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仮面ライダー鎧武 信じた道

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第三十六章

「一撃で決めるか」
「そうだ、さっきも言ったが小細工は意味はない」
 今この状況ではというのだ。
「全ての力を注ぎ込んでだ」
「この戦いを終わらせるか」
「そうする、いいな」
 バロンも構えを取った、そして二人で全身に力を込め。
 スサノオが両手を前に出して放つ波動を突き破りだ、突進し。
 雄叫びを挙げつつスサノオの間合いまで来た、その一撃でだった。
 スサノオを貫いた、それと共に。
 スサノオの傷口から激しい火花がほとぼしった。それこそがだった。
「決まったな」
「これでな」
 二人はそれを見て勝利を確信した、実際に。
 スサノオもだ、こう言った。
「勝負は終わった」
「負けを認めるか」
「私はもう立つだけで精一杯だ」
「そうか」
「君達の勝ちだ」
 実際にだ、その通りだというのだ。
「今回はな」
「そうか、じゃあな」
「貴様は去るか」
「そうさせてもらう、次の戦いの時を楽しみにしている」
「その時もな」
「勝つのは俺達だ」
 二人はそのスサノオを見据えて彼に告げた。
「何度戦ってもな」
「俺達は必ず貴様に勝つ」
「その意気を見たいのだ」
 スサノオは断末魔の中でもだ、身体を起こして語った。
「人間、そして君達にだ」
「それなら何度でも見せてやる」
「人間の意地を」
「あんたが人間を見たいのならな」
「俺達は遠慮なく見せる」
「それでいい、私は永遠の牢獄から君達と戦いだ」
 そして、ともだ。スサノオは言った。
「人間の様々なものを見せてもらおう、ではさらばだ」
「次に会っても」
「貴様を倒す」
 二人でだ、今まさに火花から爆発に包まれたスサノオの最期を看取った。スサノオは確かに死んだがだ。
 鎧武はだ、バロンに言った。
「あいつはまたな」
「そうだ、出て来る」
 バロンもこう応える。
「俺達の前にな」
「俺達の戦いも続くな」
「ライダーでいる限りな」
 それは、というのだ。
「永遠に続く」
「そうだよな、じゃああいつの気が済むまでな」
「何度でも戦ってだ」
「勝ってやるか、そして見せてやろうな」
「人間というものをな」
「そうしような、じゃあ今は」
「帰るぞ」
 バロンはこう鎧武に告げた。
「俺達の帰るべき場所に」
「それじゃあな」
 鎧武もバロンのその言葉に頷く、そしてだった。
 二人は遺跡を後にして森の方に戻った、そこでだった。
 仲間達のところに来た、そこでの戦いはもう終わっていた。ライダー達は皆生きていた。倒れている者はいなかった。
 その中でだ、龍玄がだった。
 最初に二人に気付いてだ、この言葉で問うた。
「終わったんですね」
「ああ、そっちもだよな」
「はい、終わりました」
 確かにとだ、龍玄はバロンに答えた。
「こっちも」
「じゃあ帰ろうか」
「帰ったら何をしますか?」
「そうだな、まずは再会を祝ってな」
「パーティーですね」
「それしようか」
「ドルーパーズに行きましょう」
 龍玄はパーティーの場所としてこの店の名前を出した。 
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