暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第1楽章〜覚醒の伴装者〜
第11節「聖遺物護送任務」
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 土曜日、朝5時10分前。
 輸送車の発着地点に、特異災害対策機動部二課の面々は集まっていた。
 実働部隊の制服は黒服であるため、翼、響、翔の三人はそれぞれの学園のブレザーを着用して並んでいる。
「念の為、緒川さんに迎えに行ってもらって正解だったな」
「ごめん、何とか起きようとしたんだけど……」
 響は案の定寝坊していた。いつもに比べれば早く起きた方ではあったが、走っても間に合うかどうかだった所、こうなる事を予想した翔が緒川を迎えに向かわせた為、なんとか合流したのだ。
「まったく、意識が弛んでいるぞ立花!」
「すっ、すみません翼さん!」
 腕を組み、あからさまに苛立ちをアピールする翼に全力で頭を下げる響。
 綺麗な直角、90度を描くお辞儀はある意味では芸術的だ。
 
「でも、しっかり休めたんだよな?」
「そりゃあもう、一晩中グッスリだったもん!」
「じゃあ今日は思いっきり働けるって事だよな?」
「足でまといにならないよう、頑張ります!今日こそは!」
「……だってさ、姉さん」
 したり顔で翔は翼を見る。
 翼は呆れたように溜息をひとつ吐くと、不機嫌そうな声で返した。
「翔、お前は立花に甘過ぎる」
「そう言う姉さんは硬すぎるんだ。ずっと独りで戦い続ける事なんてできるわけが無いのに、姉さんは立花に全然歩み寄ろうとしないじゃないか!」
「戦場に立ったことの無いお前に何が分かる!」
「ッ!それとこれとは……」
 常に戦場の最前線で戦い続ける姉の一言に、返す言葉を失う翔。
 翼はまだ何か言いたげだったが、そこへ弦十郎が割って入った。
「お前達、作戦行動前に何を言い争っている!」
「叔父さ……司令」
「いいか?作戦行動中に連携が乱れれば、それは命の危険に直結する!自分の命だけでなく、他人の命もだ!それを忘れるな!」
「……はい」
「肝に銘じます……」
 司令官である叔父からそう言われ、翼と翔は口を閉じた。
 
「自分だけじゃなくて、他の誰かの命も……」
 また、響は弦十郎の言葉に周囲を見回す。
 自分以外に、弦十郎、了子、翼、翔、その他何人もの黒服職員達。一人が行動を乱せば、これだけ多くの命が危険に晒される。
 そう思うとより一層、自分が背負っている責任の重大さを実感した。
 今日は、逃げてばかりもいられない。立花響はそう胸に誓い、拳を握った。
 
 
 
「翔く〜ん、ちょっといいかしら?」
「はい、何ですか了子さん?」
「君に、季節遅れのお年玉よん♪?」
 呼び止められ、振り返ると了子さんは俺の手に何かを握らせた。
 それは、金属で出来た軽めの腕輪だった。鈍色で飾りっけのない無骨なその腕輪の側面には、見覚えのある形と大きさの窪みが存在していた。
「了子さん、これって……」
「RN
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