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ハイスクールD×D 新訳 更新停止

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第3章
月光校庭のエクスカリバー
  第59話 どうしたイケメン!

 
前書き
アニメを元にしているのであの閃光と暗黒の龍絶剣(ブレイザー・シャイニング・オア・ダークネス・ブレード)総督が登場します。 

 
「狙え!兵藤を狙うんだ!」
今日は球技大会で現在は部活対抗戦のドッチボールの真っ最中。
俺達オカ研も以前イッセーが作ったオカ研刺繍のハチマキをし、気合いを入れて望んでいたのだが、相手側がイッセーにしかボールを投げていなかった。
周りの奴らの言葉を纏めると理由は以下の通り…。
部長ことリアス・グレモリー…駒王学園の二大お姉様の一人で学園アイドル…当てられない。
副部長こと姫島朱乃…同じく二大お姉様の一人で学園アイドル…当てられない。
アーシア・アルジェント…癒し系天然金髪美少女…当てられない。
塔城小猫…学園のかわいいマスコット…当てられない。
士騎千秋…文句なしのかわいい美少女で当てられないのはもちろん、当てたら兄貴が怖い…当てられない。
風間鶇…空気が和むお昼寝大好きなのんびりや美少女…当てられない。
風間燕…罵られたいナンバー1のかわいい毒舌少女…当てられない。
木場祐斗…全男子の敵のイケメン、だが当てたら女子に恨まれる…当てられない。
俺こと士騎明日夏…木場程じゃないがイケメンなので全男子の敵、だが狙ったら返り討ちされそう…当てられない。
イッセーこと兵藤一誠…学園一のスケベでイケメンでもなんでもない学園の嫌われ者…そんな奴が何故美男美女がいるオカルト研究部にいる!そこを替われ!当てても問題無いだろう! いやむしろ当てろ!野獣を殺せ!等々…当てられる。
と言った具合で相手側はイッセーしか狙わないと言う訳であった。
「クソォォォッ!!ふざけるなお前ら!!」
ま、もっとも、合宿で身に付けた回避能力を駆使して苦も無く避けるなりボールをキャッチするなりしていた。
ライザーの戦車(ルーク)のイザベラの攻撃に比べれば大した事無さすぎるだろうな。
おまけにイッセーにボールが集中している為、ボールを確保し易い事この上ない。
特に…。
『イッセー兄(君)はやらせない!』
千秋と鶇がマジになってイッセーを守るようにボールをキャッチしていた。
以前の生徒会とのドッチボールでのイッセーの負傷が余程こたえているのだろう。
「明日夏が怖くてドッチボールができるか!」
おっと、相手の一人が俺に向かって投げてきた。
「何ッ!?…グハッ!?」
俺はそれを難なく片手でキャッチし、そしてそのまま投げ返し、相手を討ち取る。
「クソッ!恨まれても良い!イケメンめぇぇぇっ!!」
別の奴が木場を標的にしていた。
周りの男子が英雄を見るかのような視線をそいつに送っていた。
まあ、木場なら普通に避けれるだろう。
……普段の木場ならな。
木場は心ここに非ずの状態で突っ立っていた。
写真の剣を見てから、木場はこのように上の空になる事が多くなっていた。
「何やってんだ木場ッ!!」
イッセーがすかさず木場の前に立ち、ボールを迎え撃つ。
だが予想外な事にボールは野球の変化球のフォークのように下にそれた。
「ッ!?」
結果、ボールはイッセーの股間にめり込んでしまった。
イッセーは股間を押さえながら蹲る。
「よしッ!野獣討ち取ったり…グハッ!?」
俺はイッセーにボールを当てた事にガッツポーズしている所にボールを当て、試合は終了した。
「……イッセー、大丈夫か?」
「……な、なんとか…」
痛そうにしてはいるが、なんとか立ち上がった。
前の会長のボールを受けて少し打たれ強くなったようだ。
……まあ、あの時と今とじゃ威力が違うだろうからな。
その後、俺達は順調に勝ち進み、決勝で生徒会に勝利して見事に優勝した。
……白熱した部長と会長が魔力を使って(……勘弁してください…)またあのスポーツとは言えない試合になってしまったが。
ちなみに木場は全試合中、心ここに非ずの状態だった。


