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オズの五人の子供達

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第五幕その二

「オズの国と貴方達の世界を行き来する方法を」
「それはね」
 ここでオズマの右にいる女の子が五人に言ってきました、とても気さくな感じで。
「オズの国の決まった場所で『オズ』って言えばいいのよ」
「オズってですか」
「言えばいいのですか」
「そうなの。あっ、それでだけれど」
 ここでこの女の子は五人にこうも言いました。
「私の名前を言っていなかったわね」
「ドロシーさんですよね」
「あっ、もう知ってるのね」
「だってオズマ姫と一緒におられますから」
 それでわかるとです、恵梨香がドロシーに微笑んで答えます。
「ですから」
「それでなのね」
「カンサスからオズの国に来られて」
「そう、何度か行き来していたけれどね」
「今ではこのオズの国で、ですね」
「オズマに王女にしてもらったの」
 ドロシーは玉座に座っているオズマを見て微笑んで五人にお話しました。
「この国のね」
「そうでしたね、ですから」
「私がドロシーってわかったのね」
「そうです。どんなお顔かは知りませんでしたけれど」
「じゃあこの子のこともわかるわよね」
「トトさんですよね」
 恵梨香は今もドロシーの足元にいる可愛らしい黒犬を見ました、犬はドロシーの足元にぴたりと寄り添っています。
「ドロシーさんの最初のお友達の」
「そうなの。トトはカンサスから一緒にいるの」
 ドロシーもそのトトを見て笑顔でお話します。
「とても優しくていい子よ」
「僕もここに来てね」
 トトがここで言ってきました、この世界にいる他の動物達と同じ様に人間の言葉で。
「とても幸せだよ。だってドロシーといつも仲良く過ごせるからね」
「だからですね」
「そうなんだ、いつもね」
 こう恵梨香に言うのでした、そして。
 恵梨香は今度はオズマの左側にいる娘に顔を向けました、その少女も自分から恵梨香達に言ってきました。
「私はベッツイっていうの。それとね」
「それと?」
「私に丁寧な言葉遣いはいいから」
 ベッツイから言ってきました。
「だって私達同じ位の歳だから」
「それでなの」
「ええ、オズマ達と違ってね」
 ベッツイの場合はというのです。
「同じ年齢のお友達としてお話しましょう」
「わかったわ、それじゃあね」
 恵梨香も他の子達もベッツイの言葉に笑顔で応えました、そしてベッツイの言葉を受けてです。
 オズマもです、こう言うのでした。
「お友達になったらね」
「それで、ですか」
「姫様の言葉遣いも」
「砕けたものにしたいけれど」
 これまでの国賓の人に対するものでなくというのです。
「いいかしら」
「はい、それでお願いします」
「お友達になってくれるのですよね」
「そうよ。もうかかしさん達とはお友達だから」
 言うまでもなくオズマ達もかかし達のお友達です、それととても長くて深い。そのかかし達のお友達ならというのです。
「貴方達は私達のお友達となるからね」
「僕達オズマ姫のお友達になるんだ」
「嘘みたいだね」
 このことにです、ジョージも神宝も驚きを隠せずに言うのでした。 
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