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ハイスクールD×D 新訳 更新停止

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第2章
戦闘校舎のフェニックス
  第43話 喧嘩売ります!

 
前書き
明日夏達はゲームには参戦しませんがライザー達と事を構える予定です。 

 
「いやぁ、リアスの女王(クイーン)が淹れてくれたお茶は美味しいものだな」
「痛み入りますわ」
ライザーとか言う部長の婚約者が副部長の淹れた紅茶を誉めていたが、副部長は全然嬉しそうにしていなかった。
そりゃそうか、隣で女(部長)を抱きながら誉められても嬉しくねえわな。
部長もかなり不機嫌そうだった。
ライザーの奴はそんな部長にお構いもなく、さっきから部長の髪を弄くったり、太股を擦ったりしていた。
ちなみにイッセーはライザーの事を恨めしそうに見ていた。
「いい加減にしてちょうだい。ライザー、以前にも言った筈よ、私はあなたと結婚なんてしないわ」
部長が立ち上がり、もの申すが、ライザーはどこ吹く風であった。
「だがリアス、君の御家事情はそんな我儘が通用しない程切羽詰まってるんだと思うんだが」
「家を潰すつもりはないわ!!婿養子だって向かい入れるつもり、でも私は、私が良いと者と結婚するわ」
どうやら部長は自由な恋愛をご所望のようだ。
「先の戦争で激減した純血悪魔の血を絶やさないと言うのは、悪魔全体の問題でもある。君のお父様もサーゼクス様も未来を考えてこの縁談を決めたんだ」
なるほど、確かに奴の言う通り、先の悪魔、天使、堕天使による三つ巴の戦争でどの勢力も甚大な被害が出た。
悪魔も大半の純血悪魔が死に絶えたと聞いた。
その事を考えれば、純血を絶やさない為のこの政略結婚も悪魔全体にとって重大な物なのだろう。
最もコイツはどこか部長に対する下心がありそうだがな。
「父も兄も一族の者もみんな急ぎすぎるのよ!!本来なら私が大学を出るまでは自由の筈だったのに!!」
おいおい、部長の家族さんに一族の者達さん、確かにそれは部長も納得しないだろう。
約束を破っていきなり結婚しろだからな。
「そう、君は基本的に自由だ。でも皆恐いのさ、御家断絶が」
まあ確かに、悪魔に限らず、上級の貴族と言うものは自分の家が潰れるのは恐いものなのだろう。
「わかっているわ!!それでも言うわライザー。あなたとは結婚しない!!」
部長がそうもの申した瞬間、ライザーが部長の顎を掴み、告げた。
「…俺もなぁ、リアス。フェニックス家の看板背負ってるんだよ。名前に泥を塗られるわけにはいかないんだ!!俺は君の下僕を全部焼き付くしてでも、君を冥界に連れ帰るぞ」
ライザーの言葉を皮切りに部長と奴が魔力を発し始めた。
他の部員(イッセーとアーシアを除く)も臨戦態勢に入ろうとする。
ドッ。
『ッ!!』
そんな中、俺は二人の間の床に懐に隠し持っている対魔力使用ナイフのマジックキラーを投げつけていた。
「…貴様、なんの真似だ」
ライザーが目を鋭くしながら、俺を睨み付けながらもの申した。
俺は少し言葉使いを丁寧にしながら…。
「部長、ライザー・フェニックス殿、御二人がやり合えば、この辺一帯に甚大な被害が出るため、止めさせていただきました。最も、そうなる前にそちらの方が容赦なく止めていたでしょうが」
そう言い、俺はある方を目で指し示した。
みんなが俺が目で指し示す方を見れば、そこには物凄い威圧感を放っていたグレイフィアさんが居た。
「お納めくださいませ、お嬢様、ライザー様。私はサーゼクス様の命を受けてこの場に居りますゆえ、そちらの方がおっしゃる通り、一切の遠慮は致しません」
グレイフィアさんの申し出に二人は魔力を引っ込めた。
「最強の女王(クイーン)と称されるあなたにそんな事を言われたら、流石に俺も怖いよぉ」
随分と軽い態度だな。
本当に実力差が分かっているのか疑問に思う。
すると、ライザーが俺が投げ付けたマジックキラーを手に取った。
「…今回は止めてくれた事に素直に感謝してやるよ。だが次にこんな事をすれば…焼くぞ…」
そう言い、マジックキラーを俺に投げ付けた。
俺はそれをキャッチすると懐にしまうと…。
「…肝に命じます…」
と心にも無い事を言っておく。
それを感じ取ったのか、奴は不愉快そうに俺から目を逸らす。
とそこへ、グレイフィアさんが申す。
「旦那様方はこうなる事は予想されておられました。よって決裂した場合の最終手段を仰せつかっております」
「最終手段?どう言う事、グレイフィア?」
「お嬢様がそれ程までにご意志を貫き通したいと言う事であれば、ライザー様とレーティングゲームにて決着を、と」
レーティングゲームねえ…。
「明日夏、レーティングゲームって確か…」
「ああ、爵位持ちが下僕同士を闘わせて競うチェスを模したゲームだ」
「俺はゲームを何度も経験してるし、勝ち星も多い。君は経験どころか、まだ公式なゲーム参加の資格すら無いんだぜぇ」
「本来なら成人しないと参加できないからな」
「ッ!?それじゃあ、部長がめちゃくちゃ不利じゃねえか!!」
