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改正版 後悔先に立たず、後に立つべし

作者:天竜光魔
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24話

 カザハラ所長との交渉から3カ月経過しました。
 ガジェットを生産していた会社ですが、無事にマオ・インダストリー社に合併されるという形で吸収されました。
 初めから、イスルギ重工にスペースノア級万能戦艦のデータの代価として渡すつもりだったので、規模の拡大はあまり考えておらず、しかも、3カ月程しか時間が無かったので工場も1つしかなく、建造中の物が1件しかないのでこの様な形になりました。
 また、フェリオの治療も済ませました。
 カザハラ所長も付き添いでやってきましたが、概ね予定どうりとなりました。

~回想~
 
 今回、テスラ・ライヒ研究所に向かう時にアーニャが罠があるかもしれないと言って、一緒に着いて来ると言いだしたので、何とか着いて来ない様に説得しようと試みたのですが、説得することが出来ず、一緒に来ることになりました。
 本人曰く護衛のつもりの様です。
 いつもの様に、テスラ・ライヒ研究所の近くに転移し、偵察を使用して所長室に既定の人物しかいない事を確認して、私とアーニャはテレポートします。

「夜分失礼します。」

 私が前に出て、後ろにアーニャが立って、服を握りしめます。

「来たのか。待っていたよ。」
「約束は守りますよ。ガジェットもマオ・インダストリー社に全ての利権を譲ったでしょう。しかも、バッテリーからジェネレーターに変えたものを。」
「そうだな、しかし、君も人が悪い。わざわざ、性能を落とした物を譲り渡そうとしてたとは、かなり意地が悪い。」
「相手は死の商人ですから、こちらとしてもフルスペックの物は渡したくありませんでしたから。それに、バッテリー式でも十分に便利だったでしょう。向こうの世界でもバッテリー式でもかなり売れていますから。」
「確かに、それは同意するが良かったのかい。ジェネレーターに取り換えても。」
「あなたに対する誠意ですよ。気にしないでください。」
「そうか、まあ、知ってるだろうが顔を会すのは初めてだろう。紹介しよう。君に治療してもらいたい、フェリオ・プレスティだ。」

 何か難しい顔をした青年がカザハラ所長の隣に立っています。

「正直、色々な感情が渦巻いているんだ。僕は死ぬことを覚悟していた。そのために、夢を受け継いでくれる後継者に全てを託すつもりだったんだ。それが、カザハラ所長が骨を折ってくれて、重病人を治療し、完治して回った者が見つかり、治療してくれることになったのは純粋にうれしかったんだけど、
実際はカザハラ所長との交換条件として、僕がだしに使われたとなると喜ぶことが出来なくてね。いやむしろ、君に対する怒りとカザハラ所長への申し訳なさでいっぱいになった。君の立場も聞いたが感情が納得いかないんだ。」
「確かに、私はあなたを利用した。それは、まぎれもない事実です。否定はしませんし、私自身が非道な行いをしている意識がありますが、後悔はしていません。貴方からの罵倒は受けましょう。ですが、これからも、周りの者の為にこのような行為をする事になっても躊躇わないでしょう。」
「しかし「うるさい、戒の事知りもしない癖に、こちらの状況もわからないのに、好き勝手言わないで!」彼女は誰なんですか。」

 フェリオが戸惑い気味に私に尋ねます。
 アーニャは涙を浮かべながらフェリオをにらんでいます。
 そのために、私はカザハラ所長と話します。

「彼女の名前は、アーニャ・アールストレイム。私が全てを奪ってしまった守らなければならない人の1人です。」
「そんなことない、私の所為があんな事を願わなかったら、戒がブリタニアと敵対する事なんてなかっし、死に掛ける事もなかった。全部、私の所為。そうしたら、もっとうまく立ち回れたはずだから。」

