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ソードアート・オンライン~狩人と黒の剣士~

作者:村雲恭夜
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聖剣&炎帝VS千里見通す雷皇

 
前書き
フロラ&ゼツVSジン&ライト!
これでようやく一回戦終わりです!! 

 
『選手入場!!』
その声と共に、四人が姿を現す。
「オッシャア!!」
「ソロモンの悪夢、見せてやるよ!」
「……まぁ、程ほどに頑張りますか」
「頼むからやる気を出してくれ……」
上からジン、ライト(未来)、フロラ、ゼツ。やはりフロラは乗り気で無いご様子。
そして、カウントが始まる。
3
2
1
ファイト!!
「イデア機関解放、来やがれ『蒼の魔道書』!」
未来、とある戦いに置いて右腕を喪失したライトがある世界の魔道書を複製して造り上げた義手を掲げ、その名を叫ぶ。途端、蒼のオーラがライトに纏う。
「いっくぜぇえええ!!」
ライトが一歩踏み込むと、一瞬でゼツの真正面に現れる。
「なっ!?」
「かき消えろ!!」
ライトの強力なアッパーカットがクリティカルに顎を捉え、ゼツが吹き飛ばされる。
「くっ……!【火よ、雷電と共に貫き滅ぼせ】!【アグニ・ブレイズ】!!」
フロラが炎と雷を放ち、ライトを狙う。
「はっ!甘いっての!!」
獣染みた動きで全て避けると、ジンが攻めてくる。
「お前のスキル、見抜いた!!」
ジンが刀を振るい、ライトと同時攻撃をする。
「あら、それで私達を獲ろうなんて数年早いわよ?【時よ、我に力を貸し与えたまえ】」
フロラ……否、オッドアイが紡ぐと、いつの間にかゼツと交代していた。
「<神喰いの巣>!!」
待機させていた呪文を発動し、ジンとライトを貫かんと動き出す。
「甘いって言ってるだろ?<オーバーロード>ッ!」
途端、ライトはジンを掴み、有り得ない速度で神喰いの巣全尾を避けきってしまった。
「フロラ!」
「任せて頂戴。【我が身に降りたまえ、猫の女神】!【神霊召喚・バステート】!!」
オッドアイが叫ぶと、猫耳に尻尾が生えた猫人間になる。
「にゃ~、いくにゃよ~♪」
途端、爆発的加速でライトの背後を取る。
「ジン、ゼツを頼む!」
「任せろ!」
ライトはジンをゼツに放り投げると、オッドアイの双刃に、自らの刀【緋桜】と【雷獣の明星】をぶつけてガードする。
「にゃかにゃかやるにゃ」
「お前こそ、まさか神降ろしするとは思わなかったぞ」
互いを弾くと、ライトは武器を仕舞い、死ぬ気丸を服用し、スキル<ブラッド・オブ・ボンゴレ>を始動させる。
「……これを使ったのは、あの戦い以来か」
静かな口調で言い、XグローブVer.V.Rをオッドアイに向ける。
「来いよ、神降ろし。死ぬ気の雷皇と神降ろしの聖剣、どちらが強いか比べようじゃねぇか」
「……望む所だにゃ」
そして、互いが構えると、
「『オペレーションX』」
「【現れ出でい、巨大な杖】!」
同時に言葉を放つ。
「<XX BURNER>!!」
「【ヨルムンガンド】!」
ライトの両手からXバーナーが放たれ、オッドアイの魔法陣から神話の巨蛇、ヨルムンガンドを召喚し、中央で衝突し、消滅した。
その煙から、ライトが現れる。
「<XX BURNER AIR>ッ!!」
空中で両手でX BURNERを放つライト。オッドアイは辛うじてバステートの俊敏力で避ける。
「【今こそ回れ、太陽の円盤】ッ!」
オッドアイは術式を展開すると叫ぶ。
「【アトン】!!」
途端、広範囲に置ける大爆発が起き、戦闘中だったゼツとジンを巻き込む。
但し、ゼツは無事だったが。
「甘いって言ったろ!!」
ライトがすぐに煙を晴らすと、刀を持って突進してくる。。そして灯る炎は……青。
「時雨蒼燕流・八の型……」
そして、オッドアイの懐へと入った。
「篠突く雨!!」
鋭い斬撃でオッドアイを突き上げる。
オッドアイは避けきれず、そのまま喰らい、地に落ちる前に姿勢制御して着地する。
「くっ……」
途端、バステートの神降ろしが解け、元に戻る。
「【我が身に降りよ、ムスペルの王】」
再びオッドアイが唱うと、焔がほとばしる。
「……これは」
「【神霊召喚・スルト】!」
途端、爆発的に火力が強まり、ライトに襲い掛かる。
「匣開匣!」
橙の焔をリングに灯し、匣に押し付けると、そこからライオンが現れる。
「行け、ナッツ!!」
「GAaaaaaaaaaaーーーーー!!」
ナッツが吠えると、炎が鎮静し、そこに焔を纏ったオッドアイ、否フロラが現れる。
「レーヴァティン!!」
焔の巨剣を振るうと、その焔が一直線にライトを狙う。
「ナッツ、形態変化(カンビオフォルマ)!」
すると、ナッツはマントになり、ライトはその焔を防ぐ。
「ムスペルの王……流石は、と言ったところか!!」
ライトは叫ぶと、リングにまた匣をセットし、ドクロをあしらった腕固定の武器を装備する。
「食らいやがれ、<赤炎の雷>!!」
炎と雷が放たれ、スルトの焔を突き破り、フロラを襲う。
「【現れ出でよ、そして我に仕えよ。我が契約の名はフロラ。汝、主の命により力を示せ】!」
高速で唱うフロラは、魔法陣を展開すると叫ぶ。
「<召喚:機械仕掛けから出てくる神>!!」
途端、魔法陣から機械の腕が現れ、赤炎の雷を受け止める。
そして、フロラとそう身長が変わらない機械の人が現れた。
『Gaaaa……』
「うげぇ……」
ライトはすぐに炎を橙に戻すと、<蒼の魔道書>を媒介に事象兵器(アークエネミー)を召喚する。
「来いよ、<斬魔(ザンマ)鳴神(オオカミ)>!」
野太刀を持ったライトは、その刃に橙の炎を伝わせる。
「ラアッ!!」
「【射貫け、狩猟神の矢】!【アルテミス・アロー】!!」
フロラは唱い、ライトを貫こうとするが、その前に魔法陣がライトの野太刀でかき消される。
「なっ!?」
対術式無効化事象兵器(アンチマジックキャンセルアークエネミー)。それが斬魔・鳴神だ!!」
ライトはそう言うと、フロラを切り裂く。
「くうっ……!」
魔法で防げないフロラは吹き飛ばされ、ジンとゼツの方に飛んでいく。
「グアッ!」
「アダッ!」
フロラがジンにぶつかり、ジンがゼツにぶつかる。
「刻を斬れ、『斬魔・鳴神』!!」
空間を斬ると、そのままフロラ、ジン、ゼツに貫通して斬撃が通る。
「フロラー、あと頼むわー……」
ゼツはそのままHPをゼロし、
「……俺の出番少ないなぁ」
ジンもHPをゼロにして消えた。
「……うわ、酷い」
「情けなんて、とっくの昔に消えてるんだよ」
ライトは悔しげに言い放つと、野太刀を構える。
「そろそろ終わりにしようぜ?これ以上は義手も持たねぇからなぁ」
「……良いぜ。俺もそう思ってた所だ」
フロラはそう言うと、オッドアイの眼を光らせる。
そして、動いた。
「<ハンニバル・スラッシャー>ッ!!」
神速の剣撃が、ライトに放たれる。
そして、ライトは。
「見せてやるよ、蒼の力を<ブラックオン・スロート>ッ!!」
振り上げた野太刀が、神速の双刃にヒットし、フロラの体制が崩れた。
「オラァアアアアアアッ!!」
斬り下ろし、切り上げ、斬り下ろし、斬り下ろし、切り上げ、斬り下ろし。
無数の剣撃がフロラのHPを容赦なく削っていく。
「スルトの防御力も、その野太刀の前じゃ皆無って事かよ……っ」
苦痛の顔でフロラが言うと、スルトの神降ろしが解け、生身になる。
「止めだぁあああああっ!!」
闇と橙を纏ったライトが一閃し、フロラのHPをゼロにした。
「見たか、これが死ぬ気の炎と、蒼の魔道書の力だ!」
右拳を上げ、ライトは叫んだ。
『勝負あり!!勝者ジン&ライト!!』
ライトはジンを立たせると、野太刀を仕舞った。
「悪かったな、一緒に斬っちまって」
「……まぁ、反省してるなら良いよ。あの時は一緒に倒せるチャンスだったもんな」
ジンがそう言うと、ゼツが割り込んでくる。
「おい、何で二度も負けるんだよ俺が!!」
「……いや、まぁ、それは作者に言ってくれよ」
『俺も馬鹿とは戦わせたかったんだけどね?』
「じゃあ戦わせろサシで!!」
『……あい、了解。トーナメント終わったらスペシャルマッチ組むから我慢してくれ』
「ぜっつつたいだな!?」
『アルカディアの見旗に誓って。それと、闇神に誓って』
俺はそう言うと、隣の馬鹿はヤレヤレといった感じで頷いた。 
 

