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ハイスクールD×D 新訳 更新停止

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第2章
戦闘校舎のフェニックス
  第44話 修行始めました!

 
前書き
明日夏もイッセーの特訓講師になります。 

 
「…ぜえ…ぜえ…ぜえ…」
「ほらイッセー、早くしなさい」
「…は…は~い…」
俺の目の前でリュックサックを背負って息切れをしながら坂道を登るイッセーが居た。
ちなみにイッセーは部長、副部長、アーシアの分の荷物もイッセーが持っている。
つまり、イッセーの分を加えた計四人分の荷物を持っている訳だ。
ちなみに俺もかなりの大きさの荷物を持っている。
最も、イッセーみたいに息切れはせず、寧ろ余裕さえある。
千秋、鶇、燕の三人は自分の荷物は自分達で持って、上の方で部長達と一緒にイッセーの様子を見ていた。
千秋、鶇、アーシアの三人は心配そうに見ていた。
そもそも、なぜ俺達がこんな山道を歩いているのかと言うと、昨日ライザーが訪問し、帰った後、グレイフィアさんにゲームの期日はは十日後と言われた。
ゲーム経験者のライザーと初心者の部長とでは部長が不利なため、ハンデとして十日間の修行期間をもらった訳だ。
そして、部長は修行をするために山に来たわけだ。
俺達も部長達の修行を手伝うために同行していた。
「お先に」
木場がイッセーと同じくらいの荷物を持っているにもかかわらず、涼しそうな顔で俺とイッセーの横を追い抜いていった。
「…失礼」
今度は塔城がイッセーの十倍近くの荷物を持って俺達を追い抜いていった。
「クソォォォッ!!!!負けてらんねぇぇぇッ!!!!」
イッセーも負けじと走り出した。
「やれやれ、体力持つのかアイツ?」
そんな事を言いながら、俺もイッセーに付き合って走り出すのであった。


俺達は今、目的地の別荘に着いていた。
ちなみにイッセーは修行を始める前にすでに虫の息であった。
俺も付き合って走った訳だが、まだまだ余裕であった。
千秋は前もって用意していたタオルとスポーツドリンクをイッセーに渡していた。
「さあ、中に入ってすぐに修行を始めるわよ」
そう言って、各々動きやすい服装になるために、それぞれの部屋に向かった。
男子部屋で俺、イッセー、木場の三人で着替えていると、イッセーが木場に聞いた。
「なあ、木場、お前さ、前に教会で戦った時、堕天使や神父を憎んでいるみたいな事を言ってたけど、あれって?」
イッセーの言う通りで、アーシアを助ける為に教会に攻めこむときに…。
「個人的に堕天使や神父は好きじゃないからね。憎いと言ってもいい」
と木場はそう言っていた。
「イッセー君もアーシアさんも部長に救われた。僕達も似たような物なのさ。だから僕達は部長の為に勝たなければならない。ね」
「ああ、もちろんだぜッ!!絶対に勝つぜッ!!」
木場の言葉にイッセーは改めて気合いを入れ直したようだ。
「言っとくが、俺はシビアだぜ」
「お、おお、頼むぜ明日夏…」
俺の言葉にイッセーは少し身震いをしていた。


「レッスン1」
最初は木場との剣術修行であった。
「はあぁぁぁぁぁッ!!!!!!」
俺は木場に闇雲に木刀を振るがあっさり防がれてしまう。
「そうじゃない。剣の動きだけじゃなく、相手と周囲も見るんだ」
ガッ。
木場に木刀を叩き落とされてしまった。
「…さすが騎士(ナイト)…」
「ほら、油断しない」
その後も結局、木場に一太刀も浴びせられなかった。


