| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

オズの五人の子供達

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四幕その十

「私はこの世で一番綺麗だから」
「何かビーナさんも猫さんも」
「そうよね、他の人達もだけれどね」
 恵梨香とカルロスが二人でお話します。
「ボームさんが書いていた通りの」
「そのままの人達よね」
「私達はそれぞれ自分を出しているだけよ」
「隠すことなくね」
 ビーナと猫はその二人に言いました。
「嘘は吐かない主義だから」
「そうしているだけよ」
「ボームさんもその私達をそのまま書いているから」
「あの人はとても正直な人だからね」
「今も王室の歴史編纂室で書いておられるわよ」
「とても熱心にね」
「ボームさんはお仕事をしておられるのね。それじゃあね」
 どうかとです、恵梨香は二匹のお話を聞いて考える顔になって言いました。
「ボームさんのお仕事を邪魔したらいけないから」
「そうね、ボームさんにお会いすることは控えておきましょう」
 ナターシャも恵梨香に応えて言いました。
「今はね」
「ええ、そうしましょう」
「それじゃあ今は」
 どうするかといいますと。
「オズマ姫にお会いしましょう」
「ええ、そうね」
 それがいいとお話します、そうしてかかし達の案内を受けて宮殿の奥へと進んでいきます、けれどここでなのでした。
 今度はです、大きなライオンと虎が出て来ました、その見事な鬣を持っているライオンと大きな虎を見てナターシャが言いました。
「臆病ライオンさんと腹ぺこタイガーさんですよね」
「うん、そうだよ」
「その通りだよ」
 二匹はすぐに答えてきました。
「僕が臆病ライオンだよ」
「それで僕がその腹ぺこタイガーなんだ」
「そうですよね」
「うん、けれど君達はじめて見るね」
「それにとても変わった服を着ているね」
 二匹の動物は五人の服も見て言います。
「ドロシーが最初に着ていた服ともまた違うし」
「どの国から来たのかな」
「ドロシーと一緒だよ」
 かかしは二匹にもこうお話します、その後のこともです。二匹もそのことを聞いて納得してそのうえで言うのでした。
「そうなんだ、かかし君のお友達なんだ」
「もうそうなったんだ」
「うん、そうだよ」
 木樵もそうだとです、二匹にお話します。
「僕達はあちらの世界から戻った時にね」
「この子達に会ってなんだ」
「そこからずっと一緒なんだね」
「そうだよ。いい子達だから」
 それでだというのです。
「安心してね」
「うん、ノーム王みたいなことをしないならね」
「僕達は大歓迎だよ」
 彼等にとってはです、ノーム王はまだ忘れられません。何しろ何度もオズの国に危害を加えようとしてきた相手ですから。
 けれど五人はノーム王とは違います、だからです。
「いいよ、じゃあね」
「オズマのところに行ってもいいよ」
「オズマのお部屋はもうすぐよ」
「このお部屋の向こう側よ」
 ビーナとガラスの猫も言ってきました、この二匹もついてきていたのです。
「それじゃあね」
「一緒に行きましょう」
「はい、わかりました」
「今から」
 五人もビーナ達に応えてです、そうしてでした。
 その向こう側のお部屋に行こうとするとです、今度は。
 大きな日本足で立っていてタキシードを着ているこげ茶色の、手と足が二本ずつあるバッタがやって来ました。長い髪とお髭がやたらともじゃもじゃした人もです。
 二人を見てです、恵梨香は笑顔で言いました。
「まさかここでお会い出来るなんて」
「おや、そういうところを見ると」
「君達と会うことははじめてだけれど」
 その彼等も恵梨香の笑顔での言葉を受けて言います。
「かかし君達と一緒にいるし」
「僕達のことを」
「はい、ムシノスケ先生とモジャボロさんですよね」
 恵梨香はその明るい声で二人に答えました。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