ」


 そう言いつつ、私は迫ってきた汚い光の槍を掴み取り―――

「私は」

 ―――手に力を込めていき―――

「細胞レベルで」

 ―――徐々に力を強めていき、そして―――

「オーバースペックなんです!」

 ―――跡形もなく握り砕く。


「うっ、嘘よ…あなた、本当に何をしたのよ。ただの人間ごときが、私の槍を砕くなんてあり得ないわ!」
「確かに、ただの人間なら不可能でしょうね。ですが、あいにく私はただの人間ではないので。さっきも言ったように、私は細胞レベルでオーバースペックなのです。ま、トゥエルヴやイレヴンの攻撃を止められるのに、ワンの攻撃を止められない訳がないでしょう」
「まっ、まさかあなた、神器保持者(セイクリッド・ギア・ホルダー)……」
「そうですよォ~、自身の身体能力向上系じゃないので先の行いは全て素の身体能力によるモノですけどねェ。で、どうします? 堕天使の小娘。このまま逃げるなら追いませんけどォ?」


 そう挑発しながら私は構えをとりました。しかし。


「えぇ、得体の知れないアナタを殺すように指示を受けてもいない。それに、もう目的は達成したから」
「何ですと?」


おい間抜け(レイナーレ様)碧羽さんの友人の仮死化終わらせたぞ(対象の殺害)二度とこんな事やらせんなボケが(完了しました)


「何!?」


 突然の第三者の声に振り返ると、そこには光の槍に貫かれ、血の海にいるイッセーと、もう1人堕天使がいました。って、カラワーナじゃないデスカ。

 クッ、目の前のクソ雑魚堕天使のプライドを砕こうとする遊びに夢中になり過ぎてイッセーに護衛を付け忘れてました。


「イッセー!」
「よくやったわ、カラワーナ。それではご機嫌よう人間」


 翼をはためかせ、二人の堕天使は何処かへ去って行きました。

 が、今は堕天使のことなどどうでもいいです。あんな雑魚なんて何時でも消せます。落ち着くのです。

 そう自分に言い聞かせつつ、私は急いでイッセーの元へ駆けつけました。


「しっかりしてくださいイッセー! それでも私の親友ですか!? 目を開けなさい!」


 けれど、イッセーが再び目を開けることはありませんでした。


「すいません、イッセー。私がもう少し周りに気をつけていればこんな事には……。仕方ありません。ある意味では私が殺したも同然。日本神話の神々や地獄には後で土下座で謝りに行けばいいんです。此処は駒を使って…………ん? 書置き? それに胸の辺りが光っている?」


 光っているものを取り出すと、それは一枚の魔法陣が描かれた紙切れでした。
 その紙切れは徐々に光を増していき、そして突然―――

「あなたね。私を呼んだのは」

「…………リアス・グレモリー、ですか」


 ―――鮮血のように、鮮やかな紅と言う言葉が似合う髪を持つ女性――リアス・グレモリーが現れました。


 
 

 
後書き
 カラワーナのセリフはルビが口に出してる言葉。心の中ではボロカスに言ってます。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