これが漢の戦車道 D
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
鹿次だけが正体を知っているらしい奇妙な女性軍、表向きは女子プロリーグの二軍補欠というふれこみの女子戦車隊も、それぞれの戦車に向かった。
小娘悪魔は、毎度おなじみA41第12号車7.92mmペサ機銃つきダークグレーゾーンに戻り、ハッチから砲塔に滑り込む。
「いくら相手が中級戦車といっても、こちらは少数。
囲まれてタコ殴りされたら、不覚をとるかも知れないわ」
砲手はベリーショートカットの後ろから見たら男に見えるかも知れない女。
「ふっ」と笑うと、くちゃくちゃと行儀悪くガムを噛んでいる。
17パウンダーの扱いに関しては、右に出るものはいないかも知れない。
「シャーマン3両でパンター一個中隊を全滅させる人が言うんだから、肝に銘じとくよ」
ローダーは小娘悪魔とたいして変わらない体格。ただしツインテール。
20kgを超える17ポンドの徹甲弾を、片手でもてあそんでいる。
「ああ、できたらガンナーとドライバーに、次の標的の概略位置の指図もおねがい。
私は全体指揮をとるわ」
じゃんけん無敵のローダーは、空間認識力も飛び抜けている。
「リアルNT」と呼ぶ者もいる。ほかにもいろいろできるが、とりあえず戦車道には関係ない。
重要なのは、このチビガリが何かと車長を兼任できる無能な怠け者兼有能な働き者だということだ。
「角谷ぃ〜、方位だけ言ってくれればいいよ〜」
ドライバーはツインドリルテールの目立つ、陽気な女。
しかし、彼女は最優秀ドライバーを多数擁することで知られるチームのトップリーダー。
いずれは「日本最速の戦車ドライバー」と呼ばれることになるかも知れない。
「情報収集なら……」
そう言いかけた通信手を、小娘悪魔がさえぎる。
「私の勘の方が確かよ」
ぴしゃりと言われてしゅんとなった通信手は、短いツインテにそばかすがあった……。
「お疲れ様です。隊長」
「やりなれんことをこなすと、げっそり疲れるな」
ショートボブの砲手が、脳みそ筋肉と変態に言われた「まほ」なる人物をねぎらっている。
「しかしあいつ、悪魔憑きだったとはな。
いや、悪魔そのものか」
西住まほは、自分に割り当てられた戦車の中を見て嘆息する。
「あのときこれに乗っていれば、みほに後れをとらずにすんだかもな……」
「華さん。この戦車砲は75mmといってもラインメタルとシェコダが協力してつくった新型よ。
1,500mまではほぼ零距離といっていいわ」
標準的中戦車とかにもどってきた少佐カットは、さっきまでのおろおろぶりから一転してキビキビとクルーたちに指示を出す。
「優花里さん
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