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改正版 後悔先に立たず、後に立つべし

作者:天竜光魔
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25話

 カザハラ所長から通信が掛かって来たので、秘密基地に来ました。
 ここでなら、画面越しで話す事が出来るためです。
 そして、ノエルに通信システムを起動するように言います。
 そうすると、カザハラ所長の顔が画面に浮かびます。

「どうされたのですか、カザハラ所長。平行世界の歴史のデータも渡しましたし、フェリオの治療しましたが、何か問題でもありましたか?」
『フェリオについては全く問題が無い。それよりも、歴史に関するデータの事なんだが、5L戦役の事までは書いてあったんだが、所々抜けている事があるのだがどういう事だい。』
「データのサルベージが出来ているところだけですから、どうしても抜けてしまう事がでてきてしまいます。(実際は不確定要素が大き過ぎて話せない事が多々ありますし、どの時期に起こるのかわからない事もあります。それに、成長する為には試練として重要なものもあり、防ぐことによりデメリットが大きすぎるものもあるので教えることが出来ないものもあります。そのために、犠牲になるものもあるのも事実ですが。)」
『仕方ないか、事故によって、今いる世界に来たんだったな。残念だ。』
「全てがわかってしまっては、もし、記されていない事が起きてしまった場合に臨機応変な対応が出来なくなってしまうので、これぐらいの方がいいのでは無いですか。」

 そう、カザハラ所長に伝えるとカザハラ所長も頷きます。

「確かに、そうかもしれない。所詮は平行世界の歴史だからな。信じすぎる事は危険か。」
 
 その言葉に対して、頷きます。

『それで聞きたいのだが、裏切者にハンス・ヴィーバーがおり、極東方面軍伊豆基地でスパイ行動をしているというのは本当かい。』
「そちらの世界では、どうかはわかりませんが、私のいた世界ではデータを見る限り、そうだとしか言えないのですが。」
『確かにそのとうりだ。しかし、どうしたものか。』
「それを探るのにちょうどいい事件があります。ビルトラプターの墜落事件です。その事件で、もし、彼が私のいた世界と同じように無茶な命令を出したら黒ですね。」

 それに対して、カザハラ所長は沈黙し、熟考している。

『いくら、技術を尽くしても、墜落した際に絶対助かる保証は無い。危険すぎる判断だ。』
「そのとうりですね。」
『それしかないのか、パイロットの命を掛けるしか。』
「いいえ、もう1つありますが。」
『それは、何だい!』
「簡単ですよ。ビルトラプターの変形機能の問題点を解決する事が出来なかったので起きたのですから、その問題点を解決して、その事をハンス中佐に気が付かれずにビルトラプター試験を行う事です。」

 そう、カザハラ所長に伝えるとぽか~んとなり、急に笑い出しました。

「何か私はおかしい事を言いましたか。」
『ははははぁはぁ!違うんだ、私は自分がなんでこんな簡単な事に気が付かないのに専門家でもない素人の君が気が付いた事がおかしくてね。確かにそのとうりだ。ハンスの無茶な命令に対応する事の出来る様にすればいいのだな。』
「私が言った事は開発の苦労をほとんど何もわからない男が言った事です。気にしないでください。」
『だが、もっともな意見だ。事実として完成していれば何も問題が無い。』
「出来ますか。」
『難しい事は確かな事だ。だが、パイロットの命の危険をなくし、ハンスが裏切者か確認するには、それが一番な事は事実だよ。』
「ですが、ビルトラプター自体にも仕掛けをするかもしれませんよ。」

 ある可能性をカザハラ所長に伝えると頷かれる。

『確かに、やりそうなことだ。元々、欠陥があったからな、そちらの歴史ではその事を突かれて、墜落事故を起こしたのだからな。だから、失敗させる事が目的なら機体自体にも細工をするのは確実か。』

 そこで、私は提案します。
 もともと、ビルトラプターはタイプLとタイプRの2体が製作されていました。
 試験に使われたのはタイプLでその試験で事故を起こし大破したために、組み立て途中のタイプRの
パーツを使用した為にタイプRは抹消されてしまいました。
 ですから、こちらでジェイル、ロイド、セシルさんにタイプRを改修して貰う事も可能でしょう。
 こちらとしても、変形機能のあるPTのビルトラプターデータを取ることができ、かなりのメリットがあるためです。
 そのために、カザハラ所長にその事を話しました。

