暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第1楽章〜覚醒の伴装者〜
第8節「胸に宿した誓い」
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分一人で倒し尽くそうとしているきらいがあるのは問題だ。
 叔父さんも困ってるし、俺の方から一言言おうとしてもここ2日連続で逃げられている。
 緒川さんからは、何やら困ったような顔で「今はそっとしてあげてください」って言われるし……やれやれだ。
 
 一方、立花はというと未だに逃げ腰。迫って来たノイズを迎撃する程度ならできるけど、迫られるとつい逃げ出してしまう。
 何やってんだ、とモニター越しに何回突っ込んだ事か……。元々戦士として鍛錬していた訳でもないから仕方がない、とはいえこれではシンフォギア奏者としてあまりにも頼りない。
 これはもう、叔父さんに修行付けてもらうしかないのでは?
 
 そうやって、これまでの立花の事を振り返りながらエレベーターを降りる。
 コンソールルームに入ると、丁度ブリーフィングが始まるところだった。
「は〜い、それじゃあ仲良しブリーフィングを始めるわよ〜ん」
 了子さんの明るい声が響く。
 ブリーフィングを取り仕切っているのは基本的に、ムードメーカーの了子さんの役割だ。
「お、今日は翔くんも参加?」
「はい。まだ正式な配属ではありませんが、自分にも立ち聞きする資格くらいはありますからね」
「翔くんやっほ〜」
「今日も元気そうだな、立花」
 立花が手を振って挨拶してくれたので、こちらも手を振り返す。
 一瞬、姉さんの方から鋭い視線を感じた気がするけど、気の所為だろうか?
 
「さて、今回集まってもらったのは、この特異災害対策機動部二課を指名して、護送任務が入って来たのが理由だ」
「護送任務?何を運ぶというのです?」
「もっちろん、聖遺物よ」
 姉さんからの疑問に答え、了子さんが操作したモニターに画像が表示される。
 それは、錆びて朽ち果てた矢の鏃のような形をしていた。
「了子さん、これは?」
「今朝、遺跡から出土したばかりの聖遺物、〈生弓矢(イクユミヤ)〉よ」
「イクユミヤ……?」
 立花が首を傾げる。まあ、確かに日本神話に詳しくないとパッと浮かばない名前だろう。
「須佐之男命が所持していたとされている生太刀(イクタチ)生弓矢(イクユミヤ)、そして天詔琴(アメノノリゴト)。出雲の三種の神器と呼ばれている聖遺物の一つだ」
「ほえ〜……翔くん詳しいね」
「まあな」
 立花から向けられる尊敬の眼差しが、少し照れくさい。
 しかし、どうやら俺の事は忘れているらしい事が、何だか少し寂しいな……。
 
「他二つの聖遺物、生太刀と天詔琴は発見されなかったのですか?」
 そういえばそうだ。三種の神器なんだから、同じ場所に安置されている可能性は高い。
 姉さんからの疑問に、了子さんは大袈裟に肩を落としながら答える。
「残念ながら。多分、経年劣化で他の2つはダメになっち
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