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仮面ライダー鎧武 信じた道

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第二十九章

「俺達は魔法使い、そして仮面ライダーだ」
「そうですか、貴方達も」
「そのことも含めてだな」
「ああ、詳しく話すか」
 葛葉は操真の言葉に頷いてだった、そのうえで。
 鎧武の面々も含めてだった、明日の戦いについて詳しい打ち合わせをした。その話が整ってからだった。
 呉島がだ、仲間達に問うた。
「皆生きて帰る覚悟は出来ているな」
「生きて、なのね」
「そうだ」
 湊にも確かな言葉で返す。
「生きるて帰る覚悟は出来ているな」
「死ぬ、じゃないんだな」
「そうだ、生きてだ」
 湊にだ、呉島は確かな声でまた答えた。
「全員だ」
「そして生きて帰って」
「後はパーティーだ」
 にこりとはしないがだ、呉島は確かな声でこうも言った。
「祝うぞ、勝利を」
「貴方がそうしたことを言うなんて」
「意外か」
「変わったわね」
 ユグドラシルでだ、共にいた時とはというのだ。
「随分と」
「そうだな、あの時の私はな」
「そうした気の利いたことは言わなかったわね」
「そうした余裕はなかった」 
 その時の呉島貴虎はというのだ。
「全くな」
「けれど今は言えるわね」
「余裕も必要だ」
 こうもだ、呉島は言った。
「そのこともわかった」
「そうなんだよな、人間余裕もないとな」
 ザックも腕を組みつつ語る。
「よく見えないからな、周りとか」
「そうなんだよな、それで周りを見ないと」
 ペコも言う。
「そこから大変なことになるから
「だからな」
 それで、というのだ。
「人間余裕もないとな」
「呉島さんもそれが出来てきた」
「そういうことだな」
「二度死ぬのは願い下げだ」
 初瀬の言葉だ。
「死んでたまるか」
「ああ、生きて帰ってな」 
 城之内がその初瀬に応える。
「パーティーでケーキ作るか」
「そうするか」
「一緒にな」
「いえ、ケーキはワテクシが作るわ」
 ここで鳳蓮が出た。
「腕によりをかけて」
「ああ、パティシエがか」
「作るんですか」
「坊や達はアシスタントよ」
 鳳蓮は優雅なポーズで告げた。
「わかったわね」
「ああ、じゃあな」
「そういうことで」
 こう話してだった、二人で。
 あらためてだ、鳳蓮に言った。
「鳳蓮さんがメインで」
「俺達はアシスタントで」
「そういうことでね」
 これで二人の話も整った、そして角居は。
 葛葉と光実にだ、こう言った。
「俺も一緒に行くけれどな」
「ああ、ちゃんとな」
「生きて帰りましょう」
「そうするさ、絶対にな」 
 二人に笑っての言葉だった。
「もう寿命まで死にたくないよ」
「そうだよな、やっぱり死ぬのって嫌だよな」
「あまりいいものじゃないさ」
 実際にそうだとだ、葛葉にも答える。 
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