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転生者の珍妙な冒険

作者:yasao
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タルカスと戦ってるジョナサンの視界はきっとこんな感じ

 
前書き
VSタルタス・フォード戦です。
前回の後書きで分かったと思いますが、タルタスもレギュラーメンバーです。

後、今回は少し長めです。 

 
『ジェリア』の街を出てすぐの所にある平原。
広く、木や岩などの障害物もなく、魔物も雑魚しかいないので街でイザコザがあった冒険者などがよく決闘の舞台にしてる場所らしい。
そんな場所に立って、オッサンと向かい合ってる訳だが・・・・、超怖い・・・。
オッサンは鎧を着こみ、身長ほどもあるデッカイ両刃剣を持ってるんだが、まるでグリスリーだ、怪物だ。何で人間からあんなオーラが出るんだよ。
「さぁ小僧、俺の用意は出来たぜ。お前もさっさと鎧と武器を着けろ!」
でもまぁ、やるしかないみたいだ。
策も無きにしもあらずだし、まぁやったるか。
「オッサン、俺は格闘家だ。武器は持たねぇよ。」
「そうかよ! なら遠慮なくいかせてもらうぜぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
そんな叫びを上げながらオッサンは両刃剣を持って突っ込んできた。
あんなデカい図体の割にスゲェ速さだ、これはマズイ!!

ズアァァァン!!

咄嗟にしゃがんだ俺の頭の上を、凄い音を立てて両刃剣が通り過ぎてった。
いや、あんなの喰らったら斬れるどころかミンチになるぞ!!
「ほぉ、よく避けたな。お前が全くの雑魚じゃねぇのは認めてやるよ。だが、まだこれからだぜぇぇぇ!!!」
ヤバいヤバい!! オッサンの両刃剣が俺が転がったほんの数ミリの所に突き刺さった、うわっ、地面割れたぞ!!?
「ヨシュアさん!! 早く降参してください!! タルタスさんはAランクの中で最もA+に近かったって言われてる冒険者なんです! いくらA+でも新米のヨシュアさんじゃやられちゃいます!! 大怪我しちゃいますよ!!」
見に来てくれてるテッドの悲鳴が聞こえる。
・・・うん、あんな可愛い子を心配とかさせたくないな。
向こうの世界じゃあ名前のせいで学校では一切モテなかったし、ちょっとは良い所見せんと。
手には、ギルドで説明する時に使った砂、よし、ちゃんといける!!
「大丈夫だ、見てなってテッド!! タロット、大アルカナは0番『愚者』の暗示するスタンド、愚者(ザ・フール)!!!」
「なんだ、お前は召喚魔術師でもあるのか? だが、そんな弱そうな犬に俺の剣は負けんよぉ!!!」
「それはどうかな。愚者(ザ・フール)、砂のドームだ!!」
俺の声で完成する砂のドーム、物理攻撃が効かない防御壁がオッサンの剣をガッチリ受け止めた。
「なんだ? 俺の剣が通らねぇ?」
オッサンの疑問の声が聴こえるが答える義理はない。そのまま止まってろ。
心の中で毒づき、俺はポケットを探る。
「お、あったあった。これで勝てるな。」
取り出したのは、真ん中に時計が入ってるキーホルダー。時計すなわち「時」、ジョジョファンなら誰でも知ってるあのスタンド、これならきっと出せるぜ!
「ははぁ、成程。この砂は物理無効でも入ってやがるな? だったら・・・・・!!」
砂のドームの効果が分かったらしいオッサンが、何やら力を溜め始めた。マズイか・・・?
「なら俺も準備だ。時計に波紋を流し込む・・・!!」