「レッスン2」
次は朱乃さんとの魔力修行であった。
ちなみにこの修行はアーシアもやっている。
「魔力は体全体を覆うオーラから流れるように集めるのです」
「ぐぬぬぬぬぬッ!!」
「出来ました!!」
「えッ!?」
アーシアの方を見ると、手に緑色の魔力の塊が出来上がっていた。
「あらあら、やっぱりアーシアちゃんは魔力の才能があるのかもしれませんね」
ちなみに、俺は魔力の塊は米粒程度の大きさしか作れなかった。
「魔力の源流はイメージ。とにかく頭に浮かんだ物を具現化する事が大事なんです」
頭に浮かんだ物かあ。


「レッスン3」
今度は小猫ちゃんとの組み手だ。
ドゴォォォォォン。
「グアッ!?」
俺は小猫ちゃんに盛大にぶっ飛ばされた。
「…弱ッ…」
さらに毒舌のおまけ付きである。
「…打撃は体の中心線を狙って的確かつ抉り込む様に打つんです」
「グウゥ…まだまだぁぁぁッ!!!!」
「…えい」
俺は小猫ちゃんに突っ込むが、盛大に投げ飛ばされた。
「木場にも小猫ちゃんにも全然敵わねえ。魔力もアーシア以下、俺良いとこ無しじゃん」
「…それぞれ特性がありますから」
「特性?俺の特性ってなんだと思う?」
俺は小猫ちゃんに聞いた。
「…エッチなところ」
「…だはぁぁぁ…」
「…それともう一つ」
「?」
「…頑張りやさんなところです」
「そ、そうか、俺頑張るよ!!小猫ちゃん!!」
「…はい」
小猫ちゃんが微笑んでくれた。
「ウオォォォォォッ!!!!!!!!」
俺は立ち上がり、また小猫ちゃんに突っ込んだ。
「…えい」
「グハァァァッ!!!!」
そして、盛大に殴り飛ばされた。


「レッスン4」
部長との修行なんだが、正直死ぬ。
「ほら、気張るのよ」
「…オ…オ…ッス…」
今俺は、背中に巨大な岩を縄で巻き付けた状態で山道を何十往復をしていた。
「じゃあ、次はこの状態で腕立て伏せよ」
「やっぱ、部長は鬼ッス!!」
「悪魔よ」
悪魔じゃなかったら、正直本当に死んでいたよ。


「レッスン5」
明日夏との修行なのだが一体何をやるんだ?
「じゃあ、イッセー」
「お、おう」
「俺の攻撃を避けろ。それが俺との修行だ」
そう言うと、明日夏は木刀を構えた。
「え、ちょ、待っ…」
「いくぞ!!」
明日夏が一気に突っ込んできた。
「ガハッ!?」
そして、明日夏の一振りで思いっきり吹っ飛ばされた。
「ほら、どんどんいくぞ!!」
明日夏は次々と木刀を振ってきた。
俺は避けようとするが、なかなか避けれないでいた。
「木場が言ってただろ、視野を広げて相手を見ろと。相手の挙動や視線、武器の特徴からある程度予測をたてろ。それだけでも大分避けやすくなるはずだ」
俺は明日夏の言う通り、明日夏の動きをよく見て、何回か明日夏の攻撃を避けれる様になっていた。
「大分動きが良くなってきたな。じゃ、ギアを一段階すっ飛ばして二段階上げるぞ」
「イイィィィィィッ!!!!!!!!」
明日夏も鬼であった。


