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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories

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SAO編 Start my engine in Aincrad
Chapter-9 新婚生活
  Story9-12 二人でデート

シャオンside

22層に越してきて、もう10日近く経っていた。

レイが消えてしまってからだいたい2日ぐらい過ぎ、フローラの心も少しは落ち着いてきたようだった。






朝の7時、ベッドから抜けてきて、軽く後ろを振り向く。

「…………フローラが妹のように思えてくるのは、何でだろうな」

あどけない顔で熟睡するフローラを見てそう思った。

俺はリアルでは一人っ子。だから、兄としての感情なんてものは感じたことはない。

でも、この世界に来てフローラを見たとき、その行動に何故か『支えてやらないと』という気持ちが芽生えてくる。

「俺も老けたな…………」

自分の言葉に自分で失笑しながら、リビングへと向かった。















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆















午前8時、だいたいみんなが起きてくる時間だった。

以前は、フローラはすでに起きていたのだが、昨日から起きなくなってしまったのでこうして俺は一人でぼけっとしていた。

「ふわぁぁぁぁ…………」

左手で目をこすりながらあくびをするフローラ。

「眠いならまだ寝てていいぞー」

「んー…………起きる」

「早く顔洗ってこい」











3分後、フローラが髪を結びながら出てきた。

「最近早起きできなくなったなぁ…………」

「そんじゃ、気分転換に行くか?」

「昨日どこにも行ってないし、今日は行くわ」

「朝飯食ってからな」









二人で賑やかに朝食をとり、出かける支度をした。















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆















俺の支度はすでに終わった。

ネクタイにベスト、それにスラックス。
ダークブルーとブラックでコーディネートした、俺のお気に入りだ。

そこに眼鏡着用。

圏内事件の私用の時に着たものとほぼ同じだ。



フローラの方はなかなか決まらなかった。

二つのうちどっちか迷っているらしく、俺がセレクトし、そっちを着たようだ。









で、現在、47層にいる。

「うわぁ…………」

フローラが目を輝かせて街の中を歩いている。


47層、通称フラワーガーデン。

以前はシリカ、キリト、俺の3人で来たのだが、今回は二人。

もちろん、デート目的で来た。


「今日は楽しめよ」

「気分が360°以上回っちゃいそうね」

「転換するどころか戻ってまた回ってんじゃん」

「それもそうねー」

気分転換になればと思い、連れてきた。

「んじゃ、とりあえず街の中を見て回ろうか」

「うん!」

俺たちは手を繋いで回った。
















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆















いろんな店を回ってちょっとしたショッピングを楽しんだり、花を見て話したり、楽しい時間を過ごした。



そこで昼になったので、俺がよく行っていたNPCのレストランにフローラを連れていった。

「わあ…………よくこんな店知ってたね」

「昔、アスナがおすすめだって教えてくれたんだ」

「へぇ~…………」

「とりあえず座ろうぜ。


で、何頼む?」

「うーん…………じゃあ、シャオン君と同じもの」

「そうか、じゃあ…………」

俺たちはサンドイッチと紅茶、デザートにショートケーキを頼んだ。


「ありがと」

「ん?」

「私を気にして、気分転換させてくれたこと」

「あ…………うん。

あれ以来、笑顔が少し減ったかなって思って」

「そんなとこまで見ててくれたんだ」

「ん、まぁな。


メシ、冷めないうちに食べようぜ」

「そうね」

楽しい昼食を過ごした。


こんな時間二度と来ないだろうな、ってぐらいの楽しい時間を。















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆















時間は夕暮れ。


楽しかった時間もあっという間に過ぎ去り、楽しい思い出と少しのせつなさが俺の心の中に残った。

「楽しかったね、今日」

「なかなか出来ないことだからな。


もう出来ないかも」

「そんなこと言ってないで、時間作ってまた行こーよ」

「気が向いたらな」

「シャオン君のケチー」

時間作って、か…………そんな時間作れるかな…………

「あ、そうだ!


これ、プレゼント。ショッピングの時に選んだの」


そう言ってフローラが取り出したのは蒼の質素なブレスレット。

「これ、左手首に着けてね。

シャオン君右利きでしょ?」

「そんなこと覚えてたのかー…………


あ、俺も。せっかくだし…………」

薄いピンクのブレスレットをフローラの右手首に着ける。フローラの頬が薄い赤に染まる。

「あ、ありがとう…………」

「まさか、プレゼントかぶるとは思わなかったけど、
これならお揃いだろ?」

「お揃いかぁ……嬉しい……」

「なんかこっちまで照れる…………」

お揃い、という言葉になんか恥ずかしさを覚える。


「…………あ、そうだ。忘れてた」

俺は左ポケットから小さな箱を取り出す。

「これ、まだ渡してなかったんだ。

結婚指輪。俺が知り合いに頼んで作ってもらったオーダーメイド品なんだ」

「私も。君に渡すの忘れそうになってた。はい、これ」

俺が渡したのが、薄くピンクに光るリング。
フローラが渡したのが、蒼の線が入ったリング。

「お互いの指にはめて…………っと」

「夫婦の証だねっ」

「そうだな」

「ねぇ、 手を繋いで帰ろ?」

「寒くないように暖めてやるからな」

「もう十分暖かいよ♪」


俺とフローラは左手と右手を繋いだ。


繋いだ手は寒さを忘れるぐらい、温かかった。

それぞれの左手の薬指で指輪が薄く輝いていた。

















Story9-12 END 
 

 
後書き
シャオンとフローラのデート回です。

普通のデートが一番しっくりくる二人だったので普通にデートさせました。
こういう完全オリジナルはなかなか出来ないのでまたやりたい…………

とか言っときながら……次回からSAO編ラストの章、Chapter-10に入ります。

じゃあ……

フローラ「次回も、私たちの冒険に!」

シャオン「ひとっ走り……付き合えよな♪」
 
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