暁 〜小説投稿サイト〜
モンスターハンター 〜故郷なきクルセイダー〜
第8話 絶望を払う剣
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た落とし穴が、ようやく効果を発揮したのだ。大猪の重量に負けた蓑があっけなく崩れ落ちていく。
 その蓑に隠された穴に落ちた巨体を――三人の剣士が一斉に包囲した。

「ぬぅああぁあぁッ!」

 デンホルムの、渾身の力を溜め込んだ一撃が振り下ろされ。

「てぇあぁああッ!」

 アダイトの矢継ぎ早の斬撃が、灰色の肉を切り刻み。
 ――そして。

「……はぁぁああぁあッ!」

 クサンテの両手に握られた剣から放つ――鬼人の如き斬撃の嵐。その迅風の剣閃が、ドスファンゴの顔面を刻み――残された最後の角が、切り落とされた。

「ブモオォオォォオォォォオッ!」
「うっ……!?」
「まずい! みんな、下がれ!」

 その直後。激昂したように暴れ出すドスファンゴの暴威に、三人は咄嗟にその場から飛び退いた。全ての角が失われ、牙をもがれたドスファンゴは――足を震わせながら、落とし穴から這い出るのだった。

「ここまで攻めても倒せないの……!?」

 尋常ならざるタフさに、クサンテとデンホルムは息を飲む。だが――アダイトの表情は涼しい。

「いや……終わりだ」

 まるで。次の瞬間に――ドスファンゴが倒れ伏していく未来を、予見していたかのように。

「や、やった……のか?」
「アダルバート様の……仇を……!」

 ピクリとも動かなくなったドスファンゴを見下ろし、クサンテとデンホルムは信じられない、といった面持ちで互いに顔を見合わせる。
 やがて、クサンテは答えを求めるようにアダイトの方を振り返り――彼の、穏やかな笑みを浮かべての頷きを見て。ようやく、確信するのだった。

 戦いは――終わったのだと。

「……やったぁああ! 私、やった……やったよっ……!」
「や、やりましたな、姫様……! ぐすっ、このデンホルム・ファルガム……感激の極みでありまずッ……! これで、坊ちゃまの御霊も浮かばれましょうぞ……!」

 クサンテは感情を爆発させるが如く、泣き喚きながらアダイトの胸に飛び込み――デンホルムも、両膝をついて号泣するのだった。

「アダイトもっ……無事でよかったぁあ……! 心配、したんだからぁあぁあ……!」
「ははは、おいらはそう簡単には死なないさ。それより――」
「……?」

 そんな彼女達を微笑ましげに見守りつつ、アダイトは剥ぎ取り用のナイフを手に、ドスファンゴの骸に歩み寄る。そして――その肉を、ゆっくりと切り裂いて行った。

「――仇は討ったんだ。死んでしまえば、憎しみも何も無い。なら、こいつの命をおいら達に活かしてやろう。そうすればきっと、こいつも浮かばれる」
「……ぐすっ。そう、ね……」

 そんな彼に同調するように、クサンテもナイフを手に骸に近づいて行く。そんな彼ら二人
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