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オズのモジャボロ

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第十幕その五

「安心していいよ」
「それなら」
「そう、安心してね」
 まさにというのでした。
「このことは」
「それならね」
「まあ顔は今でも怖いかな」
 トトはこのことも言いました。
「あの人達は」
「けれど怖いのは顔だけなんだ」
「今はね」
 それ以外はというのです。
「至って静かになったから」
「それなら」
「そう、楽しんでいこう」
 スクーグラーの国に行ってもというのです。
「少なくともジンクスランドみたいなことにはならないよ」
「ああ、レイコク王ね」
 恵梨香はジンクスランドと聞いてこの王様の名前を出しました。
「あの王様は酷かったわね」
「私あの人とは直接会っていないけれど」
 それでもだと言うドロシーでした。
「とんでもない人だったわね」
「今はもう何の力もないんですよね」
「ええ、ないわ」
 王様でなくなってからというのです。
「もうね」
「そうなってよかったですね」
「本当にね」
 ドロシーはしみじみとして恵梨香達に話しました。
「悪い魔女達のことも」
「カツタメですね」
「オズの国といっても色々な国があってね」
「ごくごく稀に悪い人もいますか」
「ええ、いい人達が殆どだけれど」 
 それでもだというのです。
「中にはそうした人もいるから」
「何とかしないといけないんですね」
「そのことがわかればね」
 すぐにというのです。
「実際にそうしているわ」
「オズマ姫がですね」
「そう、グリンダもいるから」
 オズの国はこの人達がいつもオズの国で何が起こっているのかオズの国のあらゆることが映し出される鏡や自然に記録される本で確かめています、だからよからぬ人達のこともわかるのです。このことは実際にです。
「そしてその揉めごとを解決する為にね
「その為にですね」
「そう、私達がそこにいって物事を解決するのよ」
「ジンクスランドではかかしさんが行かれて」
「そうよ、トロット達を助けたのよ」
 これがかつてのかかしの冒険の一つでした。
「危ないところもあったけれど」
「助かりましたね」
「そうなってよかったわ」
 ドロシーは微笑んで恵梨香と他の子供達にお話します。
「私後で聞いてかかしさんも皆も無事でよかったって思ってるから」
「そうですね、レイコク王なんかにやられないで」
「よかったわ」
「そういえばそのジンクスランドも」
 カルロスがここで言うことはといいますと。
「今は普通に行き来できますよね」
「うん、確かにあの国は高い山脈に面しているけれどね」
 モジャボロがカルロスの問いに答えます。
「それでも今は砂漠、あの国のすぐ前のね」
「それがずっと向こうにいったから」
「そう、山脈を回ってね」
 そうしてというのです。
「前から入ることが出来るよ」
「そうですよね」
「そうだよ。そうそう、あの国の王様と女王様だけれど」
 ボン王、そしてグロリア女王です。
「あの国にも招待状がいっているよ」
「あの国には誰が行ったんですか?」
「ボン王とグロリア女王のところには」
「かかしさんと木樵さんが行ったよ、臆病ライオン君と一緒にね」
 こうジョージと神宝にお話します。
「あの人達がね」
「ああ、オズの国の名士の人達が」
「行かれたんですか」
「かかしさんはあの国と縁があるからね」
 このことからというのです。 
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