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モンスターハンター 〜故郷なきクルセイダー〜
第8話 絶望を払う剣
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女は――夢を見るのだった。

 死んだはずの男が。崖から転落し、命を落としたはずの、騎士が。
 幼き日の絶望を払うように――少女の前に、再び姿を現したのである。

「う、そ……うそ、よ。なんで、なんで……!」
「悪いね。おいらの鎧は、ちょっと特別なんだ」
「ま、さか……その装備は……!」

 ドスファンゴの突進を、円形の鉄の盾で受け止め――姫君を守り抜いている騎士は。不敵な笑みを浮かべ、大猪を睨みつけている。

 ハンターシリーズで上位種のブルファンゴの突進を受けた上、崖から転落。それほどのダメージを負ってなお、生きて戦線に復帰している。
 その上、ハンターナイフの盾で上位種のドスファンゴの体当たりを受け止めてもいた。――本来なら、まず不可能。
 ならば、可能性はひとつ。

「そう。おいらの装備は、上位系統のハンターSシリーズ。そしてこの剣はハンターナイフじゃない。こいつは――」

 その可能性を、帰ってきた騎士――アダイト・クロスターが顕現させた。ドスファンゴの片方の角を、反撃の一閃で斬り落としたことで。

「ブモ……オォォオォオッ!?」

「――オデッセイだ」

 ハンターSシリーズ。オデッセイ。いずれも、上位の戦域でしか手に入らない装備だ。上位に上がりたてで、未だに下位装備しか持ち合わせていないクサンテ達とは格が違う。
 彼の手にある剣の名を知り、クサンテはようやくそれを悟るのだった。彼はずっと――本気で戦ってきたのだと。

(それなのに私達は――勝手に誤解して……!)
「さぁ、クサンテさん。悔いるのは後だ。今は――勝ちに行こうぜ!」
「……ええっ!」

 そんな自分の胸中を見抜いた上で、それでも朗らかな笑みを浮かべて、彼は手を差し伸べる。その手を握った瞬間、少女は夢ではないことを温もりから知り――涙を溢れさせながら、強く頷いて見せた。
 今は、泣いている時じゃない。立ち上がる時なのだ――と。

「さて。おーい、起きなよデンホルムさん!」
「んっ……わ、私は何を――ハッ!? い、生きておったのか!? アダイト殿!」
「勝手に殺さないでくれないかな!? ……とにかく、一気に反撃に移るぜ! 出遅れないでくれよ!」
「むっ……侮るなかれ! そちらこそ、もう崖から落ちるでないぞ!」

 さらに、アダイトの叫びにデンホルムも目を覚まし――三人はついに、体制を立て直すことに成功するのだった。

「ブモオォオォオッ!」

 そして――片方の角を折られたドスファンゴが、怒りを噴き出しながら三人目掛けて直進していく。さながら、生きる砲弾のように。
 だが……その快進撃は、思わぬところで終わりを告げた。

「ブモォオッ!?」
「掛かったなァッ!」

 初めにアダイトが仕掛けてい
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