 
後書き
いやー、ようやく終わりましたよ一回戦。
さて、ライト(未来)が使っていた義手と特殊能力について公開しておきましょう。

・ブラッド・オブ・ボンゴレ
ボンゴレスキルの強化版。
ライトがリアルである戦いに向けて特訓した時に手に入れた物。

・蒼の魔道書の腕(ブレイブルーアーム)
戦いの後、失った右腕に嘗て死神と呼ばれた犯罪者が持っていた魔道書の模造品を搭載した腕。
『イデア機関』を搭載しており、死神とまでは行かないものの、扱いこなせている。
虚空(正しくは境界)から事象兵器(アークエネミー)と呼ばれる武装型魔道書を呼び出す事が出来る。
だが、同時に扱うことが出来る事象兵器は二つまでとなっており、無理にそれ以上を召喚すると、義手が蒼の魔道書に耐えられなくなる。

暗黒(ダークネス)片刃(サイドエッジ)
ある人物の形見とも言える片刃の片手剣。
魂を永久に喰らい続ける魔剣で、現在の所有者で在り、今は蒼の魔道書の腕により生き長らえているライトが使う。
魂を喰らった時間に比例して威力を増幅させる『生まれながらにして完成されている剣』。
持ち主が魂を喰らい尽くされるまで持ち主から離れず、死ぬと次の持ち主が現れるまで周りの魂を喰らい尽くす。 
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