「…不利なのはそれだけじゃないです」
「え?」
「リアス、念のため確認しておきたいんだがぁ、君の下僕はさっきの男とそこに並んでいる女三人を除く面子で全てか?」
コイツ、俺達が人間ってのは気付いているみたいだな。
「だとしたらどうなの?」
「フハハハハハッ!!」
パチンッ。
ライザーがひときわ笑った後、指を鳴らすと、フェニックスの魔方陣が出現した。
「こちらは十五名、つまり駒がフルでに揃っているぞぉ」
部長側は五名、王(キング)の二人を加えて、六対十六、これはキツいな。
つうか、出てきたライザーの眷属全員が女って…。
(おいおい、コイツもしかして女たらしか)
すると、イッセーが…。
「美女、美少女ばかり十五人だとッ!!なんて奴だッ!!…なんて男だぁぁぁッ!!!!」
ライザーの眷属達を見て号泣していた。
(…おいおい…)
「…お、おいリアス…この下僕君…俺を見て号泣しているんだが…」
ライザーも引いていた。
「…その子の夢がハーレムなの…」
部長も少し困り顔になっていた。
「…キモいですわ…」
アイツの眷属の一人がそう呟いた。
なんかアイツだけ雰囲気が他の眷属と違うような…。
「フフッ!!なるほどね…ユーベルーナ」
「はい、ライザー様」
ライザーが眷属の一人、ユーベルーナと言う女性を呼ぶ。
俺の見立てだとアイツが女王(クイーン)っぽいな…。
ユーベルーナがライザーの前に立つと、ライザーの奴が顎を持ってキスしだした。
しかも、イッセーに見せびらかすように。
(…おいおい、婚約者の目の前でやるか…)
コイツ、自分の女をコレクション感覚で扱ってそうだな…。
見ると部長もかなりの嫌悪感を出していた。
しかも、今度は胸を揉み、髪を弄りだした。
「お前じゃこんな事は一生できまい、下級悪魔君」
「ッ!?うるせえッ!!そんな調子じゃ、部長と結婚した後も他の女の子とイチャイチャするんだろうッ!!この種まき焼き鳥野郎ッ!!」
「…貴様、自分の立場をわきまえてものを言っているのか…」
「知るかッ!!俺の立場はなあ、部長の下僕ってだけだッ!!それ以上でも以下でもねえッ!!」
イッセーはそう言うと、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を装着した。
「ゲームなんざ必要ねえ!!この場で全員倒してやるッ!!」
『Boost』
籠手の力を発動させ、ライザーの眷属に突っ込んでいく。
「ミラ」
ライザーが名を告げると、奴の眷属の中から一人の少女がイッセーの前に飛び出してきた。
飛び出てきたのは、祭り装束みたいな和服を着用し、棍を持った小柄な少女であった。
(…マズイな…)
俺の見立てでは、実力はライザーの眷属の中では弱い方だが、倍加が不十分なイッセーでは勝ち目はない。
ドゴォッ。
「ガッ!?」
ガァッ。
「ガァァァッァァ!?」
ドサッ。
イッセーはミラと言う少女に棍を打ち付けられ、そのまま天井に叩き付けられ、床に落ちた。
当のイッセーは自分の身に何が起きたのか全く理解できていなかった。
「イッセーさんッ!!」
「イッセーッ!!」
「イッセー兄ッ!!」
「イッセー君ッ!!」
倒れているイッセーにアーシア、部長、千秋、鶇の四人が駆け寄る。
「イッセー、しっかりして!!」
「……部…長……すみま……せん…」
その言葉を最後にイッセーは意識を失った。
「ハッ!!凶悪にして最強と言われる赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の使い手がこんなくだらん男だとわな」
『ッ!!』
イッセーがやられた事と、ライザーの言葉に千秋と鶇は怒り、ライザーを睨み付ける。
「ん?君らはその男に気でもあるのか?そんなくだらない男のどこが良いのやら」
ライザーの言葉に怒りが頂点に達したのか、二人はライザーに挑みかかろうとするが、俺は二人の肩を掴み、制止させる。
「…二人とも落ち着け…」
「でもッ…」
「コイツはッ…」
「……俺もイラついてるんだよ…」
俺が二人を睨み付けると二人は渋々とそれぞれ出そうとしていた手やら足を引っ込めた。
正直俺もコイツを殴り飛ばしたい程イラついていた。
だが、今の俺達じゃコイツの特性を打ち破れるかどうか微妙なところだ。
アイツの力を使えばわからないが…。
「わかったわ…レーティングゲームで決着を着けましょう」
「承知いたしました」
「フフフ」
部長の言葉にグレイフィアさんが承諾し、ライザーは不敵に笑う。
「ライザー…必ずあなたを消し飛ばしてあげるッ!!」
「楽しみにしてるよ、愛しのリアス。次はゲームで会おう。フッハハハッハハハハハッ」
ライザーはそう答え、眷属を連れ、不敵に笑いながら魔方陣でこの場から去った。  
 

 
後書き
ハイスクールD×Dの16巻、印象深かったのは、ギャスパーの力の正体、ヴァーリの祖父 リゼヴィム・リヴァン・ルシファーの登場と力、大人小猫、二天龍の仲直り、対テロ部隊 D×Dの結成です。
特に大人小猫が一番でした。
 
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