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【遊戯王GX二次小説】最弱最強!?漆黒のデュエリスト

作者:シェーネ
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第1期
序章
  TURN5 生徒じゃありません。(後編)

オシリスレッド寮 201号室
「おーい! 瑓。」
その後学園内の探検に行くという十代と落ち込み気味の翔の声で俺は起こされた。
十代は相変わらずの熱血漢というか、ヒーローものが大好きな子供のままと言うか、
いや、悪いことではないと思うけどな
十代の励まし?で元気になった翔だが、俺的には翔の反応が正しいと思う。
「十代がポジティブすぎるのか」
思わず声に出していたらしい。
「ん?」
「な、なんでもない。」
慌てて取り繕う。
「そうだよね、これからだよね! アニ・・・・・・キ?」
十代の励ましで、ようやく復活したかに思われた翔だったが、十代はそんなことなんておかまいなしだ。
「デュエルの匂いがするぜ」
と本校舎的な建物の方へと歩き出す。
当然かのように俺の腕を掴んで、だ。
「なんで、俺を引っ張るんだよ」
(って言うか、腕掴んで引っ張るな!)
「また、ストーンデュエルしようぜ」
「嫌だっての。ストーン作るのは結構面倒なんだぞ。ってか、それ嘘だろ。今考えた理由だろ。」
「そ、そんなことねーよ」
明らかに動揺してるような声だったけど、これ以上イジメるのもカワイソウなので、
「ま、そういうことにしといてやるか」
そんなやりとりをする俺達を翔が慌てて追いかける形だ。
気がつけばデュエル場に着いていた。
「うわぁ・・・・・・最新の設備だー。いいなぁ、こんなところでデュエルしてみたいなぁ」
ようやく追い着いたらしい翔が、息を整えながらつぶやく。
「よし! じゃあ、やろうぜ」
ようやく俺の腕が解放された。
さっきと言ってることが矛盾してるじゃねーか。と突っ込みたいが、嘘を言っていることに気付いていたので、あえて突っ込むのもめんどくさい。
それに今は生憎ストーンは置いてきている。
デュエリストならデュエルディスクを持ち歩くのが当たり前みたくなっているが、ストーンは結構かさばるし。
あまり持ち歩きたくない。
別に普通のデュエルが出来ない訳じゃないので、普通のデュエルで済ませることも実はある。
じゃあ、何故この間はストーンデュエルにしたのかというと
基本的に俺の持っているデュエルディスクはストーンデュエル用に作ってもらった3絵柄って言っていいかわからないが、それだけだ。
デュエルディスクは値段は下がったとは言え、高価なものには変わりない。
実質、身元不明で現中学生の俺が、そんな高価なもの買えるわけがない。
また、社長から提案があったが、丁重にお断りした。
そんなわけで、アレを使っての通常デュエルも可能といえば可能なのだが、LPの見方とかがめんどくさくなるし、サイズが普通のより大きくなっているので、女が持つにはいささか重い。
そんな訳で俺は基本ストーンデュエルで挑むし、相手にもそれで同意してもらうことが多い。
「え、いいのかな?」
「まだ、無理だな」
「なんでだよ! オレたちここの生徒だろ!!」
翔のつぶやきに対して答えたのだが、十代はその答えが気に入らなかったらしく、反論してきた。
十代の言うことも間違ってはいないのだが
「確かにそうだが。ここは、オベリスクブルーのデュエル場だからさ」
「だからなんだよ」
寮は関係ないだろと言わんばかりの口調で十代は言うが、現時点のアカデミアは実力主義だ。
実技でどんなに天才的な手腕を発揮した十代であろうと、
オシリスレッドという落ちこぼれ層に居る内は見下されるし、批判もされる。
「苑王寺さんの言う通りだ。」
俺たち以外の声がして、振り向けばそこに居たのは十代のライバルになるであろう万丈目の取り巻き2人が立っていた。
正式な名前はあったが覚えていないので、以下取り巻き1・2と例えることにする。
「瑓、知り合いか?」
十代が耳打ちする。
しかし、さすが取り巻きというべきか、地獄耳と呆れるべきか
「え、苑王寺さんを呼び捨てだと!?」
一応年齢的には彼らの方が年上なんだが、俺が本来の姿を見たことある奴はこうして敬語だったりする。
実力主義のアカデミアではありえない話なんだが、本来の俺の姿は23歳。一応敬意を払ってくれているらしい
「うーん、知り合いと言っていいのか・・・・・・」・「万丈目さん! 聞きましたか!?」
俺が返答に迷っている間に取り巻き1が万丈目を呼んでいた。
「あぁ、聞こえている。」
客席の方から現れた万丈目はオベリスクブルーの制服を着ている。
自称カイザーこと翔の実の兄 丸藤亮の後継者らしいが、俺としては落ちぶれてからのイメージの方が強いので、むしろこの姿に新鮮味すら感じるな。
「やぁ、苑王寺くん。君からこちらへ来るとは、そこに居るドロップアウトボーイにでも引きずられて来たのかい?」
万丈目はいかにも自慢げにそう言うが、俺は初期の頃のオベリスクブルーの生徒があまり好きじゃなかったし、明日香ちゃん以外のオベリスクブルー生は極力避けていた。
その事情を知っていれば、そこまでオレ天才的だろ?みたいなドヤ顔にはならないと思うのだが・・・・・・。
もっとも、この頃の万丈目は、傲慢の塊みたいな奴だったから仕方ないか。