 そう言って、そう言って泣き崩れます。

「なんか、実年齢より幼く感じるな。」
「いつもはそうでもないですが、今日は私が責められているからでしょうね。でも、実際は見た目がおかしいんですよ。」
「どういう事だい。」
「彼女は実年齢は11歳ですよ。」
「はははは、女性に対して年齢の冗談は言ってはいけないよ。マナー違反だ。」
「冗談なら良かったんですけど。彼女は私の血液から作り出したナノマシンを自分で体の中に入れたんですよ。私に受け入れてもらう為に。その結果、急成長したのが今の彼女です。」

 その言葉の後に、今まで何があったのかをカザハラ所長に話します。
 
「なるほど、君は稼働して2年しかたっておらず、たまたま、出会った少女が壊れそうだったから、助けるために、悪霊みたいなのを払ったら一番の軍事大国の妃の霊でその事をその国の皇帝も知っていた。なし崩しで敵対する事になったという事か。」
「そうですね、概ね、そんな感じです。」
「奇特な人生歩んでるな、君は。」
「生まれは選べませんでしたが、その後は自分で選んだことの結果です。責任を取るしかないでしょう。」

 そう言って、泣いて謝っているアーニャの頭を撫でます。

「彼女はいつも我慢していたんだろう。君が必死になって守ろうとしていたから、でも、無理をする君を見ているのが、辛かったんだろう。そして、今度は君が自分の心に反してまで、行動し、自分たちを守ろうとするのが、彼女には耐えられなかったんだろう。体が成長しても経験までは補うことが出来ないからな。」
「私自身、焦っていたのでしょうか。私は守る事が出来れば、その人物に憎まれる事も嫌われる事も覚悟していました。前に言ったとうり、この世界に来たのは偶然です。PTを運用するには戦艦が要ります。ですが、そのデータが残っていなかった。1から作るには時間がかかりすぎる。ですが、いつ状況が動くか、わからない。そんな時に、来てしまった。来たことを私は幸運と取った。そのために、今回の事を計画した。幸運を逃さないために。」
「まぁ、確かに褒められたやり方ではないだろう。だが、君の欲しい情報は普通の手段では手に入らないのも事実だ。そういう意味では間違っていないだろう。ただ、周りの者ことも考えるべきだったんだろう。君自身が気付く事が無くても周りの方が気付くことなどよくある事だ。そして、彼女には常に罪の意識があった。結局なところ、罪は自分が許すことが出来ないと最終的には無くならないものだ。君自身が彼女に対して抱えているようにね。」
「僕も言いたい事はいろいろあったけど、もういいよ。毒気を抜かれてしまった。君達の事情も理解できたからね。治療をお願いしようか。」
「わかりました。」

 そうして、転移しようとするとカザハラ所長が話しかけてきます。

「付き添いで私も着いて行く。」
「私は信用できませんか。」
「そういうわけじゃないんだが、彼の恋人に頼まれたんだ。彼女にとっては得体のしれない人間だからな。」
「わかりました。2人とも手を握ってください。アーニャも捕まって。」

