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オズの五人の子供達

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第五幕その三

「オズの国の主であらゆる魔法を使える人とそうなれるなんて」
「凄いね」
「凄くないわよ。だってここはオズの国なのよ」
 ドロシーが二人の男の子に満面の笑顔で言ってきました。
「オズの国は皆がお友達になれるから」
「だからですか」
「僕達もオズマ姫と」
「勿論私やベッツイともね」
 お友達だというのです。
「そうなるのよ」
「そうなんですか、ここはそういう国なんですね」
「皆がお友達になれるんですね」
「そうなのよ、だから宜しくね」
「はい、こちらこそ」
「宜しくお願いします」
「もっともあちらの世界でもね」
 ここで、です。ベッツイがこんなことを言いました。
「本当は誰でもね」
「友達になれるんだね」
「そうよ。だってあんた達もね」
 ベッツイはカルロスに応えて言います。
「お互い生まれた国は違ってもお友達でしょ」
「うん、そうだよ」
 そのことはその通りだとです、カルロスはベッツイに答えました。
「僕達はね」
「それぞれ生まれた国は違っていてね」
「育った環境も違うよ」
 本当にそれぞれです、五人共。
「もっと言えば肌や目の色もね」
「違うわよね。けれどね」
「僕達がこうして友達でいる様にだね」
「あちらの世界でも誰もがお友達になれるのよ」
「それに気付くことが出来るかどうかなんだ」
「それだけなの」
 ベッツイはとても可愛らしい笑顔でこう言うのでした。
「気付けるかどうかなの」
「オズの国は皆が気付いているのね」
 ナターシャはベッツイの言葉を受けて言います。
「そういうことなのね」
「そうよ、簡単に言えばね」
「そうなのね。だから私達もオズマ姫ともドロシーとも」
「私ともね」
 お友達にです、すぐになれたのです。五人はこうして一緒になったのです。 
 そしてでした、ここでまたオズマがこのことをお話しました。
「貴方達は何処に出たいのかしら」
「あちらの世界のですね」
「ええ、何処かしら」
 恵梨香に対して尋ねます。
「あちらの世界の何処に出たいのかしら」
「はい、ジャックさんがこちらの世界に戻る時に来られた」
「八条学園の時計塔だね」
 そこだとです、ジャックが言ってきました。
「そこにだね」
「はい、そこです」
 そこに戻りたいとです、恵梨香もジャックに答えます。
「そこに出たいです」
「わかったわ、じゃあこの宮殿だとテラスでね」
 宮殿のテラス、そこでだとです。オズマが言ってきました。
「オズって言う時にその時計塔に行きたいって思えば」
「そこに出るんですね」
「学園の時計塔に」
「そうよ、それだけでいいのよ」
「行き来出来る場所は決まってるの」
 ドロシーは五人にこのことをお話します。
「オズの国でもあちらの世界でもね」
「それでこの宮殿だとですね」
「テラスなんですね」
「そうなの。宮殿だとそこよ」
 そこ以外でオズと言ってもです、あちらの世界に戻ることは出来ないというのです。
「そこになるから」
「わかりました」
「それでね」
 さらにです、オズマは五人にお話します。 
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