暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第1楽章〜覚醒の伴装者〜
第11節「聖遺物護送任務」
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式回天特機装束、またの名をシンフォギアtype-Pよ」
「シンフォギアのプロトタイプ!?」
 驚きに目を見開くと同時に、その名前に少しだけ高揚する。
 プロトタイプ。それは男子たるもの、誰もが憧れを覚える言葉。
 俺とて一人の男だ。心の中の跳ね馬が踊り昂るのは是非もないだろう。
「シンフォギアほど長くは持たないけど、これを使えば万が一ノイズに触れても炭素分解されずに済むし、位相差障壁を無効化して殴る事くらいなら出来るようになるわ」
「これを……俺にですか!?」
「でも過信はしないで。まだ聖遺物が入っていないし、それに効果持続時間は君の精神力に大きく左右されるの。改良したとはいえ、何処まで持つかは分からないわよ」
「つまり、あくまで護身用なんですね?」
「そういう事。君にこれを渡す事について、弦十郎くんには話を通してあるわ。万が一、輸送車が襲われたら生弓矢の欠片でそれを起動させて、指定された合流地点まで走りなさい。いいかしら?」
 合流ポイントについては、先程のブリーフィングで確認済みだ。その位置まで走り抜け、生弓矢の欠片を無事に守り抜く。それが、この任務に於ける俺の役割だ。
 
「分かりました。ありがとうございます!」
「くれぐれも無茶はしないようにね?本当ならこれ、弦十郎くんが使うはずの物だったんだから」
「叔父さんが前線に立てれば、姉さんや立花が危ない目に遭う事も無くなるのは目に見えてますもんね……」
 シンフォギアtype-Pのリングを左腕に嵌める。
 安物の腕時計くらいのサイズをしたリングは、制服と合わせても違和感がほとんど無かった。
「それでは、風鳴翔。作戦行動に移ります!」
「いってらっしゃ〜い」
 了子さんに手を振り、俺は輸送車のコンテナ内へと入る。
 目の前には発掘に使われた機材、ダンボールに積まれた遺跡の資料と、厳重に保管され、専用のケースに仕舞われた生弓矢の欠片があった。
 
 
 
 作戦開始から一時間ほど経過した。
 車通りの殆どない立体道路を輸送用のトレーラーと、護衛の黒い車が全力で走り抜ける。
 ここまでは特に異変はなく、トレーラーは順調に目的地までのルートを走り続けていた。
「何も起きませんね……」
 二課本部のモニターの前で背もたれに身を預けながら、やたらツンツンした前髪が特徴的な茶髪の男性オペレーター──藤尭朔也
ふじたかさくや
はそう呟いた。
 ボヤき癖があるが弦十郎の腹心の一人であり、その情報処理能力は二課の中でも随一を誇り、彼のサポート抜きに組織としての二課はまともに動作できないとさえ言われている男だ。
「このまま何も起きずに終わるといいんだけど……」
「そうね。でも、最後まで気は抜けないわよ」
 隣の席に座る藍色の髪をショートヘアーにしている女性オ
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