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人理を守れ、エミヤさん!
赤い彗星なのか士郎くん!
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た。カルデアは、内部からの攻撃に弱い。忠告通りに警備を厳重にしておけたら、今回のことも防げていたかもしれない』
「……」

 俺は以前にロマニからの信頼を得ていた。だから彼を通してダヴィンチとも接触し、カルデアの防備を固めようとしていたのだが……悉くに許可は出なかった。
 所長オルガマリーが――正確にはレフ・ライノールが不要だと言い張ったのだ。
 責任者であるオルガマリーが全幅の信頼を置くレフの言葉である。オルガマリーは新参である俺よりも、古参であるレフの意見に重きを置いた。そしてオルガマリーの許しもなくダヴィンチもロマニも動くわけにはいかなかった。

 悪いのはロマニではない。だから謝る必要はない。

 念のため、俺は独断で動き、カルデアの主要な設備に強化の魔術を目一杯かけていた。魔術が切れる頃にはまたかけ直し、定期的に強化を重ねてもいた。
 それが功を奏した形になったが、人命まではどうにもならなかったようだ。

 瞑目し、すぐに目を開く。

「送ってくる物資と言うのはなんだ?」
『聖晶石だ。簡単に言うと魔力の塊で、サーヴァント召喚のための触媒だよ』
「なに?」
『本当は霊脈のターミナルの上でやった方がいいんだけどね、今回は特別だ。カルデアの電力の一割を回す。どうせしばらくは使う機会もない、無理矢理にでもサーヴァントを召喚してくれ。きみたちに死なれたら、全て終わりだ』
「待て、サーヴァントを呼べるのか?! 仮に召喚できても俺の魔力がもたないぞ!
『サーヴァントの召喚、維持はカルデアの英霊召喚システムが代行してくれる。心配は要らない。通信限界時間まで間がないんだ、あと三十秒! マシュの盾を基点にして召喚態勢に入ってくれ!』
「えぇい……! 簡単に言ってくれる!」

 吐き捨て、マシュの傍に転送されてきた一つの石――金平糖のような物――を掴み上げる。素早く盾を地面に置いていたマシュを労い、聖晶石とやらを盾の傍に設置する
 カルデアのシステムが作動し始めたのだろう、まばゆい光が巻き起こり、莫大な魔力が集束していく。
 来る、と信じがたい思いと共に驚きを飲み込む。この感覚は識っていた。サーヴァントが召喚されてくる――

 やがて、光が収まり、俺に新たな繋がりができたことを悟る。
 光の中、立ち上がったのは深紅のフードを被った、細身の男。ロマニとの通信が途絶えたのと同時に、サーヴァントは涸れた声を発した。

「アサシンのサーヴァント、召喚に応じ参上した。……やれやれ、ろくな状況じゃなさそうだ」

 凍りついたのは、俺だった。この、声は――

「説明を、マスター。無駄口はいらない。合理的に、端的に頼む。僕は今、どうすればいい」

 それは、いつか見た、男との再会だった。
 






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