 そう言うと、2人が手を繋ぎ、アーニャが背中に抱き付きます。

「ち、ちょっと、アーニャ。」
「こうしたい。」
「は~仕方ないですね。いきますよ。」

 そう言って秘密基地に転移した。

~回想終了~

 いろいろ考えさせられましたが、フェリオの治療は終了し、病気は完治しました。
 こちらも、特機であるグルンガスト、ダイナミック・ゼネラル・ガーディアンのデータと宇宙戦艦のデータであるヒリュウ級汎用戦闘母艦とスペースノア級万能戦艦のデータを手に入れる事が出来ました。
 出来れば、マオ・インダストリー社の試作機のデータも欲しく思ってしまうのは人の常ですが、欲張りすぎても関係を壊してしまうのでこちらに足りなかったデータで満足します。
 何事もGIVE&TAKEが関係を続けるうえで大切です。
 また、データも2つづつ手に入れることが出来ましたので、1つ目はGPに変換して、2つ目はジェイル達には渡しました。
 GPは70万になったので、秘密基地を増設する事にしました。
 増設したのは特殊元素変換装置L、通信施設、パイロット育成装置、量産型アシュセイバー生産ラインを増設しました。
 これにより、またGPは減りましたが、量産型アシュセイバーを新しい機体として量産することができ、元素変換装置による変換量が一気に増えました。
 また、特殊な通信装置により世界間の通信をすること秘密基地からだけでなく2つの世界をまたいで通信する事が出来る様になりました。
 パイロット育成装置ですが、PPを消費してステータスを上げることが出来るようになり、100PP消費すれば、スキルのスロットを増やす事が出来る様になる為に増設しました。
 後は、残す事にしました。
 開発状況ですが、ジェイルとロイドが特機を製作し、今、現状の人数で操作できる規模の中型艇をセシルさんが設計しています。
 日々、ジェイルとロイドは口論していましたが、初めて作る特機なのでどういう物になるか不明ですが2人の様子を見る限り、不安で仕方ありませんし、きっと、コストの事は考えてくれないでしょう。
 こちらは、概ね予定どうりなのですが、1割しか完成していません。
 それに対して、セシルさんの戦艦は1人で設計してるためか、順調に製作されています。
 約三割ほど完成しています。

「それで、グルンガストの開発状態はどうなっているんですか。」
「ああ、それなんだけども、動力であるブラックホール・リアクター、TGCジョイント、VG合金などの基本的な物は決まっているんだよ。でもね、やっぱりいろいろ試したいじゃない。」
「それで、口論になって進まないのはどうかと思いますよ。ジェイル、ロイド。」
「それは、そうなんだけど・・・。」
「私もそう思うんだがお互いに譲ることが出来ないものがあってね。」
「それは、何なんですか。」
「顔の形だよ。僕は断然、虎型だよ!」
「何を言ってるんだい、鷹型に決まってるじゃない!」
(くだらない事で言い合ってるんですね。)
「今、口論しているのはそれだけですか。」
「それだけじゃないんだけどね。」
「今言い合っているのは顔の形だよ。」

 は~とため息をついてしまいます。
 そして、セシルに聞きます。

「いつもこんな感じですか、セシルさん。」
「そうね、いつもかんな感じだわ。」
「ノエル、悪いんだけど、リョウ、アヤノ、ユキヤを連れてきてくれないか。」
「わかりました。」
 
 しばらく、2人のくだらない口論を聞いていましたが、呼んでいた三人が入って来ます。

「おい、戒。呼んでるってきいたんだが。」
「ふん、何の用。」
「アヤノ、一応世話になってるんだからもう少し言い方があるだろう。」
「ユキヤ君、一応ではなく完全に世話になってるんでしょう。」
「いけない、言い間違えた。」
「そうだぞ、ユキヤ。そういうのは心の中で言うもんだ。」
「2人ともいい加減にしなさい。」
「セシルさん、良いんですよ。私の方は気にしませんから。それよりも、聞きたい事があるんです。」
「なんだ、戒。」
「この前話した平行世界の話ですが、やはり、戦争が始まります。君達三人は一応パイロットとしてここにいるのですが、参加しますか。」

 リョウ、ユキヤ、アヤノの3人に尋ねます。

「まあ、しゃあねえな。用心棒ととして雇われてるんだ。仕方ねぇ。」
「リョウが決めたんだから、従うよ。」
「みんな、養ってもらってるから協力するよ。」

 あっさり答えた事に驚きましたが、再び尋ねます。

「戦争に参加するのですがいいのですか。人の殺し合いですよ。」
「俺らはすでに通った道だからなぁ。」
「うん、今さらって感じだよ。」
「ははぁ~ん、恐いんだ。情けな~い。」

