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ソードアート・オンライン~狩人と黒の剣士~

作者:村雲恭夜
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超神対戦!

 
前書き
と、書いてスーパーゴッドバトルと読む。 

 
『……選手入場』
俺は何時になくテンション低めで言う。何故か?チーターズバトルだからだ。
「さぁ、ショータイムだ」
「It's Dance time」
何故か、ダークとミヤビが揃って神化している。
つーか、アルン崩壊あるんじゃ無いか?
そう言えば、キリトは高みの見物に入っている。余程ミヤビを信頼しているのか。
そして、カウントが始まる。
3
2
1
ファイト!!
「深紅撃!」
「氷結撃」
途端、互いの属性に在った心意技を放つ。
「レイガスト+強盾五重」
「フッ!」
互いの心意技を、各々が防ぎ、剣を構えた。
「……グングニル、レーヴァティン!」
「!?」
先に動いたのはダーク。空を飛翔し、剣と槍を構えた。
「【グングニル・ザ・レーヴァティン】!」
スペカを発動し、ミヤビに投擲する。
ミヤビはすぐに手をかざして叫ぶ。
「<シュレディガー・アブソリュート・アナハイレーション>!」
途端、グングニル・ザ・レーヴァティンが溶けて無くなり、ミヤビが飛翔する。
細剣剣技<フラッシング・ペネトレイター>。
「<アクセルギア・シフト3>!」
急いでダークが叫び避けると、唱う。
「【綴る。氷の影よ 雪霊よ そなたの息吹を貸しておくれ 死よりも静けく凍えさせておくれ】『(フローズン)える(ジェイド)』!!」
ダークが放った不可視の冷気がミヤビを襲う。
『……この程度?』
しかし、ミヤビは氷を破壊すると、唱う。
「【綴る 絶望の地よ 骨凍む空よ そなたの息吹を貸しておくれ 魂すらも凍えさせておくれ 生者必滅は世の摂理 神が定め給うた不可避の宿業 水が低きへと流るるが如く 全ての(ねつ)を奪っておくれ 時すらも凍てついたが如く 全てが止まった世界を見せておくれ 我は理解を拒む者 絶対のみを求める者 誰にも壊れることもなく 壊す者すら存在しない永劫の美を、極点を見せておくれ】」
ダークは途端、叫んだ。
「マジか!?ヤベェ!!」
ダークは上空に退避すると、ミヤビが目線で追う。
「逃がさないよ……?『氷結地獄(クラウオウクラズム)』」
途端、ミヤビの手からダイヤモンドダストが吹き荒れ、ダークを襲う。
「<反転反射(リバースリベリオン)>じゃ耐えきれねぇ……っ!」
ダークは術式を展開すると、叫んだ。
「<反射障壁(リフレクター)+反転反射>!!」
すると、ダイヤモンドダストが上に逸れ、消えていく。
「咄嗟の複合技だが上手く行ったな……」
ダークが言うと、ミヤビが不気味な笑顔を見せた。
「……終わりじゃないよ?」
途端、平行して綴られていた文字式が一つになる。
「『摩訶鉢特摩地獄(コキュートス)』!」
「平行詠唱だと!?」
圧倒的冷気がダークを襲い、凍らせた。
「ふふっ……。ダークも呆気なかったね?」
ミヤビは言うと、キリトが叫ぶ。
「ミヤビ、離れろ!!」
キリトが叫ぶと同時。
バキィイイイン!
