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転生者の珍妙な冒険

作者:yasao
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全力でやった。後悔しかしていない

 
前書き
始めて感想を貰いました。
凄く嬉しかったです!! 

 
取りあえず、俺は勝った。
オッサンに勝った。
だが、その被害は甚大だった。

「あぁっ、フォードさん大丈夫ですか!!?」
オッサンは背骨が完全に折れたんだろう、有り得んくらい海老反りになってぶっ倒れてる。
「って、ヨシュアさんも右腕、大怪我じゃないですか!!」
俺だって、完治してなかったのに大技撃ったもんだから、右腕がズダズダだ。これは波紋の呼吸法だけじゃあ治せないな。
「いや、大丈夫だ。俺は自分の持ってるスキルの効果で、簡単な治療と痛みを和らげる事が出来るからな。それより、さっさとオッサンを病院に連れて行こうぜ。」

その後、オッサンは入院することになり、俺も腕の骨が治癒魔法で完全に癒える為に病院に一泊することになった。
テッドに心配させないように張り切ったんだが、テッドには涙目で怒られてしまった。畜生・・・。















さて、翌日。
医者曰く、俺の腕の骨は完全に繋がったからもう退院していいそうだ。流石異世界、治るのが早い。
まぁ、戦闘は絶対にダメなんだそうだが、そこはアレだ、波紋の呼吸法を使ったら完治しそうな所で使って完治させたから大丈夫だ。
なんだけど・・・・。
「なぁテッド、お前何で俺について来るんだ?」
「ヨシュアさん1人にしたら、どんな無茶するか分かりませんよ。昨日も腕があんな状態だったのに、無茶して大技使うし・・・。だから私が見張って、ヨシュアさんが無理しないようにします!!」
ってな感じでテッドが離れてくれない。
俺のスキル(って事にしといた)を説明して、大丈夫なんだって事を証明してもまだついて来る。
まぁ、特に戦闘とかするわけでもないからいいんだがね。
「ヨシュアさん、今日は何処に行くんですか?」
「ん? 登録を終わらせるんだよ。魔法適性の検査だけが終わってなかったからな。」
「あぁ、そう言えば1日待たないと完全に完了するんじゃ無かったですもんね。」
そんな会話をしながらギルドに着く。
中に入ると、冒険者や職員が一斉に俺の方を見た。何だ・・・?
取りあえず受付に行くと、昨日と同じ受け付けの女の人がこんな事を・・・。

「おはようございます。ところで貴方、昨日『千刃覇王のタルタス』と戦って勝ったそうですね?」
成程、その話が既に噂になってたのね・・・。
「まぁ、確かにオッサンが変な言いがかりつけて来たから倒しましたけど、問題あったッスか?」
「いえ、当方としては冒険者同士の諍いには基本的に不干渉なので問題は無いんですが、フォードさんにはそれなりに信奉してらっしゃる冒険者もおられるので・・・。」
成程、だからオッサンにあそこまで大怪我負わせた俺は恨みを買うかもしれんって訳か。
「まぁ、その程度大丈夫ですよ。それよりさっさと登録終わらせましょう。」
「そうですね。何かあってもA+ランクの冒険者ですし、よっぽどのことが無い限りは怪我すらしないでしょう。それでは、こちらがギルドカードになります。このカードでギルド内の銀行であるギルドバンクを利用出来る他、様々な特典がございます。」
そう言って渡されたカードを受け取る。
後で聞いた話だと、その他の特典として、ギルドの紋章が店先についてる店なら、ランクに応じて商品やサービスが割引になるらしい。1番低いDでも1割引きはされるらしいから、俺くらいだと半額かな?
「ただ、カードは1人1枚、失くしたら再発行は不可能で、再登録することになります。また、ギルドバンクのお金もその時点で全額ギルドに寄付することになります。お気を付け下さい。」
そりゃ怖い。
再発行で金取られるのも嫌だが、コッチの方が処置重いな・・・。
ま、失くさないから大丈夫だけど。
「それでは、カードをご確認ください。何か不備があれば申し付けて下さいね?」
そう言われてカードを見る。
上から2番目のランクだからか、テッドのカード(見せてもらったら黒色だった)と色が違って銀色だ。そこに、どうやって撮ったのか俺の顔写真が載ってあり、他にはランクとか名前とか身長とか、最初に記入してたのが入ってる。スキル欄は空白。まぁいいか。
「不備有りませんでした。」
「なら良かったです。それでは魔法適性の検査に入ります。カードの裏面にある白い部分に、自分の血を一滴垂らしてください。攻撃系統ならば赤、回復系統なら黄緑、強化系統なら青、適性が無ければ黒、それ以外の何か特殊な魔法に適性があるなら白のままです。」
何か気になるワードが出てきた。特殊って何じゃ?
そう思ってたら、俺の表情を読んだのかマニュアル通りの説明してるのか、女の人は説明してくれた。
「特殊な魔法と言うのは本当に千差万別で、召喚魔術や幻惑魔術もこれに入ります。中には、昨日言ったゴッドハンドの森羅万象を操る魔法のように、個人や特定の団体でなければ使えないような魔法もあります。」
「はぁ、成程~・・・。」
そう相槌を打って血を垂らす。結果は・・・・・・・。


