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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
戦姫絶唱シンフォギア
第0楽章〜前日譚〜
風鳴姉弟のサプライズ(天羽奏誕生祭2019)
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バースデー!」

 姉さんと僕にそう言われ、奏さんは目を丸くした。

「へ?……あ、そっか!今日、あたしの誕生日だ!何ですっかり忘れてたんだろ……」
「いいから、ほら座って!」

 姉さんに促され、奏さんが席に着く。

 多分、最近任務と訓練、それにツヴァイウイングのライブもあったし、自分の誕生日にまで気が回らなかったんだろう。
 祝ってくれる家族がもう居ないのも、要因の一つなのかもしれない……。

「本当は二課の皆で祝いたかったんだけど、忙しいらしくて……」
「はは、いいよ。翼と翔が祝ってくれるなら、それだけであたしは満足だ」

 奏さんが嬉しそうに笑う。その笑顔はとても幸せそうで、姉さんは少し照れ臭そうだった。

「来年は緒川さんと叔父さん、了子さん、藤尭さんや友里さん達も皆で祝おうって約束しました。今日は僕達姉弟だけですが、思いっきりもてなしますよ!」

 クロッシュを取ると、昨日の晩から仕込んでいた料理の数々が湯気を上げる。
 特に唐揚げはタレに使う調味料から拘り抜いて完成させた逸品だ。二人共、きっと美味しく食べてくれると思う。

 ちなみにケーキは冷蔵庫の中。奏さんはよく食べるので、サイズが大きいのを選んで買って来た。余る心配などしていない。

「それではこれより、天羽奏さんの誕生日パーティーを始めます! 乾杯!」
「「かんぱ〜い!」」
 
 それから僕達は、日が暮れるまで笑い合った。
 奏さんが唐揚げをどんどん頬張り、「翔、また腕を上げたな!」って言ってくれた時は嬉しかったし、ローソクの火を吹き消した後、姉さんがケーキを寸分違わぬ大きさにキッチリとカットした時は奏さん共々驚いた。

 それから、姉さんからのプレゼントを空けた奏さんは、今日一番嬉しそうだった。
 誕生日にプレゼントを貰ったのは、おそらく久し振りだったと思う。
 小さな青い石が嵌め込まれた、片翼のイヤリング。奏さんがそれを手に取ると、姉さんはもう片方のイヤリングを見せた。

 姉さんのはオレンジ色の石が嵌め込まれた、奏さんにあげたものと左右対称のイヤリングだった。
 左右対称で片翼、その上姉さんと奏さんの色だなんて、お誂え向き過ぎるデザインだ。二人の為に用意されていたと言っても過言じゃないだろう。

「奏さん、贈り物のイヤリングがどんな意味が知ってます?」
「いや?どんな意味があるんだ?」

 奏さんが首を傾げる。まあ、予想通りの反応だ。奏さんは普段の性格から見て、その辺りに詳しいタイプではないだろう。

「いつでも自分の存在を感じてもらいたい、という意味があるそうですよ」
「なっ!?こら、翔!余計な事言わない!」
「なるほどな〜。つまり、これを付けていればあたしらはいつでも一緒、って事か」

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