「潰れろ!! 重戦士スキル『金剛両断』!!!」
「タロット、大アルカナは21番『世界』の暗示するスタンド、世界(ザ・ワールド)!!!」

そう宣言し、俺は後方に跳んだ。
結果としてそれは正解だった。
砂のドームを破壊したオッサンの一撃(スキルとか言ったか?)は、さっきまで俺が居た場所を正確に通り過ぎ、俺の肩にカスって地面に馬鹿でかいクレーターを生成した。
「無茶苦茶な威力だな・・・・・。」
俺のカスった方の左腕はさっきから動かないし、やたら痛い。間違いなく骨が砕けてやがる。
だが、今回は俺の勝ちだな。
「ぐ・・・・・うぅ・・・・!!?」
オッサンの胴に減り込んでる、金色の腕。それは俺が地面に投げた時計、それが変化したスタンドのものだ。
世界(ザ・ワールド)、DIOの所有する第三部有数の強力なスタンド。
「その力、余すところなく見せてやるよ!! 時よ止まれ!!!!」
その瞬間、辺り一帯の色がモノトーンに変わり、俺とスタンド以外の動きが止まる。
世界(ザ・ワールド)の能力、時間停止。
その時間は5秒、決めてやるぜ!!
「やれ、世界(ザ・ワールド)!!」

『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!!!!!!!』

凄まじいラッシュがオッサンを襲い、トドメとばかりに顔面に打ち込まれた拳が減り込んだ瞬間、時間停止の効果が切れてオッサンが吹き飛ぶ。
「あ、あれ? 一体何が・・・・?」
一緒に時間停止してたテッドは何があったか理解できないみたいだな、無理もない。
「何、ちょっと俺のスタンド・・・まぁ、スキルの効果がテッドにまで行っちまってただけだ。テッドに害はないし、オッサンも倒したからもう大丈「ヨシュアさん危ない!!!」っ!?」
テッドの声に咄嗟に横に跳ぶ。俺がさっきまでいた場所に突き刺さる大斧。
当然投げたのは・・・・。

「元気だなオッサン、あのラッシュ受けて立つのか?」
「当たり前だ!! あんな何されたかも分からないような攻撃で俺が沈むかよ!!」
確かに、オッサンしぶとそうだもんな。
「だが、お前が実力者だってのは分かった。俺も本気で戦おう。」
・・・そう言えばオッサン、さっきまで持ってたの剣だけだよな。大斧なんてどこから・・・・・。
と思ったら、オッサンが何もない空間からデッカイ槍を取り出しました。
「・・・・ハァ!?」
「驚いたか!! これが俺の切り札、ソードマスタースキル『武器庫空間』だ!!」
いや、技名ダサい・・・。
しかし確かに脅威だ。あの技があれば好きなだけ武器を扱えるとかそんな感じだろう。
面倒な事に俺の世界(ザ・ワールド)は相手にスタンドが触れないと時間停止が出来ない。
愚者(ザ・フール)の砂でもガード出来無さそうだし、皇帝(エンペラー)戦車(チャリオッツ)だったらあの鎧と筋肉には傷もつけられ無さそうだ。
「やっぱり、俺が出るのね・・・。」
取りあえず世界(ザ・ワールド)は残しておく。オッサンが武器を投擲してきたら弾く為だ。
「問題はあの鎧だが・・・、まぁ波紋だったら大丈夫だろ。」
対金属の波紋もある、それ使えばダメージは与えられるし、運が良かったら鎧壊して一気に勝負を決められるかもしれん。
スタンドの出しっぱなしも精神的にキツいし、サッサと決めるか。
「よし、肩の傷も波紋の呼吸法で治った。行くか!」
取りあえずはオッサンに突貫。オッサンは槍を投げてくるが世界(ザ・ワールド)が弾く。
「どうした!! ヤケになって突っ込んできやがったか!!!」
そう言ってオッサンが取り出したのはデカい棍棒、しかも金属製・・・。
アレに俺の腕を当てるのは凄く痛そうだ。オッサンの攻撃最中にやるんだし骨も折れるだろう。
だが、俺の中で勝てる作戦がこれしか思い浮かばなかった。やるしかない!!
「まぁいい、サッサと潰れてもらおうか!! 重戦士スキル『金剛棒・豪風』!!!!!」
風が轟々音立ててる。小説とかでこの効果音は聞いたことあるけど実際にこんなの間近で聞いたのは初めてだ。
「ウラァァァァァァァァァ!!!!!!!!!」
俺に迫ってくる棍棒。当たればミンチか、それかもっと酷い・・・・。
それに俺は・・・・拳を合わせる!!!
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
棍棒と拳がぶつかった瞬間、凄い音が腕からした、骨が折れた。拳が割れて血が噴き出た。テッドの悲鳴とオッサンの「勝った!」って声が聴こえる。超痛い。だが、負けてられねぇ!!
「金属を伝わる波紋、銀色の波紋疾走(メタルシルバーオーバードライブ)!!!」
腕を流れた波紋が棍棒を伝わり、オッサンの体を打つ。
オッサンは波紋にやられて怯み、棍棒を持つ手が緩んだ。今だ!!!
「時よ止まれ!!!」
『無駄ァ!!』
「ぐふっ!?」
世界(ザ・ワールド)がオッサンのボディに拳を叩きこみ、そして再びモノトーンの世界が出来上がる。
「さぁ、やっちまえ!!」