「そうだね。でも、そこまで自慢げに話す程のことでもないけど」
俺のツッコミに、万丈目はバツが悪そうな顔をしたが、自分で蒔いた種なので、知らん。
「ん? オレのことか?」
少し遅れて十代が反応する。
(間違っていないけど反応のタイミング違うよ!!)
と思ったが、十代なりに空気を読んでかもしれないので、突っ込まないでおく
「オレ、遊城十代。よろしくな。お前は?」
取り巻きたちが
「万丈目さんを知らないのか!?」
と騒いでいるが、無視だ無視。
「あーはいはい。その下りいいから」
このセリフ前も言った気がするな。
デジャヴだ。
「でも、瑓さん!!」
「アナタ達、何してるの?」
まだ、何か言いたそうな取り巻きの反論と同時に、現れたのはGXのヒロインの”天上院明日香”こと明日香ちゃんだ。
え、俺も一応ヒロインなんじゃないかって?
まぁ、こういう少年漫画系のに出てくる女キャラは大概ヒロイン扱いされるものだが・・・・・・・
俺自身はどっちかってと、モブでありたいんだけどね
そうはさせてくれないのが、トリップ者の悲しき運命かな
多分ポジション的にはヒロインはヒロインなんだろうけど女主人公的な感じだと思うよ。
多分。
(相変わらず厳しそうなオーラが出てるねぇ~)
第一ヒロインだったら主人公と恋愛うんたらしなきゃないでしょ?
十代は好きだけど、そういうのじゃないからね。
こう、一緒に居て楽しい男友達的な?
それに俺、現実世界では二次元に対して、ツンデレ→デレデレだったから、今思い出しても気持ち悪いしね。
「て、天上院くん!!」
万丈目がすごい驚いてるんだけど、この頃から明日香ちゃんに気があったのか?
それとも、俺にちょっかいを出してると思われて怒られるのが嫌だったのか
それと言うのも、初めて明日香ちゃんたちに会って以来なんか、姉御的なと言うか、
明日香ちゃんに対するジュンコ的な扱いを彼女たちから受けているんだよな。
下手をすれば俺、女の子化計画とかわけのわからない特別デーを勝手に作られて、今ではその日だけ女の子らしい言葉遣いとかしなきゃいけなくて、かなり苦痛なんだが。
「そろそろ各寮で歓迎会が始まる時間よ」
それを聞いて万丈目たちは即索と逃げ去って行った。
「相変わらずだね~、明日香ちゃん」
「瑓さん。もう少し相手を刺激しない返答はできないんですか?」
「あ、あははは」
怒っているというよりは呆れた感じで明日香ちゃんに言われてしまったので、乾いた笑いしか出てこない。
「全く、本来アナタが彼らとの接触を止めるべきだったんですよ」
「中2女子に無理言わないでよ」
「こんな時だけ、年下ぶらないでください」
「サーセン」
「謝る気0ですね」
なんてやり取りをしてたものだから、すっかり、翔と十代が空気に
「おい、瑓。また知り合いか?」
「うん。今度はきちんとした知り合いです。」
変なテンションのまま答えたから、敬語になったが、気にしない気にしない。
「放置してて悪かったな、3人とも自己紹介どうぞ」
なんか、お見合いの席の仲介さんの気分になりながら、その様子を見守ってたんだけどさ。
そんなに年違わないのにな・・・・・・
(ん?)
自己紹介が終わって、違和感に気づいた俺。
「あれ、十代」
「なんだ?」
「わざわざそんなこと教えてくれるなんて、ひょっとして俺に一目惚れか? とか言わないの?」
アニメだとそれで、明日香ちゃんと打ち解けるはずなんだけど
あえて十代の声真似でそう聞いたらポカンとされた。
なんか、すごく恥ずかしいんですが、死語だけどKYみたいな雰囲気になってるし
「いや、確かに親切だなとは思うけど・・・・・・」
俺が落ち込んだと思ったのか、困ったように答える十代。
「いくら、アニキでもそんなありえないこと言わないッスよ。ねぇ、アニキ」
翔もフォローするかのようなことを言って軽く正反対で余計落ち込むんですが
「ってか、・・・・・・」
あまりにもフォローが露骨すぎて逆に俺の中で何かがぷツンと
「お前らそれでも男かー!!」
「うおっ!?」・「うわっ?!」・「どうしたの瑓さん!?」
「人の好みに口出しはしたくないけどな、明日香ちゃんみたいな美人さんを見かけたら口説くのは常識だろう!!」
今思い出すと、そんな常識チャラ男にしかありません。
ってか、チャラ男にもないか
「ましてや、同じデュエリストなんだから、どうですか1デュエルくらいの口説き文句がなくてどうする!!」
支離滅裂だと自分でも思うのだが、このままだと明日香ちゃんの灯台下イベントが起きない気がして、っというか、明日香ちゃんの貴重な恋愛フラグが十代→面白い子
で終わりそうで焦ったって方が正しいかも
「・・・・・・」
ようやく吐き出し終わって、十代たちが呆気にとられる中、もう穴があったら入りたくらい恥ずかしくなって、
「先に寮に戻ってる。」
そう言い残して、逃げるようにその場をあとにした。

その後、俺の言った言葉をどう受け取ったのかはわからないが、明日香ちゃんから
【あの子面白いわね】
とメールが来た。
あの子とは多分、いや間違いなく十代のことだろう。
しかし、その後すぐ歓迎会が始まってしまった為、一体あのあと何が起こったのかは分からず終いだ。
あ、ちなみの歓迎会は俺もレッド寮のに参加してます。
まぁ、住んでるのがレッド寮だからね。
 
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