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オズの五人の子供達

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第五幕その一

              第五幕  オズのオズマ姫
 お部屋に入るとです、そのお部屋は。
 これまで以上にエメラルドで飾られていて緑の太陽の様に眩しいです。しかも大理石も鏡の様にあらゆるものを映す程綺麗です。緑の絹のカーテンにも小さなエメラルドが星の様に散りばめられていてシャングリラも緑の水晶です。
 そのお部屋の奥に玉座があります、エメラルドで造られた玉座です。
 その玉座に五人より幾分年長と思われるとても気品のある優しげな女の子が座っています、長く波立っているブロンドの髪を白いヴェールで覆っています。青い目はまるでサファイアです。
 白く綺麗な顔はまるでお人形さんです、五人より高い背でその身体を白い絹の所々にダイアをあしらったドレスで包んでいます。
 その玉座の右に五人より一つか二つ年上と思われる小柄な女の子が立っています、綺麗な茶色の髪を肩の長さで切っていてその目jは鳶色です、顔立ちも目の感じもとても愛くるしいです。白い軽やかなドレスを着ていて足には銀色の靴を穿いています。その靴の傍に黒い長い巻き毛の小さな犬が一匹います。
 左側には五人と同じ位の 年齢の女の子がいます、こちらの娘は黄金色の髪をのばしていてその目は琥珀の様な黒です。膝までの白いドレスがとても似合っています。背の高さは大体恵梨香位でしょう、あ。とても邪気のない感じのお顔をしていまして何処にいても周りを朗らかにさせてくれる雰囲気を見せてくれています。
 その三人の女の子を見てです、恵梨香が言いました。
「貴女達がですね」
「はじめまして」
 玉座に座っている少女が微笑んで応えてきました。
「オズの国の女王オズマです」
「オズマ姫ですか」
「はい、そうです」
 とても優雅で落ち着いた声での言葉です。
「そして貴方達はドロシーとベッツイがいた世界から来られたのですね」
「そうなんです、実は」
 ここで、です。恵梨香は自分達がどうしてここに来たのか、かかし達と出会ってここまでの旅路のことをオズマにお話しました。勿論自分達それぞれのことをです。
 オズマは全て聞いてからです、こう五人に言いました。
「お話は全て聞きました、ですが」
「もう私達のことはですね」
「はい、知っていました」
 それは既にというのです。
「この宮殿にあるオズのあらゆる場所を見ることの出来る鏡で」
「ほらね、言った通りだろう?」
 かかしがここで五人に言ってきました。
「オズマは全部知っているんだよ」
「そうですね、本当に」
「それで貴方達がここに来た理由は」
 オズマはまた五人に声をかけてきます、玉座にいるオズマは五人がこれまで見た中で最も綺麗でしかも優しい感じです。 
 そのオズマがです、こう言うのです。
「貴方達の世界に帰りたいからですね」
「そうなんです、ですから」
「ここまで来ました」
 そうだとです、五人も答えます。
「オズマ姫なら絶対にその方法を知っていると思いまして」
「それで」
「まずは答えから述べさせてもらいますね」
 オズマは微笑んで五人に答えます。
「それは出来ます」
「あっ、そうなんですか!?」
「僕達を元の世界に帰してくれることが出来るんですか」
「それじゃあこれで」
「僕達は」
「元の世界に帰られるんですね」
 恵梨香だけではありません、ジョージも神宝も言います。勿論カルロスとナターシャもです。五人共オズマの返事に満面の笑顔になります。
 そしてです、五人はその場で手を取り合って言うのでした。
「よかったわね」
「うん、そうだよね」
「僕達元の世界に帰られるんだ」
「どうなるかとも思ったけれど」
「有り難いわよね」
「私達は見付けたのです」
 オズマは五人にまた言ってきました。 
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