『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!!!!』

今回はオッサンを上空に跳ね上げる。やはりと言うか何と言うか、オッサンはまだ意識があるようだ。
「だが、それでいい。オッサンのトドメは俺がさす。」
両腕に波紋を貯める。
オッサンの落下速度は丁度いい。それに意識はあっても世界(ザ・ワールド)のラッシュのせいでマトモに動けんだろう。
「さぁ、あの木を折った一撃だ。これで完全に俺の勝利だぜ。」
テッドやオッサンは見てない筈だ、俺の渾身の一撃を。

「行くぞ!! 震えるぞハート!!! 燃え尽きる程にヒーーーーート!!!!」
何かテッドの「あの声ってやっぱり」とか言う声が聴こえてきたけど無視だ!!

「ウオォォォォ!! 刻むぞ、血液のビート!!!!!!!」
オッサンの落下位置は完璧。俺の砕けた右腕は完治こそしてねぇが一発撃つくらいはどうってことない!
これで決める、オッサンこそ潰れろ!!

「仙道・波紋疾走(オーバードライブ)!!!!!!」

メキャアァァァァァァァァァァァ・・・・・!!!!

してはいけない音がオッサンの背中から響き、オッサンは吐血し、白目を剥きながら吹き飛んで落下、そのまま動かなくなった。




こうして、オッサンの妙なブチ切れから始まった戦闘は、俺の勝利で終幕したのである、チャンチャン。 
 

 
後書き
夜集阿 聖斗
身長175cm
体重60kg
ギルドランク:A+
所持金1億ペリ
魔法適性不明
ジョブ『格闘家』『奇術師』
スキル:波紋の呼吸法(常時発動)
    《派生》波紋カッター
        波紋ズームパンチ
        波紋疾走(オーバードライブ)
        銀色の波紋疾走(メタルシルバーオーバードライブ)
    スタンド「タロット大アルカナ」【0番「愚者」の暗示する『 愚者(ザ・フール)』】
                   【4番「皇帝」の暗示する『 皇帝(エンペラー)』】
                   【7番「戦車」の暗示する『 銀の戦車(シルバーチャリオッツ)』】
                   【21番「世界」の暗示する『世界(ザ・ワールド)』】


サリナ・テッド
身長160cm
体重50kg
ギルドランク:C
所持金5万ペリ
魔法適性『回復』
ジョブ『騎士』
スキル不明

タルタス・フォード
身長200cm
体重100kg
ギルドランク:A
所持金1000万ペリ
魔法適性『強化』
ジョブ『重戦士』『★:ソードマスター』
スキル:金剛両断
    金剛棒・豪風
    武器庫空間
 
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