「レッスン6」
今度は魔力を使っての料理であった。
「もちろんできる範囲で構わないわ。じゃ、頑張ってね」
そう言って、部長はキッチンから出ていった。
「お湯さん、沸いてください」
アーシアは鍋の水に手をかざして魔力を放出すると、お湯は見事に沸騰した。
(…やっぱりアーシアは魔力の才能があるなぁ…)
一方の俺は朱乃さんの授業じゃあ、結局米粒程度の魔力を出すのが精々であった。
(それにしても、朱乃さんのおっぱいはなかなかの物立ったなぁ)
服の上からでも分かるほど見事なおっぱいであった。
なんて、エロ思考になりながらタマネギを手に取った瞬間、タマネギの皮だけが見事に弾けた。
俺はジャガイモを手に取り、もう一度朱乃さんのおっぱいを思い浮かべると、これまた見事にジャガイモの皮が勝手にシュルリと剥けてしまった。
「へえ、ジャガイモも楽勝じゃん」
「スゴいですッ!!イッセーさんッ!!」
「へへ」
俺はふと朱乃さんと小猫ちゃんの言葉を思い出す。
「魔力の源流はイメージ。とにかく頭に浮かんだ物を具現化する事が大事なのです」
「…エッチなところ」
俺は次々と野菜の皮を剥いていく。
「そうか!!これは!!もしかして!!俺は無敵になれるかも!!」
そうだ、俺の考えを実現できれば、俺は無敵になれるかもしれない。
「イッセーさん」
「ん?」
「これ?どうするんでしょう?」
「あ」
調子に乗って皮を剥きすぎたせいでキッチン内に皮が散乱していた。
「なんかスゴい事になってるな」
「わ~、スゴ~い」
そこに明日夏と鶇さんが現れた。
「この短時間でこれだけの皮をどうやって剥いたんだ?しかも、皮に実が一切付いてねえな」
「イッセーさんがやったんですよ!!スゴいですよ!!」
「わ~、イッセー君スゴ~い」
アーシアと鶇さんが絶賛する中、明日夏は微妙な顔をしていた。
「…まあ、俺の考えが外れる事を祈るよ…」
どうやら明日夏は俺の考えに気付いているようだった。
これも付き合いの長さによる賜物かな。
「とりあえず、あと魔力でできる事が無いのなら、後は俺達で晩飯を作る」
「確かに、あとはもう無いかな?じゃ、後は頼むよ、明日夏、鶇さん」
「お願いします」
それから、明日夏と鶇さんは夕飯の準備に取り掛かった。


今、俺達は夕飯を食べている中、部長が口を開いた。
「イッセー、今日一日修行してみてどうだったかしら?」
「…はい、俺が一番弱かったです」
「そうね、それは確実ね。でもアーシアの回復、あなたの赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)だってもちろん貴重な戦力よ。相手もそれを理解している筈だから、仲間の足を引っ張らないように、最低でも逃げるくらいの力はつけてほしいの」
「りょ、了解ッス」
「は、はい」
俺との修行はその為の物である。
「さて、食事も済んだし、お風呂にはいりましょうか」
「お、おお、お風呂おおおぉぉッ」
イッセーが部長の言葉に過剰に反応していた。
「あらイッセー、私達の入浴を覗きたいの?なら一緒に入る?私は構わないわよ。朱乃はどう?」
部長が副部長に聞いた。
「うふふふふ。殿方のお背中を流してみたいですわ」
副部長も普通にOKしていた。
「わ~い。イッセー君、一緒に入ろうよ~」
鶇も全然構わなそうだった。
「鶇もOKね。アーシアと千秋と燕も愛しのイッセーとなら大丈夫よね?」
部長の言葉にアーシアと千秋は顔を赤くしながらも頷いた。
「べ、別に良いわよ…」
燕も顔を赤くしながら、OKを出した。
「小猫は?」
「…嫌です」
塔城は即答であった。
「じゃあ無しね。残念」
部長の言葉にイッセーは落ち込んだ。
「…覗いたら恨みます」
そして、塔城はしっかりと釘を指す。
その後、男湯に入っていると、イッセーがなにやら女湯の方の壁に手をついて、さらに壁を凝視していた。
「イッセー君、そんな事をしても無駄だと思うけど?」
「うるせえッ!!これも修行だッ!!」
木場の言葉にイッセーは怒気を含ませて答えると、また壁を凝視し始めた。
「ねえ明日夏君?」
「なんだ?」
「イッセー君は透視能力でも身に付けよとしているのかな?」
「…知らん」
俺は木場の問いに素っ気なく返した。 
 

 
後書き
原作よりイッセーを少し(本当に少し)強くします。 
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