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駄目親父としっかり娘の珍道中
第10話 人は守るものがあってこそ強くなるもの
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 激しく震える空気が頬に当たり、かすかに頬がひりひりと痛んだ。
 新八は肌でそれを感じ取っていた。今、自分の目の前では二人の猛者が激しくぶつかりあおうとしているのだ。
 一人は普段から見慣れた坂田銀時。だが、もう一人はなんとまだ年端もいかない幼い少女であった。
 されど、この少女は見た目からは想像がつかないがとてつもなく強い。ユーノ曰く、これらは魔法の力を用いていると言うそうだ。
 つくづく恐ろしい話だと思えた。
 自分達の世界にはない力。魔法の力。
 今までお話の世界や二次元の世界での産物だとばかり思っていた。それがまさか現実にあったなんて。
 しかも、その力がまさか自分達に牙をむくのだから素直に喜べない現状が此処にある。

「心配すんなよてめぇら。こうして俺が木刀を握った以上、こんな盗んだバイクで走り出してる真っ最中の様なケツの青いガキに負ける筈ぁねぇんだよ」

 木刀を肩に置きながら二人を安心させようと言う心の現われでもあろう。銀時がそう告げて来た。
 今まででもそうだ。まだ銀時と知り合って1年弱と言う付き合いだが、それでも新八には分かる。銀時はどんな苦難も乗り越えてきたのだ。
 例えどんな強い奴が相手でも、どんな状況に立たされたとしても、銀時は勝ち続けてきたのだ。
 だが、今回は分が悪い。何せ相手は魔法とか言う不可思議な力を使うのに対し、こちらは著しく弱体化している。
 無論銀時もその例に漏れてない。

「ぎ、銀さん……ムチャだ。今の銀さんじゃその子には絶対に勝てませんよ!」
「バーロィ! 古今東西のジャンプ漫画を思い出してみろ。こう言う無理難題の時にこそ主人公フラグが発生してなんやかんやで結局主人公が勝っちまうシチュエーションが出来上がってるんだよ。つまり、この小説の主人公は俺だから、この戦いで俺が負ける確立はほぼゼロにも等しいと言う事になるんだよぉぉぉ!」
「どんな根拠でそんな事が言えるんだあんたはぁぁぁ!」

 明らかに根拠のない発言にツッコミを入れる新八であった。されど、そんな新八の言い分など無視しつつ、銀時とフェイトは互いに睨み合った。時として数刻経った後、銀時とフェイトは激しくぶつかりあった。フェイトの杖と銀時の木刀が互いに激しくぶつかりあい、凄まじいまでの火花を舞い散らしていく。何故木刀と杖がぶつかった際に火花が舞い散るかは疑問だが、とにかく激しい戦いが新八の目の前で勃発したのだ。
 互いに前へと進みあう力と力。それらが前へ進もうと激しく自己を主張し続けている。
 だが、どちらも激しいまでに主張をするが為に一向に前に進まない。魔法とは恐ろしいものだと思えた。銀時の目の前に居るのは恐らくなのはと同じ年であろう9歳位の華奢な女の子だ。その女の子が大人である銀時と互角に張り合っているのだ。
 幾
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