凍ったダークの身体が割れ、下から本体であるダークネスウイングが現れる。
「くっ……そ。大分神力取られたぞ畜生が……!」
肩で息をするダークネスウイングに、ミヤビが問う。
「何故……!?」
「反転反射の応用、それとギリのクリスタルウォールの全身防御……それで凍った様に見せ掛けて回避したのさ……っても併用は神力を多大に減らすから多用は無理だがな……」
「なら、チャンスって事?」
「逆に言えばな。が、俺から一本取ったこと在ったかこの姿で」
「なら取る。『竜王(ドラゴン)殺息(ブレス)』!!」
素早く描いた魔法陣から光の粒子が集まった巨大な柱が放たれた。
「インデックスの……!食らうとヤベェ奴だったなぁ……くそっ」
素早く魔法陣を描くと、ミヤビが言う。
「無駄だよ!一粒一粒に多彩な魔法が組み込まれているんだよ?」
「無理かどうかは……寝て言え!!『質量爆散(マテリアルバースト)』からの『雲散霧消(ミストディスパーション)』!」
魔法陣を平行で完成させたダークネスウイングが叫ぶと、右の魔法陣から膨大な質量を持って迫っていた竜王の殺息を分解し誘爆。そして、残ったエネルギーを全て左の魔法陣から放たれた術式が解体する。
「う、そ……」
ミヤビは目を見開き驚く。
そこに、ダークネスウイングがまたも唱う。
「【綴る 踊れ 踊れ 雷神の迅雷、百雷、招来 世に永遠に生くる者なし 刹那、閃き、快楽貪れ 瞬きの内に全てを擲て 遅れる者ぞ 後悔召されるな 今宵、殺戮の宴なり 果てよ 果てよ 果てよ 果てよ 命 全て散り果てよ 魂の解脱 軽やかならん この軽きを この躍動を この自由を この幸福を 全ての者に分け与』」
途端、キリトが飛んでくる。
「ミヤビ!!」
キリトはミヤビを押して退かす。
「え……?」
「チィッ!『サンダーストームフェニックス』」
刹那、強力な雷撃がキリトを襲う。
「キリト!!」
「後は……頼んだ……!」
そして、キリトはHPを切らせ、地面に落ちた。
「……ダークネスウイング、絶対許さない!!」
「いや待ちぃ!!どう見ても不可抗力だよな!って言うか今ので大分神力すり減らしてるんだけど!?」
「問答無用!『稲妻(サンダーボルト)魔竜(ドラゴン)』!!」
「くっそが!!来い、ZERO・WORLD!そして平行術式『竜王(ドラゴン)(ストライク)』!!」
全てが黒い大太刀を取り出すと、そこに巨大で透明な竜の顎が現れる。
「クアッ!」
突き出してそれを放つと、稲妻の魔竜を消し飛ばす。
「『世界喰らいの(ウロボロス)』!!」
すぐさまミヤビが術式を完成させ、アルンが水浸しになる。
「げっ……!」
「凍れ、平行『摩訶鉢特摩地獄』!!」
水の蛇と共に圧倒的な冷気がダークネスウイングに放たれる。
「マズイッ!」
ZERO・WORLDを振るい、無力化すると、途端、凍り付き始めた。
「執念にも程在るだろ!!」
ZERO・WORLDを捨て、無手になったダークネスウイングに向けて、更にミヤビが水の蛇を連発する。
「ウォオオオッ!?『竜王の顎』『竜王の顎』『竜王の顎』!!」
対するダークネスウイングも透明な竜の顎でそれらを無力化していく。
しかし、長期戦になればなるほど、残り神力が少ないダークネスウイングが不利。一方で、ホワイトライト・ジェイダリティ化しているミヤビの神力は今やダークネスウイングの無限神力に近い物になっていた。
「彼奴マジギレしてるし!!」
今更だろう。例えるなら猫の尾を踏んだ人間だ。
「『黒縄地獄(ブラックゲヘナ)』!!」
ミヤビが放った魔術がダークネスウイングの翼にヒット。黒き炎が翼を焼き尽くす。
「落ちっ!」
途端、ダークネスウイングは湖に落ちた。
ドバッシャァァン!!と盛大な水飛沫を出し、ダークネスウイングは沈む。
「『ニブルヘイム』!」
途端、ミヤビが白い霧を出し、湖一面を凍らせた。
「今度こそ、終わり。ダークネスウイングは生命息吹を自身には使えない」
ミヤビが言うと、凍った湖に降りる。
「……私の、勝ちだね」
『いいや、終わりじゃねぇぜぇ!!』
何処からか声。そして。
「ッ!」
背後から気配。ミヤビはすぐに避ける。
そこには、三体の『魔女狩りの王』が。
「封じられる前に水面にルーン文字の紙を浮かせていた!?」
ミヤビは言うと、イノケンティウスは三体同時に炎の剣を振るう。
「クッ!」
ミヤビは避けると、炎の剣は凍った湖に叩き付けられる。途端、ミヤビは悟った。
「まさか……!」
『ああ、そのまさかさ』
ミヤビは失念していた。ダークネスウイングがどんな存在かを。ダーク自身がどんな人物かを。
