スーパーロボット大戦OGs
0015話
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その墓地には、人が少なかった。
今回亡くなった人の事を考えれば、それもしょうがないのだろう。
時流エンジンの論文を発表し、タイムマシンの可能性を世に示した研究者『フェル・グレーデン』博士の葬式なのだから。
殆どの学者に嘲笑で迎えられた論文の為、研究費用にも困っていたという。
そんな人物の葬式だけに、墓地に来ているのは俺の他に数人といった所か。
取りあえず喪主と思われる2人の兄妹へと声を掛ける。
まだ若い……というよりも、幼いと言うべきか。
それもしょうがない、2人ともまだ13歳なのだから。
そしてそんな2人の側には緑の髪をした中年の男がいた。
「すまない、フェル・グレーデン博士の身内か?」
突然声を掛けられたのに驚いたのか、兄の方は驚き、妹の方は睨むようにこちらを見てくる。
数秒の沈黙の後、口を開いたのは兄妹ではなく中年の男だった。
「失礼だが君は?」
「アクセル・アルマーといいます。新聞でフェル博士が亡くなったとの記事を見まして」
「ああ、君が」
俺の言葉に納得したように頷くと、2人の兄妹……ラウルとフィオナの方へと振り返る。
「モントーヤおじさん?」
……なるほど、どこか見覚えのある顔だと思ったらフェル博士と時流エンジンを一緒に研究していたロム・モントーヤ博士か。
確かにこうして見てみると、スパロボRに出てきたラージ・モントーヤに似ていなくもない、か?
ロム・モントーヤは心配そうな様子のフィオナに笑い掛けながら口を開く。
「大丈夫、この人はフェルの友達だ。ほら、フェルがいつも楽しそうに読んでいた手紙があるだろう? あの手紙の差出人だよ?」
「え? 本当!?」
先程までのキツイ表情はどこへやら。笑顔を浮かべながら俺の方を見る。
ラウルの顔にも嬉しそうな表情が浮かんでいた。
この2人にとって、周囲から馬鹿にされていた父親を認めてくれるというのはそれだけ嬉しい事なんだろう。
「ああ。フェル博士が論文を発表した時に手紙を送って、それ以来の付き合いだ。2人に関しては手紙で色々と知ってるが、実際に会うのは初めてだな。改めて、アクセル・アルマーだ。よろしく頼む」
「え? じゃあ、えーっと」
指を折って何かを数えるラウルを微笑しながら眺めつつ、モントーヤ博士が口を開く。
「もう2年近い付き合いになるのかな」
「そうですね。俺が士官学校に入学してそんなに経っていない時期にフェル博士の論文が発表されて、それ以来約2年ですか」
「そう言えば、アクセル君は士官学校の生徒だったね。じゃあ、もうすぐ3年生かな?」
「ええ、後1ヶ月もしないうちに最上級生になりますよ」
3人と話をしていると、牧師がやって来る。
「牧師様が来たか。
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