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ソードアート・オンライン ~Hero of the sorrow~

作者:C.D./hack
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Fの記憶/雨の中を乗り越えて

 
前書き
分かる人が見れば、タイトルで分かるはず。 

 
「オオおおおおおおおおオオおおオオおおオオオオッ!!!!!」

闇の絶叫。その姿は、黒く美しい。黒い瞳、鋭利な全身と全身に走る金色の神経。

Pohはその姿に見とれることなど、できなかった。その憎悪の塊に。

憎しみの力。一番身近にある感情。それに身をゆだねれば、このようなことになる。

それは無言でPohへと近づく。咄嗟に、転移結晶を取り出したが・・・。

「ぎぁあああああああああ!!!」

Pohの絶叫。その腕は、爆炎に包まれていた。

「・・・」

究極の闇はゆっくりと、ただゆっくりと近づく。闇は、両手をかざした。

Pohは戦慄した。闇の手に握られていたのは、黒い大剣だった。

「二刀流だと・・・!?」

友斬り包丁(メイト・チョッパー)を構えたが、大剣を一振りしただけで刀身が、真っ二つに割れた。

Pohは戦慄した。恐怖した。目の前の存在に。絶対的な死に。

闇は二刀の大剣を使って、少しずつ、少しずつPohを切り裂いていく。

「嫌だ・・・。死にたくない!!」

無様な叫びに・・・闇が答えた。

「オマエハソレヲイッチャイケナイ。・・・アナタモ、ボクモ・・・」

クズダ。

大剣を、Pohの体に突き刺した。その瞬間、Pohは燃えた。そして・・・・



「ヒいいいいイイイっ!!」

後ろから声。住民だ。黒い瞳がそれを見つめた。ゆっくりと近づく。

住民が逃げる。無意味だ。闇からは逃げられない。

「させないよ」

Pohがいた方向からの声。

立っていたのは、男だった。傍にはカナリアが飛んでいた。

「ボソギデ ジャス(殺してやる)・・・。」

「リビブギ グガダデ ギベ(醜い姿で死ね)」

闇がグロンギ語で言って、加速して男に拳を叩きつける。だが、

「・・・!?」

拳は受け止められていた。自身と同じ姿をした者に。

そう彼は、

「ゴザギ ジュジュグべ!?」

五代雄介。2代目クウガ。究極の闇を払ったもの。

「モット・・・ボクヲ・・・エガオニシテヨ」

「・・・これは君がしたいことじゃないでしょ?」

「ダ・・・マレ!」

自身と同じ姿をしたといったが、唯一違う点がある。それは瞳の色だ。雄介の瞳は、赤色。

心清き戦士 力を極めて戦い邪悪を葬りし時 汝の身も邪悪に染まりて永劫の闇に消えん

本来クウガがアルティメットになるとベルトにはこう記され、瞳は黒色になる。

しかし、五代雄介は違った。

瞳が赤色で、ベルトに記されているものが違う。

五代雄介のアークル、べルトにはこう記されている。

清らかなる戦士 心の力を極めて戦い邪悪を葬りし時 汝自らの邪悪を除きて究極の闇を消し去らん

「憎しみにとらわれてはいけない。それは、色んな人を見た君が一番知ってることだ」

「グワああああああアアッ!!」

闇が叫び、雄介を殴りつける。

「グワああああアアッ!!」

マウントされた雄介はそれを受け続けた。マスクから涙が零れ落ち、雄介のマスクに落ちた。

「君を・・・待ってる人がいるよ。・・・ほら」

闇は気づいた。自身の後ろに抱きついている者がいることに。

「・・・もういいんだヨ、ユキ・・・。もういいんダ・・・」

闇から声が漏れた。

「ア・・・・。アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああああああああアアッ!!!!!」

雄介が言った。

「戻ろう、ユキ君。君がやることはこれじゃない。大丈夫、戻れるよ・・・」

その言葉が発せられた瞬間、バチンという音が響き、漆黒の鎧が剥がれた。




「まったク・・・。アリガトウだヨ・・・」

気絶したユキと怪我をしたアルゴを雄介は一人で支えていた。

「いや・・・。お礼はユキ君に行って」

君のために戦ったんだから。

「それより・・・あんたは何者なんダ?」

「俺?俺はこういうものです」

男が渡したのは名刺。そこには2014の技を持つ男、

「五代雄介?」

と書かれていた。

「なんデ、2014の技なんダ?」

「んー、それはね、僕がいる世界は2014年だからなんだ」

「ハ?」

アルゴの疑問は当然だった。現在の世界は、2024年であるはずだからだ。

そして、世界と言った。

「ま、まさカ、アンタ・・・」

「うん、君の思う通り、ぼくは別世界の人間だよ」

「・・・・え?」

話が大きすぎてついていけないのか、アルゴは自分から質問するのをやめた。

「ひとつ・・・聞いていいカ?」

雄介がなに?、と言う。

「アンタは・・・。ユキと同じ姿に変身していたガ、アレハ・・・なんダ?」

「あれはね・・・、古代の人が人々を守るために作った戦士なんだ。俺の前に変身していたのはもっとすごい人だったんだ。俺は二代目だよ」

「・・・それより・・・なんでアンタは泣いてたんダ?」

え?と雄介は言った。

「アンタの顔、涙のあとがあるんダ」

「そっか・・・。泣いてたんだ、俺」

雄介がしゃがみこんだ。

「え、ちょっ、何してるんダ!?」

立ち上った雄介は、宿に入って行った。









ユキをベットに寝かせると、彼は、話し始めた。

「まず・・・俺が戦い始めた所から教えなきゃね」

雄介は自身の戦いを語り始めた。そして、ついにアルティメットの話になった。

「あいつは――――――――――――、ダグバはとてつもなく強かった。目の前で何人も、何人も殺されていった。子供の叫び声が聞こえてた。お父さん、お母さんて。だけど・・・その子も・・・俺の目の前で殺された。そしてダグバは言ったんだ。」