『なるほど、確かに両方にメリットがある話だ。しかし、そちらばかりに任せるのはちょっとな。』
「なら、カザハラ所長も夜だけでもこちらに来て、作業を手伝ったらどうですか。私が居れば移動時間は掛かりませんから。」
『リンに相談してみよう。実験まで1カ月程しかないからな。急いだ方がいいだろう。』
「そうですね、準備はしておきます。」
『すまんな、こんな事に巻き込んで。』
「いいですよ。こちらにもメリットがありますから。」
『そう言うところは、抜け目がないな。』
「私達が置かれている状況は結構危機的状況ですから。これくらい出来ないと生き残れませんよ。」
『そうかな、戦力としては十分じゃないか。KMFのデータは見せて貰ったが装甲が紙だろ。こちらから見て。』
「確かにそうですが、メンバーが少なすぎます。これでは、まともに治安維持も出来ませんし、占領してからすり寄ってくるものなど信用できません。また、地域の感情を無視して、その地域を占領しても反発が出てきます。それに、私には支配者には向いていませんよ。」

 そう話している間に思い浮かぶのは、為政者に掛けられた責任です。
 その責任を無視して好き勝手なことをすれば、その国の民に恨まれ、最終的には滅びてしまいます。
 私には国をこうしたいという願望もありませんし、人の上に立ちたいという意志もありません。
 最終的に破綻するでしょう。
 私は個人的な感情を優先するところがありますから。

『それでも、ブリタニアという国は武力による支配を肯定する国なんだろう。君とアーニャがブリタニア皇帝に狙われているとすれば、最終的には武力衝突に発展すると思うのだが。』
「そうなるでしょうね。しかし、安心して味方に出来る国が無いという事が辛いですね。」
『ブリタニアに対抗できる国が無いというのか?』
「ブリタニアに対抗できそうな国はありますが、2つとも信用できないんですよ。1つはE.U.ですが、民衆の意見に政権が左右されすぎます。俗にいうと衆愚政治ですね。具体的な例をあげると日本がブリタニアに占領されると国民がブリタニアを恐れて、政治家は国民の意思に従って、日本人の財産全てを接収して、ゲットーに収監したんですから。あと1つが中華連邦ですが、こっちはもっとひどいですよ。上にいるものは私腹を肥やす事しか考えていませんから、民は飢えています。この国のトップは宦官で大宦官と呼ばれています。イメージして貰うとすれば、秦の趙高か、後漢の末期の十常侍をイメージしてもらえばいいと思いますよ。は~。」

 そう言うとカザハラ所長は難しい顔になります。

『それは、何と言えばいいのか。その状況では君が焦っていたのがよく分かった。』
「理解してもらえたことに喜ぶ事ができません。こちらの状況は味方がいない事は最悪ですが、月にはブリタニアも手を出せないという事を考えると幸運と言えるでしょう。そのために、状況を安全な月面基地で見れますから。」
『そうだな、ひとまず考えることが出来るからな。はははは。』
「この話はひとまず置いといていいですか、心配してくれるのはうれしいのですが、良い未来を思い浮かべることが出来なくて鬱になりそうですから。話を戻してもらっていいですか。」
『そうだな、話を戻そう。だが、君にとって、この問題は地雷だな。だが、選択しないと状況はもっと悪くなるぞ。」
「それは、理解しているのですが。(ここに更にルルーシュという問題ありますし。考えれば考えるほど鬱になります。いっそ、どこかに劇薬はないでしょうか。そうすれば、E.U.ぶち込んでやることが出来るのに。)」

 その後は、ビルトラプターを改修する為に、ビルトラプターが現在、月のマオ・インダストリー社の工場にタイプLとタイプRともにある事を聞き出し、カザハラ所長をいつ向かいに行くかを話し合いました。

「しかし、月ですか。」
『何か問題でもあるのかね?』
「そちらの世界の月には行った事が無いんですよ。だから転移出来ないと思ってどうやって行こうか思案しているんですよ。」
『どうしてだい、テレポートは無理なのかい?』
「不可能ですね。せいぜい、正確に転移するなら8kmが限界です。大雑把にテレポートする事も可能ですが、発見される可能性が高すぎてとても出来ませんよ。」
『なら移動手段はこちらで用意しよう。』
「わかりました。こちらも用意があるので失礼します。」
『わかった。リンに話を付けたら連絡する。』
「ですが、1ヵ月しかないんでしょう。急ぐ必要があるので明日には連絡してください。」
『確かにそうだな。明日連絡する。』

 そう言って、通信が途切れます。
 しかし、OGの世界はいよいよ、DC戦争への動きが加速しようとしている。
 いよいよ、戦争に参加する事になると全身に震えが走ります。
 戦争の無い世界で育ち、人殺しが道徳的に悪い事である日本で私は育ちました。
 今までの価値観が私に牙をむいて襲い掛かっています。
 それでも、自分で言いだし、決めた事なので引くわけにはいかないのですが、それでも、今までの価値観は捨てることが出来ません。

(私は人を殺すことが出来るのでしょうか。いくら強い鎧で体を覆っても心の弱さまでは隠せないか。)