『俺に出来ないことは無い。在るのは可能だけだ!!『質量爆散』!!』
柱が立ち、湖に亀裂を入れ、割れた。
「……ッ!!」
ミヤビは空中に退避し、その柱の下を見る。
「……中々いい線言ってたけど、俺が不死身だってこと、忘れて無いよな?」
確かに、ミヤビのニブルヘイムはダークネスウイングの細胞を凍らせた。
が、ダークネスウイングを確実に止められるまでには至らなかったのだ。
故に、不死身。死を持たない死神殺し(グリムリーパーキラー)。死を恐れない暗黒の神。
「……さってと。神力も頂いたし、第二ラウンドと洒落込もうぜ?」
途端、ダークネスウイングは術式を展開。次いでミヤビが術式展開に入るも、高速展開と言う真価を発揮したダークネスウイングの方が速かった。
「『月銀(ムーンライト)(ジャベリン)』」
静かに唄うと、神々しく輝く槍が展開し、ミヤビに投げられた。
「しまーーーー!」
展開に集中していたミヤビは反応できず、それを食らいぐらつく。が、それでも術式を完成させ、放つ。
「『天界十字軍(セレスティアルクルセイダー)』ッ!!」
途端、千という雷獣が、アルンもろともダークネスウイングを消そうとする。が。
「『超電磁砲』」
たった一枚のコインで、それらを全て蹂躪してしまった。
それでも尚、雷撃の砲弾は止まらず、巨大樹を貫き崩壊させた。
「……フム。威力が高すぎたか。それとも俺の特製コインが融解しなかったからか。まぁ、俺の神力込めてるから当たり前か」
一人呟くダークネスウイングにミヤビがまたも放つ。
「『薔薇(ローゼン)王冠(クローム)』!」
「記憶解放……『咲け、青薔薇』ッ!!」
同時に、薔薇と茨が放たれ、中央で止まる。
「ユージオの記憶解放……!」
「俺はもう一人のゼウス使いとは違って、人格変化を使ってそいつになることが出来る。後は記憶召喚による解放で、本物を出せるって寸法。ま、種が分かれば簡単だろ?」
その物言いに、ミヤビは再度目を見開く。
「……流石だね」
「それに耐えるお前もお前だがな」
普通に返したダークネスウイングが、仕掛けた。
「『中一神(なかがみ)星彩(せいさい)』!」
中一神の鎧を纏い、槍を持って突貫する。
「『アイスメイク“アンリミテッド”』!」
対するミヤビは超スピードで氷の剣を形成し、放っていく。
だが、それはダークネスウイングを前にして消しとんだ。
「なっ!」
「魔を斬る鎧、それが“中一神”。対魔法破壊(アンチマジックデストロイ)さ」
「なら、フラッシュ・モーメント!!」
「ランス・オブ・ブラッド!!」
五十連撃『閃光(フラッシュ)瞬間(モーメント)』VS五十連撃『(ランスオブ)(ブラッド)』。
その放たれる速度は互いに神速。
「ラァアアアアアアアアアアッ!!!」
ダークネスウイングは叫び、
「ハァアアアアアアッ!!!!」
ミヤビも叫ぶ。そして。
「「ハァアアアアアアッ!!!!」」
同時に、最後の突きが放たれた。
が、それは奇しくも、互いの武器がぶつかり、その命を散らせただけに止まった。
「なら!」
「これで!!」
途端、同時に唱う。
「「『終わらせる者よ 氷狼よ そなたの息吹を貸しておくれ 死よりも静けく凍えさせておくれ 盛者必衰は世の摂理 神が定め給うた不可避の宿業 水が低きへ流るるが如く 全ての(ねつ)を奪っておくれ 時すらも凍てついたが如く 全てが停まった世界を見せておくれ 誰にも壊されることなく 壊す者すら存在しない永劫の美を、極点を 見せておくれ』」」
どちらが先に唱い終わるか、それがこの勝負の決め手となる。
「「『我は理解を拒む者 絶対のみを求める者 なんと醜いことであるか!生命が(たむろ)を成して、蟷動し、不臭を撒き、産み増えることの奇怪さの 我はそれを認めはしない 我はそれを解さない 我は望む 白一色の景色を 我は望む 美しき死の世界を 我は望む 醜き万物が埋もれ 閉ざされる世界を 我は望む 全てよ停まれ 停まれ 停まれ』」」
唱い、終わった。
「「『摩訶鉢特摩地獄』!!」」
同時に放たれた圧倒的な冷気。
それが中央でぶつかり合い、せめぎあう。
それはVRの世界の筈のアルヴヘイムに雪を降らせた。
「ラストッ!!」
そして、均衡がダークネスウイングの手で崩れた。
「『吹雪撃(ブリザードストライク』!!」
心意業。ダークの白い一撃がミヤビを貫いた。
「『勝負あり!勝者ダーク!』」
ダークは拳を上げ、吠えた。 
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