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仮面ライダー鎧武 信じた道

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第三十七章

「あそこに」
「ああ、マスターもいるしな」
「それにです」
「俺の就職先だしな」
「また雇ってもらいましょう」
「こっちの世界にいたら働かないと駄目だしな」
「はい、ですから」
 それで、というのだ。
「あのお店に行きましょう」
「皆でな」
 こう話してだった、ライダー達は森から彼等の世界に戻った。空間は彼等が出ると自然と閉じられた。そこでだった。
 戦士達は日常に戻りだ、そのうえで。
 ドルーパーズにおいてパーティーを開いた、店長の阪東清治郎は葛葉の姿を見てだ、目を輝かせてこう言った。
「今まで何処に行ってたんだ?」
「まあ色々と」
「何か久し振りに見る奴が多いな」
 駆紋に初瀬、そして湊も見ての言葉だ。
「皆よく無事だったな」
「まあ無事かっていうとな」
 葛葉は阪東のその言葉には少し苦笑いになって答えた。
「今は、ってところか」
「何だ?怪我でもしてたか?」
「皆な、それで俺は他所のところに行ってたんだよ」
「それで暫くいなかったのか」
「そうだったんだよ、まあこれからはこっちにも来られるけれどな」
「じゃあこっちにいる時はここで働けよ」
 阪東は自分からだ、葛葉に言った。
「こっちにいる時はこっちの仕事が必要だろ」
「それでか」
「ああ、また宜しくな」
「こっちこそな」
「さて、俺達はだ」
 操真はパーティーがはじまろうとしている賑やかな中でクールな口調で呟く様にして言った。
「帰るか」
「いやいや、あんた達もな」
「ここでか」
「パーティーにいてくれよ」
 葛葉はこう言ったのだった、操真だけでなく魔法使い達全員に。
「そうしてくれるか」
「いいのか」
「仲間だろ、だったらな」
「仲間か」
「ああ、いいな」
「わかった」
 静かな声でだ、操真も他の魔法使い達もだった。
 パーティーに参加することにした、皆それぞれの席に着いて果物やスイーツ、ジュースを楽しむパーティーをはじめた。
 そこにだ、一人の客が来た。その客はというと。
 サガラだった、サガラは葛葉のところに来て言った。
「元気にしていたみたいだな」
「ああ、あんたもな」
「俺はこの通りだ、変わりない」
 笑ってだ、サガラは葛葉に答えた。
「ここにいる」
「そうか」
「ついでに言うが俺の正体は言ったがな」   
 サガラは笑いつつだ、ここで自分のことを言った。
「実は黒衣の青年やスマートレディと一緒に色々やってるんだよ」
「スサノオの敵ってことか」
「ああ、蛇はスサノオとは違うんだよ」
 このことをここでだ、彼は語った。
「むしろ敵だ」
「あいつの考えには賛成出来ないからな」
「どうも好きになれなくてな」
 それで、というのだ。
「俺はあいつには与していない」
「それで俺達にか」
「気が向けば手を貸す、宜しくな」
「ああ、こっちこそな」
 葛葉はサガラににこりと笑って答えた、そしてだった。
 あらためてだ、彼にこう言った。
「じゃああんたもパーティーに参加するか」
「いいのか?俺も」
「ああ、席も空いてるしな」
「そうか、誘ってくれたのならな」
「一緒にな」
 こう話してだ、そしてだった。
 ライダー達はサガラも入れてそうしてだった、勝利と帰還を祝うのだった。永遠の戦いが待っているその束の間の休息の中で。


仮面ライダー鎧武  信じた道   完


                           2015・3・30 
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