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アラベラ
第二幕その四
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 そこへ会場のスタッフがやって来た。
「ドミニク伯爵をお招きしました」
「有り難うございます」
 彼女はそのスタッフに振り向いて礼を言った。
「御苦労様です」
「いえ、そのような」
 礼を言われた方が恐縮してしまった。それ程までに優美な微笑みであった。
 彼は下がった。そしてドミニクが階段を上がって来た。
「フロイライン、ここに私をお招きした理由は」
「はい」
 アラベラは一瞬目を伏せた後で答えた。
「先程の踊りですが」
「はい」
「あれは私の最後の踊りです」
「といいますと」
 彼にはその言葉の意味がよく理解できなかった。問わずにはいられなかった。

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