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イナズマイレブン~クロスライジング~

作者:shoogel
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激突!御影専農!後編

 
前書き
御影専農中との試合決着です! 

 
~ハーフタイムベンチside~

「どうしよう先取点取られちゃったよ…」

心美が呟いた。

「大丈夫よ、彼らはイナビカリ修練所での特訓で一回り大きく成長したのだから」

夏未が腕を組んで話す。

「あの…あそこではサッカーの特訓は出来なかったんですけど…」

心美が苦笑いの状態で夏未に話した。

「あら、そうなの?無駄な投資だったかしら…」

夏未が呟いた。

~ハーフタイム雷藤side~

「杉森!」

円堂が叫んだ。
杉森は無言でこちらを向いた。

「なんで攻撃しないんだよ!あれじゃサッカーにならないだろ!」

円堂が怒りを込めて話す。

「それが監督命令だ」

しかし杉森は監督命令と淡々と話す。

「なんだって?」

俺が呟いた。

「十点差でも一点差でも同じ勝利だ、リスクを侵さずタイムアップを待つ」

杉森はそれが当たり前と言わんばかりに話した。

「何もかも計算通りに行くと思ってんのかよ!」

俺が叫んだ。

「君達のデータは全て把握していると言ったはずだ。俺からはゴールを奪えない、お前たちの負けだ」

杉森が表情を変えることなく話す。

「そんなの解るもんか!勝利の女神は勝利を強く信じる方に微笑むんだ!」

円堂が真剣な顔で杉森に話す。

「データに無いことはけして起こり得ない」

「データ、データってそんなサッカーやって楽しいのか!」

円堂が叫んだ。

「楽しい…?」

杉森が楽しいの意味も解らないように首をひねる。

「そうさサッカーは楽しいもんだろ!仲間とボールを通して通じ合う素晴らしいものだ!」

「素晴らしい…?、君の意見は理解不能だ」

「不能…?それはこっちの台詞だ!お前たちにもう一度本当のサッカーを思い出させてやる!」

俺は人差し指を杉森に指し叫んだ。

ピ───────!

そして後半がスタートした。
山岸が下鶴にパス、そしてバックパス。
前半と同じ様に戦いには来なかった。
しかしちょっとおかしい。
杉森が急に呟き始めた。

「監督しかし私のプログラムにラフプレイはインプットされていません。作戦の変更をお願いします。」

杉森がぶつぶつ呟く。

「ですが敵ユニットを機能停止させるのはサッカーではありません。実行は不可能です、実行は…」

杉森がまだ何か呟いていた。

「どうする?俺も上がろうかー?」

土門が円堂に向かって話す。

「くそっ!攻めてこないんじゃここにいたって仕方ない!」

円堂はそう呟くとゴールから離れ前線へ駆け上がっていく

「えぇ~!!」

土門が驚きのあまり叫ぶ。

「だぁぁぁぁぁぁ!!」

円堂がどんどん上がってくる。

「ああぁぁ~」

土門が急いでゴールの守りに入る。
円堂は駆け上がると山岸と下鶴からボールを奪った。
そして円堂はそのまま上がっていく。


「なんだと!」

杉森が叫ぶ。
「いくぞ!だぁぁぁぁ!」

円堂が叫びながらシュートを放った。

「何故だ、データに無い、君のシュートはデータに無いぃぃ!」

と杉森が叫びながら円堂のシュートをキャッチする。

「くっそぉぉ!」

と円堂が叫ぶが
その表情は何故か楽しそうだ。

「何故お前が攻撃に参加する」

「点を取るために決まってるだろ!それがサッカーだ!」

「円堂ぉぉ!早く戻れぇぇ!」

と後ろから染岡の叫び声が聞こえる。

「久し振りのシュート楽しかったぜ!」

と円堂は話すと笑いながら戻っていく。

「理解…不能だ……」

その時杉森は円堂が話した
『久し振りのシュート楽しかったぜ!』という言葉が
頭の中で響いていた。

「オフェンスフォーメーション【シルバワン】だ!」

と杉森が叫んだ。
杉森は叫び前に大きくボールを蹴った。
ついに御影専農が動いたのだ。
御影専農の背番号10がボールを受け上がっていくが
壁山のフェイントでボールを奪った。
そのボールをマックスが貰い上がっていく。