「黒、か・・・・。」
「ざ、残念でしたね・・・。まぁ、魔法が使えない人なんて結構いますから、気を落とさないでくださいね?」
そう言って励ましてくれるギルドの受付さん。優しいなぁ・・・。
と、その時。
「おいネーナ。何で男と話してるんだ?」
そう言って現れたのは、明らかに高価そうな服に身を包んだ男。杖も持ってるし、一応此処の冒険者で魔法使いとか言った感じかな?
兎に角、その男に声をかけられた受付の人(ネーナって名前らしい)は少し表情を暗くした。
「お、おはようございます、ナイン・R・ジェリア男爵・・・。」
「あぁおはよう。で、何で男と話してるんだ? お前は僕の婚約者で、他の男と話すのは認められていないだろう?」
いつぞやのオッサンの時のように、またハブられる俺。まぁいいんだけどね・・・・。
てか、この男爵とかいう男、これやってんのDVの一種だよな?
いや待てよ、この世界ではそーゆー男尊女卑なのか?
「なぁテッド、あの男のあの態度ってこの国じゃあ普通なのか?」
「そんな訳ないじゃないですか!! どう考えてもアレはDVですよ!!」
「デスヨネ~・・・。」
何か、しょげてるネーナさんにメッチャ説教した後にビンタしてるし・・・。何か腹立つな・・・。
あ、こっち来た。俺じゃ無くてテッド見てるけど・・・。
「君、美しいな。名前はなんていうんだ?」



・・・・・・・は?
何か、さっきまで婚約者が他の男と話してただけで怒ってた奴が、その婚約者の目の前で他の女を口説いてるんだが・・・?
「え・・・、いや・・・・その・・・・・・。」
「良いじゃないか。よし、君は僕の妾にしてあげるよ。」
アレ、そろそろ怒っていいよな・・・?
「えっと、さっきの受付のお姉さんは・・・・・。」
「あぁ、彼女かい? あんな他の男と話すような女なんていらないさ。捨ててしまうよ。」
よし、殴ろう★
思うが早いか、俺は椅子から跳躍し、呆気にとられてる男の顔面に・・・。
「波紋ズームパンチ!!!」
「おごぉっ!!!?」
男は奇妙な声を上げて吹っ飛んだ。「おごぉっ」って・・・、ザマァ!!!
「だ、駄目ですよヨシュアさん!! フォードさんと戦った時の腕の傷が悪くなったらどうするんですか!?」
自分に集ったナンパ男を排除したのに、テッドは不満みたいだ、まぁ謝っとこう。
「あぁスマンスマン。次は手を使わないよ。」
「それでも喧嘩はするんですか!!?」
そんな若干漫才臭いやり取りをしてたら、さっきの男が戻って来た。丈夫ね~・・・。
「き、貴様、何をする!! 僕はこの街の領主だぞ!?」
「あぁそうかい。だけど、俺からしたら関係ないねぇ・・・。」
さて、ちょっとくらい格好つけてもいいよね?
「アンタがどんなに偉かろうが、昨日此処に来たばかりの俺からしたらアンタは俺の大事なダチにナンパして、俺に良くしてくれたお嬢さんにビンタしたクソ野郎だ。だから、俺はお前を許さんよ!!」
そう言ってジョジョ立ち。
それはもう思いっきり、ポルナレフや承太郎のように勇ましく立った、全力で。

「・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」

上から順に、男、ネーナさん、テッドだ。
畜生、こんなスベるんなら全力でやるんじゃなかった・・・・。
「ふんっ、格好つけるのは勝手だが、僕は霧を起こす特殊系統の魔法が使える! そしてその霧の中では僕の視界以外は遮られるんだ! 君には絶対勝てないよ!!」
「へぇ、そりゃあ良かった。」
もういい、ここまで来たら最後までキッチリ格好つけてやる。どんなにスベっても!!
「どういうことだ?」


「何、大した事じゃない。今の『手が使えない俺』には、その霧はきっと上手く動いてくれるだろうなって思っただけだよ・・・・。」 
 

 
後書き
夜集阿 聖斗
身長175cm
体重60kg
ギルドランク:A+
所持金9990万ペリ
魔法適性不明
ジョブ『格闘家』『奇術師』
スキル:波紋の呼吸法(常時発動)
    《派生》波紋カッター
        波紋ズームパンチ
        波紋疾走(オーバードライブ)
        銀色の波紋疾走(メタルシルバーオーバードライブ)
    スタンド「タロット大アルカナ」【0番「愚者」の暗示する『 愚者(ザ・フール)』】
                   【4番「皇帝」の暗示する『 皇帝(エンペラー)』】
                   【7番「戦車」の暗示する『 銀の戦車(シルバーチャリオッツ)』】
                   【21番「世界」の暗示する『世界(ザ・ワールド)』】


サリナ・テッド
身長160cm
体重50kg
ギルドランク:C
所持金5万ペリ
魔法適性『回復』
ジョブ『騎士』
スキル不明

タルタス・フォード
身長200cm
体重100kg
ギルドランク:A
所持金1000万ペリ
魔法適性『強化』
ジョブ『重戦士』『★:ソードマスター』
スキル:金剛両断
    金剛棒・豪風
    武器庫空間 
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