「今日こそ契約取らねえと。木場どころかアーシアにまで抜かれてるし」
球技大会の翌日、俺は今日もチャリで依頼主の所に向かっていた。
「……にしても木場の奴、一体どうしちまったんだ?」
ここ最近、木場の奴が心ここに非ずの感じボォーッとしている事が多かった。
昨日の球技大会にしたって、全く試合に集中していなかった。
……おかげでえらいダメージを受けてしまった。
木場の様子がおかしくなったのは、ちょうど俺の家でアルバムを見てからだった。
「……あの時の木場、少しおかしかったな」
俺はあの時の木場を思い出す。
「……こんな思いもかけないところで目にするなんて…」
「何の話だ?」
「……これは聖剣だよ」
「聖剣?」
「……いや、なんでもないんだ。ありがとうイッセー君」
それからだ、あいつの様子がおかしくなったのは。
(……なんだったんだあれ?)
と、なんて考えてる内に依頼主がいるホテルに到着後した。
今は契約を取る事に集中だ!
ピンポーン。
「……また…チャイム鳴らして現れる悪魔なんてあるか!…とか言われるんだろうなぁ…」
ガチャ。
「ちわーっす。悪魔を召喚した方ですよね?ああ、おかしいと思ってますか?思ってますよね!本当はお配りしたチラシの魔方陣からドローンッて現れるんスけど、ちょっと諸事情で…」
「まあ、入ってくれよ」
「え?」
「君、悪魔なんだろう?」


「うわ、すげぇな…」
中に入れてもらった俺はソファーに座るが、あまりにもフカフカなソファーに驚いてしまった。
とても高そうであった。
部屋を見回すが、どの家具もソファー同様で高そうな物ばかりであった。
「……外国人みたいだけど、何やってる人なんだ?…」
ガチャ。
依頼主の人がお酒を持って入室してきた。
前髪が金髪の黒髪で顎に髭を生やしたワルそうな風貌なイケメン、所謂ワル系イケメンな人であった。
外国人だが浴衣を着こなしている。
「まあ、やってくれ」
「ああ、俺まだ未成年なんでぇ…」
「そうかぁ、これはしまったなぁ。酒の相手をしてほしかったんだがなぁ…」
「依頼ってそれなんですか?」
「ダメなのか?」
「ああいえ、そちらの願いを叶えて、それに見合う対価を頂ければ契約は成立しますんで」
……にしても、悪魔を召喚してまで叶えてほしい願いなのだろうか?
「あいにく今は酒しかないんだ。氷水でいいかい?」
「あ、はい」
それから数十分後…。
「フハハハハハ!!魔力が弱くて召喚された人間の下へ自転車でぇ?」
「……はぁ、まあ…」
「こりゃ傑作だ!フハハハハハ!!
(……そんなに笑われると流石にムッとするが、これも契約の為だ、我慢我慢…)。
そう思い、怒りをグッと抑え、出された氷水を口にする。
「いやぁ楽しかったよぉ!対価は何がいいんだい?」
「え?もう!」
「……悪魔だから魂とか?」
「え、まさかぁ。酒の相手くらいじゃあ、契約内容と見合いませんよぉ」
「ほぉ、意外に控え目なんだな?」
「うちの主は明朗会計がモットーなんで」
「じゃ、あれでどうだ?」
そう言って、壁に掛けてあった絵を指差す。
「複製画じゃないぞ」
「はぁ、でも結構高そうな…」
「今他に適当な物が無くてな。ダメなら魂しか…」
「え、じゃあ、絵で結構です!?」