「松野さん頼んだっス!」

と壁山が叫んだ。
マックスがディフェンスに入った選手をターンで華麗に避ける。

「こっちだ!」

豪炎寺が叫んだ。
がしかし下鶴がマックスにスライディングを仕掛けボールを奪う。

「来るぞ!」

円堂がそう言い構える。

「パトリオットシュート!」

下鶴が空中にボールを蹴り上げた。
そのボールが空中で火を噴きロケットのように
円堂が守るゴールを襲う。
円堂が渾身のパンチで止めに行くが、しかし。

ピ──────!

ボールがゴールネットを揺らした。
2対0 追加点を許してしまった。
俺は膝を突く。

「くそっ…俺が下鶴のマークに付いていたら…」

「雷藤」

豪炎寺が俺に話す。

「まだ試合は終わってないチャンスはまだある。今の反省を次に活かせばいい」

俺はその言葉を聞いて点を決める方法を思い付いた。

「ありがとう豪炎寺。お陰で良いことを思い付いた、壁山も来てくれ」

と俺が豪炎寺と壁山に作戦を告げた。

「なるほどな」

「わ、わかったっス、俺やってみるっス!」

「今度は俺達の攻撃のターンだ!」

俺はそう相手に向かい言い放ち
グラウンドの中心に戻った。

ピ───! 笛が響き俺は染岡からボールを貰い上がっていく。
その後ろからは豪炎寺、壁山が上がってくる。
下鶴、山岸がディフェンスに入る。

「はぁぁ!電光石火ぁぁ!」

俺は今出せる最高の電光石火を放ち二人を抜いた。
そして杉森を視界に捉える。
俺はバックパスをし、豪炎寺にボールを渡した。

「いくぞ壁山!」

豪炎寺が叫び一緒に飛び上がる。

「イナズマ落としはデータ通りだ!私には通用しない!」

杉森が叫ぶ。

「そうイナズマ落としはデータ通りだろうな、だけどそれはただのイナズマ落としだったらの話だ!」

俺はニヤッと笑い叫びながら飛んだ。
豪炎寺は壁山には乗らずそのまま着地する。
代わりに俺が壁山の腹に乗り二段ジャンプをする。
そしてオーバーヘッドキック。

「くらえぇぇ!イナズマ落としR!」

俺と壁山の協力シュートが杉森を襲う。

「こんなのデータに無いぞぉぉ!」

杉森は叫びボールを止めようとするが遅い。
スバァーンと紫の電気を帯びたシュートがゴールネットを揺らした。
ピ─────! 1対2 ついに反撃に成功した。

ピ────! 今度は御影専農のボールからだ。
山岸、下鶴の二人でどんどん攻めてくる。

「パトリオットシュート!」

下鶴が先程円堂からゴールを奪ったシュートを放つ。

「くそっ!」

円堂がゴールから離れまた上がる。
だがこれでは完全にゴールががら空きだ。

「豪炎寺!こっちだ!」

と守りにきていた豪炎寺に叫ぶ。

「円堂なにをするつもりだ!」

豪炎寺が円堂に問う。
そしてパトリオットシュートが火を噴きゴールを襲う。

「止まるな!シュートだ!」

円堂が叫んだ。

「なっ、何!?」

流石の豪炎寺も驚いている。

「俺を信じろ!」

円堂が叫び前を向く。

「いくぜ!」 「おう!」

と円堂と豪炎寺が声を掛け合い
円堂が右足、豪炎寺が左足でシュートを放った。

「「イナズマ1号!」」

物凄いロングシュートが杉森が守るゴールに向かう。

「なにっ!?この数値は我々の知るデータを遥かに越えている!あり得ない!あり得るかぁ!!」

と叫び両手を前に出し必死に止めようとするが
シュートのパワーが勝り杉森ごとゴールに叩き込んだ。

「ぐわぁぁぁ!!」

ピ────! 2対2 同点に追い付いた。

「やったぜぇ!守備と攻撃が同時なら奴らも対応出来ないんだ!」

「ああ、あんな技が決められるなんて!」

