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オズの五人の子供達

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第二幕その六

「そういうものは苦手なんだよ」
「それじゃあそうしたものに対しては」
「注意しましょう」
 ジョージと神宝が言うのでした。
「かかしさん達が苦手なら」
「そういうものを怖がらずに済む様にしていきましょう」
「僕は水は平気だからね」
「僕は火は怖くないよ」
 かかしと木樵がそれぞれ言います。
「そうしたことも考えてね」
「旅をしていこうね」
「わかりました、じゃあ雨が降る時間や寝る時間になったら」
 その時はとです、カルロスは丁度右手にあった森を見て皆に言いました。
「ああした森の中に入りましょう」
「そうね、そうした時はね」
 恵梨香はカルロスのその言葉に頷いて答えました。
「そうした場所に入ってね」
「休もうね」
「そうして休みながらでもね」
「エメラルドの都に行こうね」
 こうお話するのでした、そして。
 一行は道を進んでいきます、黄色い煉瓦の道を行く間食べものにも飲むものにも困りませんでした、所々に森や湖があるからです。
 朝もお昼も夕方もです、五人はパンや果物を楽しみました。湖はお茶のものもあればジュースのものもあります。
 そうしたものも食べながら三日進みました、そして三日進んだところでです。
 四日目の朝にです、森から起きたところでジョージがかかし達に尋ねました。
「あの、今のところ崖とか怪物もいなくて」
「うん、ちゃんとそうした怖いものがない様にオズマが政治をしているからね」
「だからなんですね」
「そうだよ、オズの国にはそうしたこともなくなったんだよ」
「オズマ姫って凄くいい政治家なんですね」
「うん、それにお心も綺麗でね」
 かかしはにこりとしてオズマのことをお話します。
「素晴らしい国家元首だよ」
「そうした国家元首はいて欲しいですね」
 ジョージはかかしの言葉にしみじみとして言いました。
「プレジデントにも」
「うん、確かにね」
「本当にそう思うよ、僕も」
 神宝とカルロスもジョージの言葉に頷きます。
「魔法使いさんもいいと思うけれど」
「オズマ姫もね」
「オズマ姫は本当の魔法が使えるからそうしたこともすぐにわかるのよね」
 何処に崖があるか、怪物がいるといったことがです。ナターシャはそのことを言うのでした。
「魔法使いさんは最初は手品師だったから」
「そうした意味では魔法使いでも」
「そう、魔法は使えなかったのよ」
 オズの魔法使いが使えたのは最初は手品でした、ナターシャは恵梨香にこのことをお話するのでした。そうだったといです。
「だからオズの国の何処もすぐに見られなかったのよ」
「それで崖や怪物にもだったの」
「すぐに対応出来ないところがあったのよ」
 この辺りは仕方がありません、手品と魔法は違いますから。
「今は魔法が使えるけれど」
「そうだったわね」
「そうだよ、魔法使いさんもオズの王様として凄く頑張ってたんだけれどね」
 木樵が五人にこのことを言ってきます。
「魔法を使えるってことは大きなことだからね」
「それでなんですね」
「オズマ姫がオズの女王になってからは変わったんですね」
「そうだよ。しかし君達オズの国のことにも僕達のことにも詳しいね」
「本で読みました」
 恵梨香がにこにこと木樵に答えます。
「この国について書いた本を」
「あっ、ボームさんが書いた本だね」
「はい、ライマン=フランク=ボームさんです」
「あの人もエメラルドにいるよ」
 木樵は五人にその人のこともお話しました。 
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