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オズの五人の子供達

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第二幕その五

「無事にね」
「今は崖には橋がかかっていて無事に進めるよ」
「怖い怪物もいなくなってね」
「心配することはないよ」
「それでどれ位かかるんですか?」 
 恵梨香は安全と聞いてからです、今度はエメラルドの都までどれだけかかるのかを聞きました。このことも大事だからです。
「一体」
「一週間位かな」
「それ位だね」
 かかしと木樵はこのことについても答えてくれました。
「大体ね」
「それ位になるよ」
「僕達は寝る必要もないから夜も進んでそれ位だけれど」
「君達は夜寝ないといけないからね」
「それ位かかるよ」
「一週間だね」
「ううん、一週間ですか」
 それだけかかると聞いてです、恵梨香は困った顔になってこう言いました。
「その間学校を休むことになりますね」
「皆私達が何処に行ったのか心配するわよね」
 ナターシャも困った顔になって言います。
「それはよくないわよね」
「あっちの世界じゃ大騒ぎになるよ」
 カルロスもそのことが心配です。
「よくないよね」
「そうよね、一週間もいないって」
「皆に心配をかけるわ」
「あっ、そのことも心配いらないよ」
 困った顔になる五人にです、ジャックが言ってきました。
「こっちの世界でどれだけ過ごしてもあっちの世界じゃ一瞬だから」
「そうなんですか」
「うん、あっちの世界だと時間は全然過ぎていないよ」
「それじゃあ一週間こっちで旅をしても」
「全然時間は経っていないからね」
「そのことも安心していいんですね」
「そうだよ」
 ジャックは恵梨香にこのことをお話するのでした、勿論他の子供達にもです。五人はこのことも教えてもらってほっとしました。
 それで仲良く黄色い道を歩きはじめます、道はとても歩きやすくしかも空気はとても綺麗です。気温も穏やかです。
 その穏やかな気候を感じてです、ナターシャは微笑んでこう言いました。
「春みたいね」
「これがオズの気候なのよ」
 つぎはぎ娘がナターシャに答えます。
「ぽかぽかしてるでしょ」
「これなら幾らでも進められるわ」
「雨だって降るけれどね」
「その雨もですね」
「そう、決まった時間に決まっただけ降るからね」
「その時に注意すればいいんですね」
「雨には気をつけないとね」
 木樵は雨については心配する顔で言うのでした。
「錆びてしまうからね」
「木樵さんはブリキだからですね」
「そうなんだ、雨に遭ったら錆びて動けなくなるんだよ」
 木樵はそれが心配なのです。
「だから油さしは欠かせないし身体に油も塗っているんだ」
「雨も怖いんですね」
「僕は雨だけは苦手だよ」
 それだけはどうしてもというのです。
「だから気をつけてるんだ」
「僕は火だよ」
「あたいもね」
「僕もなんだ」
 かかしとつぎはぎ娘、ジャック達はこちらが苦手だというのです。
「燃えるからね」
「それだけは近付けないのよ」
「そのことは気をつけてね」
「わかりました、皆さん苦手なものがあるんですね」
「僕達は食べなくても寝なくてもいいけれどね」
 それでもだというのです。 
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