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オズのモジャボロ

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第十幕その四

「どう思うかしら」
「ううん、もっとオズの国を見ていたいですし」
「スクーグラー族の国までの道中も」
「どうした場所か見て回りたいです」
「それにやっぱりガーゴイルさん達に迷惑かけますから」
「別にいいです」
「そうしたことはしてもらわなくても」
「そうなのね、じゃあね」
 皆歩いていくと言うのでした、その皆の意見を聞いてからえです。
 ドロシーは王様に向きなおってです、こう答えました。
「折角の申し出だけれど」
「そうか、歩いていくか」
「ええ、そうさせてもらうわ」
「ならいい」
 それならと答えた王様でした。
「私は後でエメラルドの都に向かおう」
「そうしてね。じゃあ私達はね」
「歩いてスクーグラーの国に行くか」
「そうさせてもらうわ」
「道中楽しまんことを」
 王様は一行にこう言いました。
「それでは」
「ええ、今度はエメラルドの都でね」
「再会を」
 こうしてでした、ガーゴイルの王様にも招待状を渡した一行はガーゴイル達とも一時の別れの言葉を交えてでした。
 そうしてです、今度はスクーグラーの国に向かうのでした。
 その道中です、神宝はしみじみとした口調でこんなことを言いました。
「最初は怖かったけれど」
「ガーゴイルの人達がだね」
「うん、平和だったね」
 こうトトに答えます。
「そうだったね」
「だからあの人達もね」
「変わったんだね」
「平和になったんだ」
「あれだけ怖かったのに」
 それが、というのです。
「変わったね」
「本当にね、ドロシーさん達に聞いても」
 今度はジョージが言いました。
「出て来た時はびくってしたよ」
「怖かったんだ」
 トトはジョージにも応えました。
「そうだったんだ」
「そうだよ、ドロシーさん達がいたから頼りにしてたけれど」
 ドロシー達が嘘を言わないからです。
「それでも怖かったよ」
「まあ初対面だったしね」
「怖い話だけしか聞いてなくてね」
「そうそう、実際に静かになったガーゴイル達を見ていなかったし」
 こうも言う神宝でした。
「怖かったね」
「無意識のうちにね」
 身構えてしまうとです、また言った神宝でした。
「そうなったよ」
「正直スクーグラーはもっと怖いかな」
 カルロスはこれから会う彼等のことを言いました。
「あの人達は」
「スクーグラーね」
「顔が二つあるんだよね」
「そうそう、はっきり二色に分かれてるよ」 
 カルロスにもお話するトトでした。
「それぞれのお顔でね」
「しかも昔は」
「ドロシー達を食べようとしたよ」
「それが怖いんだよ」
 食べられると思うとでした。
「今は違うって言われてても」
「だから今はスクーグラー族も静かになったから」
「オズの国の住人になったからだね」
「安心していいよ」
 別に食べられたりしないというのです。 
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