「変な人だったなぁ。ま、契約は成立したし、これで野望に一歩近づいたぜ!ハーレム王に俺はなる!」
契約を終わらせ、俺は帰路についていた。
そうすると、ケータイの着信音が鳴った。
部長のお呼びだしであった。
俺は部長に呼び出された場所にチャリを向かわせる。


部長に呼び出された俺は、とある廃工場に来た。
「イッセー、こっちよ」
「はい」
「ごめんなさい、呼び出してしまって」
「いえ。それで、あの工場の中に…」
「……間違いなく、はぐれ悪魔の臭いです」
そう、呼び出されたのははぐれ悪魔の討伐の為だった。
「今晩中に討伐するように命令がきてしまいまして」
「それだけ危険な存在って事ね。中で戦うのは不利だわ。アーシアは後方待機」
「はい」
「朱乃と私は外で待ち構えるから、小猫と祐斗とイッセーは外に誘きだしてちょうだい」
「はい、部長」
「……はい」
「了解!赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)!!」
俺は了承すると赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を出す。
「……祐斗?」
「あ、分かりました」
反応がなかった木場を訝しげに思った部長が木場を呼び、木場が慌てて返事をしていた。
「じゃあ、行くか木場、小猫ちゃん」
「……はい」
「……ああ」
俺達は廃工場の入り口まで来た。
このメンツだとアーシアを助けに教会に攻めこんだ時の事を思い出すな。
「どんな奴かなぁ?また、化け物みたいな奴だったら…」
「えい」
ドガァッ。
「……ああ、やっぱいきなりですか…」
……あの時と同様、小猫ちゃんが問答無用と扉をぶち破ってしまった。
「……行きますよ」
「ああ」
「………」
俺達は廃工場内に入る。
辺りを見回すが何も見当たらなかった。
「何も見当たらないな?あ?」
小猫ちゃんがふと立ち止まる。
「小猫ちゃん?」
「……来ました」
小猫ちゃんの視線の先を見ると、パイプの陰にこちらを怯えた表情で見てくる女の子がいた。
しかも全裸だと!
「ええっ!」
「………あう…ギィヤァァァァァッ!!!!」
「うわぁっ!!やっぱ化け物じゃん!!」
『Boost!!』
可憐な女の子はあっという間に化け物へと変異し天井を這っていき、俺は驚きながらも倍加をスタートさせる。
「……祐斗先輩、お願いします!」
「………」
「祐斗先輩!」
「あ、ゴメ…」
ビュッ。
「うッ!?」
「あ!?」
小猫ちゃんが木場に頼むが、木場はまた、心ここに非ずの状態であり、小猫ちゃんが語気を強めて呼ぶとようやく木場が反応したところではぐれ悪魔の液体みたいなのを飛ばした攻撃が小猫ちゃんに当たってしまった。
「……ううぅ…」
「野郎!」
『Boost!!』
俺はすかさず小猫ちゃんの前に出る。
「ギィヤァァァァァッ!!!!」
『Explosion!!』
「ドラゴンショット!」
向かってくるはぐれ悪魔に向けてドラゴンショットを放つがあっさりと弾かれてしまった。
「チッ!やっぱパワーアップが足りねえか!…何ボォーッとしてんだイケメン!!」
「あ!」
俺の怒声でようやく木場が戦闘に集中しだし、はぐれ悪魔に向かって斬りかかる。
「はぁッ!!」
ズバッ。
「ギィヤァァァァァッ!?!?」
(よっしゃ、腕を斬り落とし…ってオイ!!)
木場がパイプに足を取られて膝をつきやがった!
そこへすかさずはぐれ悪魔が木場に襲い掛かる!
「あ!?」
「木場ぁぁぁッ!!」
「………シャァァァァ……」
「……グッ…」
(ヤバい!)
はぐれ悪魔が斬られてない方の腕を木場に降り下ろそうとしていた。
