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インフィニット・ストラトス 乱れ撃つ者

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天才

「よし、専用機持ちは全員集まったようだな」


朝食を終え、少しゆっくりしたかったのだが、俺達専用機持ちは織斑先生に呼び出され、海岸近くの浜辺に集められた。


「待ってください。 箒は専用機を持っていません」


織斑先生の言葉に、凰が反応した。
今、この場に集まっているのは一夏、俺、オルコット、凰、シャルロット、ラウラ、そして箒さんだった。
そういえば、今日はあの人が出てくるんだっけか


「それについては私から説明しよう。 実はだな……」


「チィィ~チャァァ~~~ン!!!」


織斑先生が話そうとしたちょうどその時、俺達の後方からそれを遮るやたらとテンションの高い声。
振り替えれば、今まさに織斑先生に飛びかかろうと俺達の頭上を越えていくウサギ耳の機械的なカチューシャのようなものをした女性。


ISの開発者にして、箒さんの姉。 篠ノ之束だ


「会いたかったよ~チィチャンッ!!」


「ええいっ離れろ!」


「あ、チィチャンのアイアンクローも随分と腕を上げてイタイイタイ!」


織斑先生のアイアンクローを喰らいながらも喋り続けるこの人は、もしかしたらすごいんじゃないか(主に物理的な意味で)と思ってしまう。 いや、実際に凄いのか



「箒ちゃんもちょっと見ない間におっきくなったね~。 特にそのオッパ…」
「ふんっ!!」


自身の胸に伸びていた姉の手を交わし、いつのまに取り出したのか、木刀でこれを迎撃した箒さん
あ、鼻血でた。

「殴りますよ姉さん」

「箒ちゃんひっどーい。 殴ってからいった~」


頭をさすり、ふぇ~と泣き真似をする篠ノ之束。
だがテンションは全く変わらず。


「束、自己紹介くらいしろ」

「え~、めんどくさいなぁ…」


織斑先生の命令に渋々ながらも俺達の方に向き直った篠ノ之束。
胸元の開いた衣装に身を包み、どこか箒さんに似ているような感じがするが、箒さんのキリッというよりはほわ~とした感じだ。


「私が天才の束さんだよ。 ハロハロ~。 はい、終わり」


なんともやる気のない自己紹介をありがとうね。
俺は心の中でそんなことを思っていたが、どうやら周りの奴(一夏除く)は違ったようだ。


「篠ノ之束って……」


「ISを開発した天才科学者の……」


「ほ、本物ですの」


「むぅ…」


各々が篠ノ之束の存在に驚いたようだ。
まぁ、普通に考えて、こんなとこに来るとは思わないよな。



「フフフ、さぁ!空をご覧あれ!」


得意気に笑った篠ノ之束は上空を指差した。
つられて空を見上げた俺達が目にとらえたのは、とんでもない速度で落下してくる、正八面体の銀の物体。
ズドンっ!!というものすごい音をたてて俺達の目の前に突き刺さった。


「これが箒ちゃんの専用機、赤椿だよ~!」


中から現れたのは真っ赤な機体。
間違いない、俺の知っているものと同じものだ。


「赤椿はねぇ~、天才の束さんが造った第四世代型ISなんだよ~」


「だ、第四世代型……!」

「そんな、漸く世界で第三世代のISの試験機ができたところですのに……」


第四世代型。
量産機が第二世代で主流となり、各国で第三世代が造られていくなかでのこれだ。
驚くなと言う方が無理だ。


「……第四世代…」


俺のサバーニャは第三世代。
完成したというクアンタはそもそもISと似ているが異なる部分も多いらしい。
まぁ、粒子化とかできちゃう時点でなぁ……


加賀さん達でも造れない第四世代をこういとも簡単に造ったと軽い口調で言えてしまうのは、やはりこの人だからというのが強いだろう。


「それじゃ箒ちゃん、フィッティングとか色々やっちゃおうか!」

















「…はいっ!終了!」


瞬く間に終わった。
実際にこの目で見ると分かる。あれは以上だ。
上機嫌に自分のことを誉めている篠ノ之束。 あれは人間なのかと疑いたくなってくるが、あれが天才とされる一端でもあるのだろう。
……まぁ、あれには及ばないけど、加賀さんだって早いもんね!


「それじゃ飛んでみようか! 箒ちゃんの思い通りに動くはずだよ!」


「はい」


篠ノ之束の言葉に頷いた箒さんは目を閉じ、集中する。
と、次の瞬間にはかなりのスピードで上空へと飛び上がっていた。
第三世代のISとは比べ物にならない早さである。
……ま、俺を除いてだがな


「……トランザムの方が速いな…」


「束さんはそれも気になるなぁ」


ラウラやシャルロット達が赤椿のスピードに圧倒されている中、それを見て一人呟いた俺。
そんな俺に言葉を返す人物、篠ノ之束だ


「…何のようですか?」

「束さんは君達の使う技術に凄く興味があるんだよ。 この天才束さんが調べても出てこないなんて、普通じゃないよ?」

なんと、うちのことを調べていたのか。
まぁ、この人のことだ。いままでのことも見ていた可能性は高い。


「お誉めに預かり、光栄ですよ」



そういって一礼。
俺の名前を聞くと、そのまま赤椿の性能実験に戻った篠ノ之束はオープンチャットを送ったり、何処からともなく出現させたミサイルを赤椿に打ち込んでいく。
しかし、そんな攻撃も簡単に武装 『雨月』、『空割れ』で対処する箒さん


こっからみていても感じ取れる性能。
はたして、俺はトランザムを使ってもあれに勝てるのか。

(やるなら、短期決戦、だよな……)





「大変です~!!」


ちょうどそんなとき、宿舎の方から慌てて走ってくる人影。
副担任の山田先生である。


「織斑先生、これを……」


渡されたデータを見て、何か呟いた織斑先生。
俺には聞き取れなかったが、恐らく、あの事件が起きたのだろう。


「性能試験は中止だ。 各自、すぐに宿舎で集まれ」



ハワイ沖で起きたISの暴走事件。
そのISがこちらに向かってくる。


(さ、どうするかな)
 
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