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『ポケスペの世界へ』

作者:零戦
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第二十四話






『邪魔を………するなァァァッ!!』

バキイィィンッ!!

 マチスがマスク・オブ・アイスの仮面を取ろうとした時、マスク・オブ・アイスは自分の身体を二つにちぎって、水晶壁から脱出してマチスの首を掴み倒す。

「うわあぁぁぁッ!!」

「マチスッ!!」

「げふッ!!」

 マチスは必死に手を振りほどこうとするが、マスク・オブ・アイスの力が強くて振り解けない。

「エンテイ、”ひのこ”ッ!!」

 エンテイの”ひのこ”がマスク・オブ・アイスの上半身を貫く。

「くッ!?」

 マチスが再びを振りほどこうとする。

『フン………』

 だがマスク・オブ・アイスは生きていた。

『小賢しいわッ!!』

「グォッ!!」

 マスク・オブ・アイスの”ふぶき”がエンテイ、ライコウ、カツラに直撃をする。

「カツラさんッ!! マチスッ!!」

 水晶壁の中からカスミが叫ぶ。

「ど……どういう事だ……身体がちぎれても腹に穴が空いても喋って動いている………」

 負傷したカツラが呟く。

「スイクンッ!! 私達も加勢に………スイクンッ!?」

 スイクンが倒れようとしていた。

「スイクン、どうしてッ!?」

『フフフフフッ!! よく見てみろッ!!』

 マスク・オブ・アイスの下半身からゴースが現れた。

「まさか……ゴースの”のろい”ッ!! 知らない間に”のろい”をかけられていたのッ!?」

「フフフフフ。水晶壁を張った事があだになったな。この結界・水晶壁を消す事が出来るのもまたスイクンだけだッ!! 結界の術者であるスイクンがその結界内で倒れてしまった時……今度はお前が外に出る手段を失うのだッ!!」

バキィッ!!

「きゃあッ!!」

 マスク・オブ・アイスの下半身がカスミを思いっきり蹴った。

 その反動でカスミが装備をしていた小型酸素ボンベが吹き飛んだ。

「……ぅ………」

 カスミはエリカから貰った花を散らしながら倒れた。

『ゴース。この場は任せたぞ』

 そしてマスク・オブ・アイスはホウオウとルギアを従えて、リーグ会場を出た。

「ゼェ……ゼェ……い……息が……」

 カスミが苦しそうに呼吸をする。

 そこへクリスとハルナが現れた。

「は、早くッ!! さっきの酸素ボンベ をッ!!」

 クリスの言葉にカスミは腕を伸ばして小型酸素ボンベを取ろうとする。

「……く……」

「逆に閉じ込められてしまったッ!! 私も一度経験したから分かるッ!! この水晶壁は最強の結界ッ!! 突破するには…スイクンッ!! スイ クンッ!!」

チリィーン。

 ガンガンと壁を叩いていたクリスの耳に鈴の音が聞こえてきた。

チリィーン。

チリィーン。

「あれ? この音……」

 クリスが呟く。

「秋の風はうつりぎ……ただそれがやるせな い」

「……誰かいるぞ。水晶壁の中にカスミ、スイクンの他に新たな影が………」

 カツラがそう呟く。

「我が愛しいスイクンにこれ程の仕打ちをした事……許せないなぁ……」

 影はゴーストとマルマインを出した。

「ゴースト、ゴースを押さえつけろ」

 ゴーストがゴースを押さえつける。

「さぁマルマイン。スイクンとこのお嬢さんを水晶壁の外にお連れするんだ」

「……そうよッ!! さっきの音は「とうめいなスズ」ッ!! 水晶壁の結界を無力化する道具だわッ!! いたんだ、たった一人だけッ!! 「とうめいなスズ」を持ち、この水晶壁を自由に出 入り出来るトレーナー………ミナキさんッ!!」

 煙りからミナキが現れた。

「ならちゃっちゃと終わらすわよッ!! マリルリッ!!」

 ハルナが叫ぶと、水晶壁の中の煙りからマリルリが現れた。

「いつの間にマリルリを………」

「こんな事もあろうかとね」

 クリスの呟きにハルナが答える。

「マリルリ、”アイアンテール”ッ!!」

 マリルリは自分の尻尾を回しながらゴーストが押さえつけたゴースに当てた。

 ”アイアンテール”を直撃したゴースはそのまま倒れた。

「ほら、ミナキとか言うのも早く水晶壁から出なさい」

「おぉ、素敵なレディ。ありがとうございま す」

「素敵なレディはありがたいけど、私は四十歳よ」

『嘘ォッ!?』

 何故かそこにいる全員に驚かれたハルナで あった。





「ボロボロね………」

 ハルナは辺りを見渡す。

 カツラ、マチス、カスミはもはや戦える状態ではない。

 ミナキも、酸素が少ないところにいたためあまり状態は良くない。

 スイクンは何とか立ち上がろうとする。

「……………」

 ハルナはスイクンに近寄り、すごい傷薬を出してスイクンの体力を回復させた。

「無茶は禁物だからね」

 ハルナはスイクンに笑う。

「スイクン……ゴメンね……私には……もう一緒に行けるだけの力が……だから新しい……パートナーを選んで……」

 ミナキはドキドキしていたが、スイクンはクリスを選んだ。

「あ、あたし?」

「………………」

 ミナキが無言で泣いている。

 スイクンは星のイヤリングをクリスに渡し た。

「これは………」

「やっぱり……それはスイクンがずっと持ってたの……貴女の片方だけのイヤリングを見た瞬間からそうじゃないかと思ってた……きっと決めていたんだわ……もし……私が力尽きた時には……貴女に……」

 カスミが倒れる。

「カスミさんッ!!」

「……いいのよ。私は満足している……そして嬉しいの……自分と共に戦い、育ったポケモンが、今度は別の人の元でもっと強くなる……イエローに渡したオムナイト……レッドに渡したギャラちゃん……皆大きな働きをしてくれ た……それが私の生き方……私の誇り……最初から分かってた……最後に……アイツの隣にいるのは私じゃないって………」

 カスミは泣いていた。

「スイクンを……頼むわ……」

「………分かりました」

 クリスが頷く。

「んじゃ、カスミちゃんも最後の場所に行くわよ」

 ハルナがそう言った。

「で、でも。カスミさんの体力は………」

「私がいるから大丈夫よ。カスミちゃん」

 ハルナはカスミの両肩に手を置く。

「カスミちゃん、諦めたら駄目よ。例え、そういう生き方でも恋にはそういう法律は無いわ」

 ハルナが微笑む。

「私だって、カスミちゃんみたいな状況になった事はあるわ。でも、諦めないで頑張ったら私は幸せになれた。だから諦めたら駄目よ」

「ハルナ……さん……」

 ハルナはカスミの肩を掴む。

「んじゃぁカスミちゃん借りるわ」

「あぁ。カスミを頼みます」

 カツラがハルナに頭を下げた。

「クリスちゃん、行くわよ。ピジョット」

 ハルナはピジョットを出してカスミを乗せ る。

 クリスはスイクンに跨がり、クリス達はリーグ会場を後にした。






 
 

 
後書き
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