 復讐のために黒い王子となったアキトに北辰が言った言葉。
 全てにおいて違いますが、サイコドライバー、エヴォリュダーという力を貰い、ウプウアウトという高性能の機体で戦場に出るというのに心の弱さまでは補う事が出来そうにありません。
 それでも、戦場に出る以上殺す事が出来なければ、私の周りの者に危険が迫ってしまいます。
 やるしかないのでしょうが、初陣に立つという事に、これほどのストレスを感じるとは思いませんでした。

(いけません、こんなことを考えるよりもジェイル達にビルトラプターの改修の件を伝えないと。)

 考える事をやめて、通信システムを起動して、月面基地に連絡を入れます。

「ノエル、こちら戒ですがジェイル達に通信を繋いでくれませんか。」
『戒、急用ですか。』
「はい、そうです。」
『では、直ぐに招集します。』

 そう言って、3人をを呼び出します。
 しばらくすると、3人がやってきした。

『なんだい、戒。今、重要な事を決めているんだ。早くしてくれないか!』
『ジェイルの言うとうりなんだ。やっと進み始めたのに。早くしてくれ!』
『ジェイルさん、ロイドさん。そんなこと言ってはいけないでしょう。』
『でも、間に合わなくなっちゃうよ!せっかくの情報収集のチャンスを逃しちゃうよ!そんなのは、ぜ~ったいダ~メ~だ!」
『そのとうりなんだ。だから、早くしてくれないかね。』
「は~、2人とも欲望に正直ですね。カザハラ所長より依頼が入りました。ビルトラプターの改修をこちらでして貰いたいという依頼です。ビルトラプターのデータを得るチャンスでしたのでこの依頼を受けるつもりです。」
『フム、今でなければ歓迎したのだがね。』
『じゃあ、セシル君に頼もう。』
『ちょっと、ロイドさん勝手なこと言わないでください。私も戦艦の製作で忙しいんです。』
『でもさ、かなり進んでるんだろう。だったらやってくれてもいいじゃない。』

 そう言って、ロイドはセシルさんにビルトラプターの改修を押し付けようとしています。
 ですが、私に中では優先順位は戦艦が一番になっているので、ジェイルとロイドに言います。

「そういうわけにもいきません。戦艦は最優先に製作しないといけませんから。ですので、セシルさんにはこのまま、戦艦の製作をしてもらいます。ビルトラプターの改修はジェイルか、ロイドにお願いしたいのですが。」
『僕?絶対だめだよ!あれは男のロマンなんだから。ぜ~ったいイ~ヤ~ダ~!」
『なら仕方がない。私がビルトラプターの改修に入ろう。』
『ほんと、うれしいな~。』
『ただし、条件がある。それを飲んでくれたらいいよ。』
「何なんですか。」
『まず一つ目はプラーナコンバーターを解析させてほしい。』
『あ、ずるい。』
「いいでしょう。」
『2つ目は基地の拡張をしてもらえないか。設計はこちらに任せてもらうがね。』
「わかりました。許可しましょう。」
『3つ目は、マオ・インダストリー社と交渉させてほしい。』
「何を交渉するというのですか。」
『いろいろと改造する事を許可して貰いたいんだよ。』
「どう改造するのかをまとめて、向こうと話し合ってください。期間内に改造できる範囲でお願いしますよ。」
『なら交渉は成立だ。ビルトラプターの改修は任せたまえ。』
「外見まで改造するのはやめてくださいね。後で交換する必要がありますから。後、カザハラ所長も手伝いに来ますよ。」
『仕方ないね。交換する必要があるんだったな。』
「これで、話は終了です。」

 その言葉の後に、それぞれが部屋を出ていき作業に戻っていきます。
 そんな光景を見ながらカザハラ所長に連絡する為に通信を再開しました。
 連絡を取ったカザハラ所長からはリン社長の許可を貰いビルトラプターのタイプRを改修する事になり、明日、月のマオ・インダストリー社の本社に向かう事になりました。

「ジェイルを連れて行かなくてはいけないので心配ですが、許可を出した手前止める事はできませんが、何とかマオ社長に頑張ってもらいましょう。」

 この問題をマオ社長に丸投げする事に決めました。 
 

 
後書き
 名前:天王寺 戒
LV:12
PP:55
格闘:174
射撃:145
技量:150
防御:174
回避:187
命中:191
SP:128
性格:冷静(超強気)
エースボーナス:???
成長タイプ:格闘・特殊
空:A
陸:A
海:B
宇:A
精神:偵察1~  
   幸運
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スキル:※エヴォリュダー(勇者LV9&底力LV9&戦意高揚)
    ※サイコドライバーLV2(念動力LV10&SP回復)
    ※完全記憶能力
     精神耐性
     ???
     ???
GP:143000
秘密基地(197/201)
撃墜数:5
 
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