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オズの五人の子供達

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第四幕その十一

「オズマ姫のお友達も」
「如何にも。私はオズの国きっての学者でありますぞ」
「僕もこの宮殿によく出入りしているんだ」
「丁度オズマ姫とお昼を共にしようと来たのですが」
「まさかここで会うなんてね」
「それで君達は一体」
「どういった子達なのかな」
 二人もまた恵梨香達にこのことを尋ねます、ですが。
 ここでもかかしが説明します。それでムシノスケとモジャボロも納得してそのうえでそれぞれこう言いました。
「ふむ。事情はわかった」
「あちらの世界に戻ることをオズマに聞きたいんだね」
「それでここまで来た」
「そういうことだね」
「はい、そうです」
 その通りだとです、恵梨香は二人に答えました。
「私達ここに来ましたけれど」
「それなら簡単だよ」
 ムシノスケは恵梨香に明るい声で答えます。
「それはね」
「私達の世界に帰ることはですか」
「今では僕達の世界とオズの国は自由に行き来出来るからね」
「あの学園の時計塔からね」
 ジャックも言ってきます、五人が最初に出会ったオズの国の人もです。
「その他にもね」
「あれっ、あそこ以外にもですか」
「オズの国への出入り口があるんですか」
「うん、そうした場所は世界のあちこちにあるんだ」
 あちらの、五人の世界にというのです。
「あちらの世界からオズの国に行くのにはそうした場所でオズって言えばいいんだよ」
「問題はこちらの世界からですね」
「どうして行き来するかですけれど」
「そういえばジャックさん達はどうしてあっちの世界に行ってるんですか?」
「一体」
「僕達は普通にね」
 どうかといいますと。
「決まった場所でオズって言えばね」
「それで、なんですか」
「行くことが出来るんですか」
「君達もそうかな」
 ジャックはその大きなカボチャ頭を傾げさせて言いました。
「それが出来るかな」
「そうですか、それだったら」
「僕達もそうしてみたら」
「ひょっとしたらね」
 その時はというのです。
「君達もかな」
「どうなんでしょう」
「それが出来たら楽ですけれど」
「ここから帰ることも」
「簡単なんですけれど」
「まあそうしたことはね」
 ここでムシノスケが皆に言ってきました。
「全てはオズマに出会ってからだね」
「どの時にですね」
「わかることですね」
「うん、オズマは全てを知っているからね」
 だからこそだというのです。
「まずはオズマに会おう」
「はい、それじゃあ」
「今から」
「入ろう」
 こう言ってでした。
 一行はオズマの部屋の扉の前に立ちます、その扉の右には大きな鏡がありましたので。
 五人はそれぞれの服をチェックします、そしてなのでした。
 その服を整えます、それからでした。
 オズマのお部屋に向かいます、勿論かかし達もです。
 それぞれの身体を整えます、かかしも木樵もです。
 そうしてでした、皆で扉を開けてオズマの前に参上するのでした。 
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