「どうしたの?」

「もっと強くなって、もっと僕を」

「笑顔にしてよ・・・って」

アルゴは恐怖した。言葉だけでも恐怖が伝わってきた。

「怖く・・・無かったのカ?」

「そりゃあ、怖かったさ。だけど・・・俺はみんなの笑顔を守りたかったんだ」

「そして、決めたんだ。凄まじき戦士になることに」

雄介の話は続く。

「で・・・決着は、グロンギ達が封印された遺跡で着けたんだ」

「そして、戦った。だけど・・・どっちも何も効かなかったんだ」

「なんでダ?」

「ダグバとアルティメットは同じなんだ。存在的には」

「だから・・・最後はただの殴り合いになった」

「あいつを殴ってるとき・・・、すごく嫌な感じがした。たとえ化け物でも・・・。アイツは笑いながら。俺はいつの間にか泣きながら殴ってた。そして最後、俺は勝った。」

「アンタも苦労したんだナ・・・」

「うん・・・」

静寂の中、いつの間にか朝日が昇っていた。

「あ、キー坊からダ」

「どうしたの?」

「知り合いからメールダ。救援に行って来ル、ユキを・・・頼ム」

アルゴが出て行った。雄介はベットに向け、口を開いた。

「もういいんじゃない?ユキ君」

「・・・気づいてましたか」

ユキがベットから起き上がる。

「行かないの?」

「今・・・行ったら、迷惑かけるから・・・」

「なんで?」

「だって・・・」

「だって?」

「自分が、怖いんです」

「カナリアに頼まれて、約束を思い出して、みんな救おうと思った。だけど、僕は覚悟してなかった。
戦う事なんて簡単だって思ってた。ホント僕はクズだ。だけど・・・だけど一番怖いのは、貰った力で誰かを傷つけることです」

雄介が口を開く。

「そうだね・・・。俺も君と同じことになった」

「ジャラジ・・・ですね」

「そうだよ。だけど・・・それから学んだこともある。」

憎しみで戦わない事。雄介が言った。

「僕はそれも怖いですけど、もっと怖いのは」

戦うのが、人を傷つけるのが怖いんです。

「だけど・・・その力で人を守ったのは事実でしょ」

雄介が言った。ユキが口を開く。

「だけど・・・人を傷つけそうになった。ダグバと同じだ」

「・・・それは違うよ。アイツは暴力が楽しくてしょうがないから笑ってたんだ。君は泣いていた」

だけど、僕は。

「五代さん、どうすればいいですか?」

「僕は今までずうっと迷惑をかけてきた。間違った道ばっか進んでた。ようやく正しい道を見つけたら、みんな死んだ。大事な人も、もういない。もう疲れたんです、正しい道を探すのも、その道を歩くのも。どんな道を歩んでも・・・僕の周りは雨なんですよ!!」

クズである、自分の叫び。だが、雄介は

「大丈夫!」

笑顔の雄介は言った。

「その雨だって絶対止むよ。そしたら青空になる!今、君の周りに雨が降っていても、その雨雲の向こうには、どこまでも青空が広がってるんだ!」

「そんなの・・・綺麗言ですよ」

そうだよ、と雄介は肯定した。

「でもさ、だからこそ現実にしたいんじゃない。本当は綺麗事が一番良いんだから」

「まだ・・・間に合いますか?」

「間に合うよ。守りたい人がいるでしょ?」

「戦ったら・・・。そうしたら・・・青空、広がりますかね」

「広がるよ」

ゆきがベットから立った。

「僕、戦います!」

ユキは宿を飛び出す。五代が笑顔とサムズアップで送り出す。ユキもそれで返した。

カナリアが五代の前に現れた。

「大丈夫かしら・・・彼は」

「大丈夫だよ・・・。彼は守るものを探していたんだ。身近にあるのに気付かずに。だけど、彼はそれを見つけた、だから彼は強くなるよ。頑張ってね、カナリアさん」

ええ、とカナリアが言うと、灰色の壁が現れ、雄介はそれの中へ飛び込み、歩んで行った。








「コイツ・・・!!」

アルゴは、狼のmobを相手にしていた。一層の相手だからと思って油断していたが、強さは九十層クラスだ。

おそらく、中ボス。狼が腕を狙って爪を振り上げる。

「ウ・・・ツっ!!」

左腕が動かなくなる。狼の体当たり。一気に後ろに吹っ飛ぶ。

狼はゆっくりとアルゴに近づき、飛びかかる。

今度こそ終わりだ。もう誰も助けてはくれない。だが――――――――――――

ファング!! マキシマムドライブ

「ファングストライザー!!」

白と黒の姿をしたライダーが、回転飛び蹴りを打ち込む。

命中した瞬間、恐竜の頭部のようなものが浮かび上がる。狼は消滅しなかったが、白黒のライダー、ファングジョーカーである、ユキがアルゴの隣に立ち、言った。

「地獄の底まで、あなたと相乗りしに来ました!!」 
 

 
後書き
なんか無茶苦茶なことに・・・。だけどファングジョーカーだせてよかった。

コメント・脱字・誤字・評価がありましたら下さい。いや、もう、本当にお願いします。 
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