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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories

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コラボ編 Cross over the various world
  Story-cross1-14 最高速度

第3者side

sorrowの行動とセリフに激昂し、最高速度に達したシャオン。

「まぁいい……ステータスは…………か、カンスト…………!?」

最高速度のシャオン。敏捷力はすでにシステムでは測りきれないものとなっていた。


ガキィィィン!!

「くおあっ!?」

たった一瞬、気を抜いただけで反応が遅れてしまうほどの速度。

――これは少し不味いな……

sorrowは焦った。これまでに見たことのない速度で迫ってくる(シャオン)に。

「光越えし剣たち……波打つ連撃解き放て!!
フレアライド・ブースターハザード!!」

連二刀流スキル54連撃技〔フレアライド・ブースターハザード〕がsorrowを襲う。

「そんなもの…………!」

sorrowは絶対必中の能力で迎撃しようとするが、発動前に光速の連撃で攻撃されて動けない。




しかし、シャオンが並のプレイヤーではないように……sorrowもまた、普通の敵ではなかった。

「僕に本気を出させるつもりかい?」

《Sunday of Forgiveness》により、怪人態へと変貌。おまけに《感情征服》と《メモリーブレイカー》の能力で大幅に強化される。


ガキィィィン!!

sorrowとシャオンがぶつかる。怪人態の腕とシャオンの剣が火花をあげる。

「せああぁぁぁあっ!!」

神速剣スキル13連撃技〔ディバインクロスラッシュ〕
出が速く、硬直も短い技が放たれる。

sorrowもそれを腕で防ぐと、銃から必中の弾丸を放つ。

「くっ…………!」

シャオンはそれをサイドステップで避けるとまたもやディバインクロスラッシュ。

「こんなものなのかな……? 異世界の主人公とやらは」

sorrowはいとも容易く避けると再び必中の弾丸を放ち、先程放ったものと同時にシャオンに命中させる。

「ぐあっ!!」

「シャオンさん!」

ユキは見ているだけだった。否、足の震えに動けないのだ。おまけにこれほどの光速戦闘に自分は追い付けるのかどうかが分からない。

「僕に何か出来れば…………!」



「ユキ……今の彼はそんなことを思ってない」

クリスが話しかける。

『このメッセージを見て』

クロエがユキに見せたのは、インスタントメッセージと呼ばれるもの。

『Toユキ

もしかしたら、今、お前は焦ってるかもしれないな。何も出来ないことに。
でもさ、人に出来ることは限られてる。もちろん俺にも出来ないことはある。だから、お前は俺の出来ないことを出来る範囲でやってくれ。

焦る必要なんてない。自分の作りたい物語(みらい)は……自分で作ろう。俺も手を貸すから』

「シャオンさん…………」

ユキは驚きと感謝が入り交じった感覚になった。
どこで打ったのかも分からないし、そんな時間はあったのかと言わんばかりの長文。

『俺が精一杯の攻撃で時間を稼ぐから、お前は自分に出来ることを考え、やってくれ』

「僕にそんなこと…………」

今、目の前ではシャオンが必死に戦っている。最初の方こそ押してはいたものの、今は五分五分……いやシャオンの防御力のせいで、シャオンの分が悪くなっていた。

「ちっ…………なぜ倒れない…………」

「知るか。そう簡単に倒れてたまるかよ。

降り注ぐは月の光……その姿は神秘なり! ルナティック・オーバーレイ!」

月の光のように降り注ぐ54連撃がsorrowへと向かう。

sorrowは多少押されるも、すぐに押し返し……

「『君に無数の光弾と剣が降り注ぐ』」

言葉を紡いでシャオンへ攻撃する。

シャオンの周りに出来る、剣や光弾。一斉にシャオンへと向かう。

「くおっ……」

二刀を器用に使って弾き返すも、弾き返した先の光弾や武器で跳ね返ってシャオンに全弾命中する。

「ぐあああっ!!」

シャオンが大きく吹っ飛ばされ、反対側の壁に激突する。

「シャオンさん!!」

「はははははは!! 君みたいなプレイヤーが僕に勝てると思うのかい? 無理だよ。君みたいに、甘い考えを持ってるような人には僕は倒せない」

「甘い考え……か」

「そうだよ! 甘い考えだ!」

「俺にとっては、お前の考えの方が甘いけどな」

「……!」

バシュッ!

「ぐはっ…………てかさ……お前、どこ向いてんの?
今? 未来? それとも……過去?」

「うるさい!! お前に俺の過去が分かるか!?」

「お前の過去なんて知るか」

「貴様……言わせておけば…………!!

『貴様は今から絶望する』」

再び言葉を紡ぐsorrow。しかし…………

「効くか、そんなもん」

紡がれた絶望のビジョンは一瞬で書き消されていく。

「何故だ…………何故絶望しない! 言葉紡ぎは絶対だ!」

「…………過去しか見えてないやつに、明日なんて一生来ない。自分で絶望してるやつに希望なんて見えない。

後ろ向いて戻っても、そこに立ち止まっても!! 明日なんて来ないから!
俺は前向いて走り続ける! いつまでも!