 その言葉で私は沈黙します。
 自分で決めておきながら、私は確かに恐怖を感じているからです。

「ちょっと、待て、タイムだ。ユキア、アヤノ、集まれ。」
(おい、アヤノ。どうするんだ。図星見たいだぞ。)
(まさか、こんな事になるとか、思わないよ。自分から言い出したんだから。)
(それは、そうなんだろうけど、実年齢はまだ2才だからね。いろいろ、自分で追い込むタイプみたいだから、逃げることが出来なかったみたいだ。)
(おいおい、大丈夫か。)
(その点は心配ないよ。そん時は大丈夫だ。心配なのは後だね。きっと、終わったら自己嫌悪に入るよ。この前の交渉の時みたいに。)
(ああ、交渉の時はたから見て、交渉に行った後、すごく落ち込んでた。)
(そういうところがあるからなぁ。仕方ない励ますか。)

 3人とも内緒話しているつもりなんでしょうが、聞こえてしまいます。

(しかし、あの時アーニャが付いて来たのはそういうわけだったのですね。情けない。)

 そうして、相談が終わったようなのでこちらに話し掛けようとしたので私から話しかけます。

「励まさなくても大丈夫ですよ。」
「聞こえてたのか。」

 そう言って、3人とも顔を反らします。

「いいんですよ。本当に情けない事ですから。それよりも、参加されるならリョウには機体を変えて貰う事になります。」
「それは、いいがどんな機体だ。」
「今、ジェイルとロイドが製作してる特機に乗って貰います。」
「変態とメガネがか。」
「そうですよ。ジェイルにロイド。パイロットが来たので彼に聞いたらどうですか。」

 そう言うとジェイルとロイドがリョウに掴み掛ります。

「虎型だ!」
「鷹型だ!」
「おい、何がだ。」
「もう話が終わったので連れて行っていいですよ。」
「おい、ちょっと、待ってくれ。まず、説明してくれ。」
「2人だけだと一向に進まないんだ。決めてやってあげて欲しい。」
「なるほど、いい考えだ。」
「君にも教えてあげるよ。」
「助けてくれ、なんでこんな時だけ力が強いんだ。」

 そう言って、リョウの両腕を掴み連れて行きました。
 私はリョウの無事を祈りつつ、セシルと戦艦の事を話を始めました。
 固まっている2人を置いて。
 
「戒、通信が掛かっています。」
「ノエル、誰からですか。」
「カザハラ所長からです。」
「カザハラ所長ですか。どうしたんでしょうか。」

ー用語説明ー

通信施設(サイズ5:5万GP)
 特殊な子機を使い、世界間の通信をすることが出来る。
 子機は10個付いている。

パイロット育成装置(サイズ1:2万GP)
 PPを使用する事により、ステータスを上昇させる。
 10PP使用する事により、ステータス1上昇させる。
 地形適応C→Bは100PP、B→Aは200PP、A→Sは250PP必要。
 スキルのスロットは100PP消費する事により1つ増やすことが出来る。
  
量産型アシュセイバー生産ライン(サイズ10:14万GP)
 量産型アシュセイバー1機を3週間で生産することができる。その際、OG物資を14個使用する。ただし、再現不可能な技術の場合×10される。
 
 

 
後書き
 名前:天王寺 戒
LV:12
PP:55
格闘:174
射撃:145
技量:150
防御:174
回避:187
命中:191
SP:128
性格:冷静(超強気)
エースボーナス:???
成長タイプ:格闘・特殊
空:A
陸:A
海:B
宇:A
精神:偵察1~  
   幸運
   ??
   ??
   ??
   ??
スキル:※エヴォリュダー(勇者LV9&底力LV9&戦意高揚)
    ※サイコドライバーLV2(念動力LV10&SP回復)
    ※完全記憶能力
     精神耐性
     ???
     ???
GP:143000
秘密基地(197/201)
撃墜数:5
 
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