豪炎寺も驚きつつも得点を喜んでいる。

「本当だ、何だか身体が軽いとは思ったけど」

と円堂はそう言いながらみんなを見渡す。
ベンチも抱き合い喜んでいる。

ピ──────!御影専農のボールで始まり
山岸、下鶴で前線へ上がろうとしたが
少林寺がボールをカットした。

「少林寺があんなに飛べるのも、半田、マックス達があんなに早く動けるのも、イナビカリ修練所での特訓が俺達、皆の身体能力をレベルアップさせていたからなんだ!だからさっきのシュートも!」

「いくぞ豪炎寺!円堂と豪炎寺が1号なら…!」

俺が叫んだ。

「俺と雷藤は…」

「「2号だぁぁ!」」

二人で同時に叫び同時に蹴る。

「「イナズマ2号!」」

紫の電気と青の電気を纏ったシュートが杉森を襲う。

「シュートポケットぉぉ!」

杉森が渾身のシュートポケットを発動させる。

「ぐわぁぁぁ!」

俺と豪炎寺が放ったイナズマ2号は
シュートポケットを完璧に砕きゴールに突き刺さった。
ピ─────!
ついに逆転に成功した。 3対2
ワァァァァ!と会場がわく。
「やりましたねぇ!」とベンチで目金が叫ぶ。

そして御影専農からのボールだが
そのボールをまたしても少林寺が奪う。
その瞬間、御影専農の選手が一斉に額の近くの
通信機のようなものに触れた。

「監督との通信リンクが切断された…?」

杉森が呟いた。
御影専農の選手は口をそろえて呟き始める。

「終わりだ…」

「我々は敗北する…」

という声も聞こえた。

「敗北…負ける?」

杉森が呟いた。

「うらぁぁぁ!ドラゴンクラッシュ!」

染岡のドラゴンクラッシュが杉森を襲う。

「ぬわぁぁぁ!」

杉森は叫びながら
シュートポケットを発動させた。
染岡のドラゴンクラッシュがシュートポケットを破壊し
杉森を襲う。

「負けたくない!俺は負けたくないっ!」

杉森が叫びながらシュートを両手で止めた。

「皆も同じだろう、最後まで戦うんだ!」

と杉森が叫ぶと
御影専農の選手が全員通信機を外した。

「最後の一秒まで諦めるな!」

杉森が叫んだ。

「面白くなって来たぜ!」

円堂も叫んだ。
このあとも白熱した戦いで両校譲らなかった。

「ファイアトルネード!」

豪炎寺が決めに行った時だった。
下鶴もファイアトルネードを発動させ
二人のファイアトルネードがぶつかり合った。
二人とも地面に墜落し下鶴が杉森にパスを出し倒れた。
豪炎寺も倒れたまま動かない。

杉森が「うおぉぉぉ!」と叫びながら
センターラインを越え上がってきた。
先程の円堂と同様に上がってくる杉森。
さては円堂の熱さが移ったな?

「いくぞ円堂ぉぉ!」

と叫びシュートを放った。

「ゴッドハンド!」

キュイーン…バシン…ッ!

円堂のゴッドハンドがシュートを止めた。

ピッ ピッ ピ──────!
その瞬間、勝利の笛が鳴り響いた。

「杉森またサッカーやろうな!」

円堂が微笑みかけ手を出す。

「ああ、また」

杉森も微笑みながら握手を交わした。

フットボールフロンティア予選二回戦
雷門中対御影専農中 3対2 雷門中の勝利
雷門中予選準決勝進出。 
 

 
後書き
雷藤「激戦だったな…」
円堂「ああ楽しかったな!」
雷藤「やっぱりお前サッカーバカだな、この疲れ知らずめ!」
円堂「ありがとな!」
雷藤「褒めてねぇよ!」
円堂「ちょっと聞いていいか?」
雷藤「おう」
円堂「なんでイナズマ落としRなんだ?」
雷藤「イナズマ落としR(雷藤ver)って意味さ」
円堂「なるほどな」 
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