思い描いた明日(みらい)を作るために…………俺自身が希望となり続ける! 俺自身と、俺を必要としてくれる人たちのために!」


「!!」

――僕よりも仮面ライダーみたいな…………そんな心を持つシャオンさん……勝てない……勝てないよ
あなたの意志には僕は勝てませんよ……

sorrowは負けじと反論する。

「そこのユキだって! いつかは俺になるんだ!」

「絶対ならない! その出来事が『過去である事実』は変えられなくても……その出来事が『過去である意味』はいつだって誰にでも変えられる!

それをどこかで拒んだのはお前だ!

でもユキには、お前と違って過去の意味を変えられるだけの強さと優しさがある。

未来を作り出せるのは……そういうやつなんだよ!」

――この人なら……このスキルも…………

「シャオンさん!」

「どうした、ユキ」

「僕にも、未来は作り出せますか?」

「当たり前だろ? お前の優しさと強さなら…………いつかは幸せが来る」

「そうですか…………! なら、僕の力を受け取ってください」

シャオンの元に型どられた……一つのベルトと腕輪とミニカー。

「あなたなら、使いこなせます」

「でも、こいつをぶっ飛ばすのは、俺の仕事じゃない…………お前の仕事だろ?」

「分かってますよ」

「俺のメッセージの効果はあったみたいだな。

さて……ひとっ走り付き合えよ、sorrow。

変身!」

『ドライブ! タイプスピード!』

赤いボディを持ち、中央にはタイヤがある……仮面ライダー、ドライブ。

「ふーん……いいね。

ユキ、いくぞ?」

「はい!」

ディケイドに変身したユキと共にsorrowにダブルライダーパンチ。

「ぐおっ!?」

「まだまだいくぜ!」

『ATTACK RIDE・SLASH』

シャオンが元から使っている二刀が振るわれ、3つに分身したライドブッカー・ソードモードと共に斬りつける。

「この…………」

バキューン

「ぐっ…………?」

いきなり聞こえた銃音。

『私たちもいるのよ』

「言葉紡ぎは…………完璧…………なんで…………」

「さっき言い忘れたが、ディバインクロスラッシュには当てた相手の発生させた状態異常を打ち消すエクストラ効果が0.1%あってよ、それで打ち消した」

「何…………」

「んじゃ、さっさと決めるか?」

『ドライブ! フルスロットル!』

『FINAL ATTACK RIDE・DE DE DE DECADE』

『私たちも!!』

シャオンが放つのは……シャオンの持つスキルにユキのスキルが合わさった技…………〔ライダーズ・フォトンラッシュ〕

ユキが放つのは……仮面ライダーディケイドの必殺技『ディメンションキック』

クロエとクリスが放つのは……〔ロスト・バージン〕

sorrowのいたところへと……すべてが放たれた。





砂煙が舞い、辺りが見えなくなる。




砂煙が消えた後には、何も残っていなかった。


「逃げた……か」

変身の解けるシャオン。

「シャオンさん…………」

「ユキ、俺の伝えたいことは、君に届いたかな?」

「はい! 届きました。少しだけでも、前向いて頑張ります」

「それはよかった」

ここでクリスが話しかけてくる。

「しかし……フローラは大丈夫なのか?」

「うん。装備はなんとかなったみたいだし、多分安静にしてればなんとかなるかな」

『よかった』

「じゃあ、一段落したし…………戻るか」


シャオンたちはホテルに戻った。















◇◆◇◆◇◆◇◆◇















ホテルに戻って30分後、フローラが目を覚まし……ホテルに一泊したシャオンとフローラ。

写真を撮ったあと、会話をしていた。

「ユキ、もうそろそろお別れだな」

「そうですか……シャオンさんたちの世界に行ってみたかったです」

「来れるかもね」

その言葉と共に、ユキとクロエの手に一枚のパスが現れる。

「なんだこれ?」

「見せてみ? えーと……『Eternal Pass Destination:world of shaon』

つまり……俺たちの世界行きのパスってことだよな?」

『そうみたいね』

「よし、なら来るか?」

「はい!」

『私たちも』

「なら、行くか」

シャオンたちがパスと手紙を掲げると、転移した。















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆















転移したのは……シャオンとフローラにとって慣れ親しんだ世界。

「やっと帰ってきたな…………」

「最後の世界が一番大変だったね。でも、シャオン君のカッコいい言葉が聞けてよかった」

「聞いてたのかよ…………」

「まぁ、おぼろげになんだけどね」

「さて、帰るぞ。俺らの家に」

「ユキ君とクロエは?」

「そう言えば…………どこだろう?」


そんな会話をしているうちに、シャオンたちの家の近くまで来ていた。


「え……あれって…………!?」

「おいおい……マジかよ!?」




シャオンとフローラの家の前には…………この数日で巡った世界の住人がいた。


「「「「「シャオン、フローラ、お帰り!」」」」」















Story-cross1-14 END 
 

 
後書き
なんだか最終回チックな展開になってしまったユキ君の世界……なんか申し訳ない。
シャオン「また偉そうなこと言ってしまった…………」

というわけで、最後の世界が終わりました! 長かったなー、コラボ編。
今回は、ユキにシャオンが伝えたかったことを伝えました。そして、まさかの変身。
ユキの『契約』という能力のおかげです。

次回でコラボ編は終了です! コラボに参加してくださった作者の皆さん、本当にありがとうございました!

じゃあ、今回withユキverで!

ユキ「次回も、僕たちの冒険に!」

シャオン「ひとっ走り……付き合えよな♪」
 
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