ズバッ。
「ギィヤァァァァァッ!?!?」
だが、降り下ろされる直前に矢みたいな物がはぐれ悪魔の腕を貫いた。
「あの矢は!」
俺は矢が飛んできた方を見た。
「千秋!」
そこには弓を構えていた千秋がいた。
「はぁッ!!」
「明日夏!」
ズバッ。
「ギィヤァァァァァッ!?!?」
そこへさらに明日夏が現れて、はぐれ悪魔のもう片方の腕を刀で斬り落とした。
「塔城、今だ!」
そこへすかさず小猫ちゃんがはぐれ悪魔の足を掴む。
「……ぶっ飛べ!」
そのまま自慢の怪力ではぐれ悪魔を上に投げ飛ばす。
ガシャァァァン。
はぐれ悪魔は天窓を突き破って廃工場の外へ出た。
バリィィィィッ。
そこを待ち構えてた朱乃さんの雷が襲う。
俺達はすぐさま廃工場の外へ出ると部長がもはや虫の息であったはぐれ悪魔に近付いていた。
「主の下を逃げ、己の欲求を満たす為に暴れまわる不貞の輩。その罪、万死に値するわ!グレモリー公爵の名において、貴女を吹き飛ばしてあげる!」
虫の息であったはぐれ悪魔を部長の魔力が包み込み、跡形もなく消し去ってしまった。
「やった!」
「心を完全に失っていました。もはや悪魔とは呼べませんわね」
「……ああはなりたくねえな…」
「緊急の討伐命令が出るはずですわ」
……ああなると想像しただけでゾッとするぜ。
「小猫ちゃん、傷を」
「……すみません」
アーシアが小猫ちゃんの治療の為に駆け寄ってきた。
「ところで明日夏、千秋」
「なんだ?」
「なに?」
「さっきは助かったけど、二人ともなんでここにいるんだ?」
「ああ、それは…」
パン。
『ッ!?』
「……ま、あれが理由だな…」
突然のひっぱたく音に驚き、そちらへ顔を向けると、木場が部長に頬をひっぱたかれていた。
「……少しは目が覚めたかしら?明日夏達が駆けつけたから事なきを得たものの、一つ間違えば、誰かが危なかったのよ」
「……すみませんでした」
明日夏が言うには、木場の今までの状態を見て、戦闘中に何かやらかすんじゃないかと危惧して駆けつけたらしい。
……実際その通りで、下手すれば木場自身や小猫ちゃんが危なかった。
「一体どうしたの?貴方らしくもない」
「……調子が悪かっただけです。今日はこれで失礼します」
そう言って木場はこの場から立ち去ってしまった。
俺は木場を追いかける。
「木場!」
俺は追いつくなり、肩を掴んで歩みを止めさせる。
「どうしたんだよ?お前マジで変だぞ!部長にあんな態度なんて!」
「……君には関係無い」
「ッ!心配してんだろうが!」
「……心配?誰が誰をだい?」
「はぁ!」
「……悪魔は本来、利己的なものだよ?」
「……お前、何言ってんだよ?」
「……ま、今回は僕が悪かったと思っているよ……それじゃ…」
そう言ってまた立ち去ろうとする。
「待てよ!」
俺はそれを呼び止める。
「もし、悩みとか有るなら話してくれ!俺達仲間だろ!」
「………仲間か……イッセー君、君は熱いね…」
「なッ!?」
「……僕はね…基本的な事を思い出したんだよ…」
「……基本的な事?…」
「……生きる意味…つまり僕が何の為に戦っているか…って言う事さ…」
「……そんなの部長の為だろ?」
「……違うよ…」
「……?…」
「……僕は復讐の為に生きている」
「……復讐?…」
「……聖剣エクスカリバー…それを破壊する事が僕が生きる意味だ」
「………」
そう言って立ち去る木場を俺は追いかける事ができなかった。  
 

 
後書き
今回の章にもオリキャラが出ますが、初の敵側のキャラが出てきます。 
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