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駄目親父としっかり娘の珍道中
第10話 人は守るものがあってこそ強くなるもの
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ら銀時が弱体化したからと言ってもこれは驚きである。

(くそっ、力でも駄目か……かと言って離れて戦おうにもこいつのスピードは常人離れしてやがる。とても追い付ける自信なんかねぇ! どうする、どうやってこの化け物に勝つ?)

 銀時の脳裏には幾つもの戦法が編み出されては却下され、くずかごへと捨てられて行った。瞬時に別案が提案されるが、その案も目の前のフェイトを倒すには至らず、却下されて捨てられていく。どの案も同じだ。幾つもの案が作り出されては同様の速度で捨てられていく。その繰り返しだった。

「手がお留守だよ!」
「ちっ!」

 咄嗟に距離を開ける。だが、そんな銀時に向かい弾丸の速度で再び距離を詰めて切り掛かってくる。木刀でそれを捌こうにも振り下ろされたその一撃はまるで巨大な丸太棒を食らってる感覚だった。
 一撃一撃が異常なまでに重い。
 下手すると腕がもげるかも知れないと思われた。
 それは、単に彼女の力だけでも魔法の力だけでもない。やはり弱体化が大きく響いているようだ。

「くっそぉ! 何でこの俺を狙うんだ? まさか俺の金○が狙いなのか?」
「私の狙いは貴方の(たま)だけ。他には何も興味はないよ!」
だぁかぁらぁ、何で俺の命を狙う訳! 俺自慢じゃないけど子供に恨み買うような事ぁしたことないんだけど!」
「この大嘘つき!」

 突如、フェイトが怒号を張り上げた。かと思うといきなり横薙ぎに杖が振るわれてきたのだ。それには溜まらず避けようとしたが間に合わず杖の腹に殴られて後方へと吹き飛ばされる。思い切り腹部に命中し咽返る銀時。
 そんな銀時に向かい杖を突きつけながらフェイトは睨んだ。

「貴方が……貴方があの子にどんな仕打ちをしたか、それを忘れたと言うの?」
「あの子? それってまさか! お前、なのはを知ってるのか?」

 銀時は驚愕した。まさかフェイトの元になのはがいるとは。となれば考え方を変えればなのはこのフェイトに隔離されていると言う事になる。

「てめぇ、家の娘をさらって何するつもりだ? 言っとくが俺から身代金をせしめようとしても無駄だぞ!」
「そんなつもりは毛頭ないわ! 只、私はあの子を、なのはを救いたいだけ!」
「救うだと?」

 何が言いたいのか分からなかった。一体何を言いたいのだろうか? 
 自分からなのはをさらっておいてその目的が救いたい。
 理解に苦しむ銀時を他所に、フェイトは更に話しを続けた。

「なのはの話を聞いて私は悟ったの! お前は、お前はなのはを毎日毎日牛馬の如く働かせて、自分は何もしない自堕落な生活を送っている駄目人間だと言う事実を!」
「な、何を馬鹿な事言ってやがんだ! 俺がそんな酷い事する筈ねぇだろうが!」
「嫌、思いっきりしてますよね。その子の言って
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