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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第六十三話 デート

 
前書き
大輔とフェイトが息抜きにデート。

コロナモン[リリカルアドベンチャー、始まるよ] 

 
大輔は現在、デートのための準備をしていた。
普段、気が休まる機会がない大輔のために思い切って、賢が今日のダークタワーの破壊活動を休みにしたのだ。
賢の心遣いに感謝する。
大輔「ま、こんなもんだな」
軽く身嗜みを整えると部屋を出る。






























ジュン「大輔、あんた何処に行くのよ?」
大輔「フェイトと……」
言って、しまったという表情を浮かべる大輔にジュンはニヤリと笑う。
ジュン「ふ~ん、フェイトちゃんとデート?あんたもやるじゃない」
大輔「っ…姉ちゃんには関係ない…」
ジュン「あらあら、顔真っ赤にしちゃって~」
大輔「うるさい!!俺もう行く。」
ジュン「行ってらっしゃ~い。お土産忘れないでね。」
大輔「誰が買うか!!」
叫ぶと同時に扉を締めた。
今までと同じで喧嘩をする二人。
ジュン「……頑張んなさいよ大輔…」
しかし、二人の間に流れる空気はとても優しかった。






























そして一乗寺家に到着すると賢とフェイト、はやて。
そして三人のパートナーが待っていた。
賢「待ってたよ。今日はゆっくり楽しんできていいよ」
はやて「たまには休まへんとな。」
フェイト「うん。ありがとう二人共」
大輔「じゃあ、行くか?」
フェイト「うん。」
D-3をパソコンに翳して、二人はデジタルワールドに。
はやて「さて、うちらも…」
そう言って、はやてが隣に座っている賢に抱き着いた。
はやて「今日は一日休みなんやからうちらもゆっくりしよな?」
賢「うん、そうだね……」
はやて「賢兄?」
急に黙り込んでしまった賢にはやては首を傾げる。
賢「いや…とても幸せだなって…」
はやて「…………」
賢「前に僕はデジモンカイザーとして大きな罪を犯した。そしてワームモンを死なせてしまった。」
はやて「賢兄、でも今は罪を償うために頑張っとるんやろ?」
賢「うん。でも…一人だったらどうなっていたか分からない。もしかしたら罪の重さに押し潰されていたかもしれない」
今の自分があるのは、親友となってくれた大輔、兄の親友の遼、そして仲間のフェイト、なのは、ユーノ、アリサ、アリシア、ルカ。
家族のシグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ。
自分のパートナーのワームモン。
自分に好意を抱いてくれているすずか。
そして最初は妹のような存在であったが、今は世界で何より愛しい存在のはやて。
賢「君達が、君がいるから僕は罪の重さに押し潰されずにいられる。君に会えて良かった…」
はやて「賢兄…」
顔を仄かに赤らめながら賢を見つめるはやて、賢がはやての方を向く。
賢「はやて、君は僕が守る。守らせて欲しい」
はやて「………」
互いに赤面しつつ、はやては返事を言う。
はやて「うん…でも、守られてばっかなのは嫌や…私も賢兄を守る」
賢に向けられる負の感情から。
賢「ありがとう…」
二人の間に流れる空気はとても暖かい。
そして二人の会話を途中からだが、聞いていた両親が静かに涙を流していた。
「あなた…はやてちゃん、とてもいい子ね」
「ああ、俺達よりも賢のこと理解してくれている…」
そうして、扉の前から静かに離れる。































そしてデジタルワールドでは大輔とフェイト、チビモンがガーゴモンに乗っていた。
ガーゴモンはエクスブイモンより小柄だが、通常進化より負担が少ないため、ガーゴモンにアーマー進化させたのだ。
チビモンは完全体に進化すれば飛べるが、エネルギー消耗が激しい超進化をこんなことに使うのは馬鹿げていると大輔に言われてガーゴモンに共に乗っている。
チビモン[速いねフェイト!!]
フェイト「うん!!でもエクスブイモンの方がもっと速いらしいよ」
大輔「二人共、落ちるんじゃねえぞ」
フェイト、チビモン「[はーい]」
いつも自分で飛ぶのとは違う、融合進化でパートナーと飛んだ時とも見る世界が違って見える。
湖に着くとガーゴモンは水面すれすれを飛び水を巻き上がらせた。
それが光を受けキラキラと輝きを放つ。
フェイト「大輔、こっちのデジタルワールドは平和だね」
大輔「そりゃ、一度再構成したらしいからな。向こうよりは平和だろうよ。」
フェイト「私達はこの世界と同じようにデジタルワールドをいい方向に導いて平和にしなきゃいけないんだね」
大輔「出来るさ」
フェイト「え?」
大輔「少なくてもデビモンとエテモンやナノモンは助けられている。デビモンはデータがボロボロだったけどな。敵を救えた。これだけでも充分、こっちよりマシな方向に傾いてる。」
実際、太一達は敵を全て倒している。
それを悪いとは言わない。
生き抜くには必要なことだと思うから。
しかし、だからといって、相手が闇だから倒すという考えは認められないが。
そういえば、タケルは闇を嫌悪していた。
多分、自分とタケルは永遠に相容れないだろう。
闇だからという理由だけで、何の罪もないなっちゃんをクラヴィスエンジェモンに殺された。
別に光を嫌悪する訳ではない。
光も闇も世界を構成する力の一つだから。
しかし、もしあいつらが闇という理由だけで差別し、敵と見做すなら…。
大輔「その時はパートナーごとぶっ潰してやる…」
たやすいことだ。
ダスクモンやジョグレス進化を使えば簡単に叩き潰せる…。
フェイト「大輔?」
大輔「あ…いや、何でもない…」
今はこんな嫌な気持ちは忘れてしまおう。
もう、余程のことがない限り一緒に戦うこともないのだから…。
フェイト「大輔、これからも一緒だよ?」
大輔「ああ、こっちも向こうも平和にしてみせるさ。そして世界を平和にしたらまた一緒にな…」
フェイト「うん!!」
ガーゴモンが翼を広げて、上空に舞い上がった。 
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