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宇宙を駆ける一角獣 無限航路二次小説

作者:hebi
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第二章 一話 ワレンプス大佐

 
前書き
タイプするのがめんどくなったので、今回から行間を示す記号を【・】がいっぱいあるやつから【*】に変更します。 

 
この世界の0Gドッグと呼ばれる宇宙航海者達の中には、それぞれの名声によりランク付がされており、その中の上位100人の事をランカーという。
そのトップは数十年前から大海賊ヴァランタインの指定席だが、それよりしたのランクは日々変動している。
ある日、ランキングから名前が消えたり新しくランクインしたりと、賑わいを見せている。

ゼスカイアス級戦艦【ユニコーン】の艦長、白野秋人もその一角に名を連ねる一人である。
三年前に始めてランクインした彼は、その後ランキングから消える事なく着実にランクを上げて行き、今では上位ランカーの端くれである50位以内にランクインするほどになった。

そんな彼は、大マゼランの各国を回り見聞を深めた後、大小マゼラン銀河制覇のため大マゼランと小マゼランを繋ぐ唯一の航路
【マゼラニックストリーム】を道中弟子にしたギリアスの乗艦【バウンゼィ】と共に突破した。
だが、まるきり無傷とは言えなかった。
マゼラニックストリームの出口付近で先行したバウンゼィが海賊の襲撃を受け、少なからぬ損傷を受けたのだ。
なので、二隻はマゼラニックストリームを突破した感動も程々に小マゼランはネージリンスへと繋がるボイドゲートを通過して一路ネージリンス首都星【アークネージ】へと向かっていた。



ユニコーン 艦長室

アークネージを目指すユニコーンの艦長室では、休憩中の白野が火薬式拳銃の整備を行っていた。
火薬式拳銃はメーザーブラスターが普及した今、旧世代の遺物と思われがちだが、あながちそうでもない。
普及したメーザーブラスターに対抗するために対メーザー処理を施した白兵戦装備が増えてきたが、対メーザー処理は如何せん精密で火薬式拳銃のような純粋に破壊力を叩きつけるタイプの兵器に一撃食らうとすぐダメになる。

今、白野の手にあるのは昔の傑作自動拳銃M119A1を外見そのままに各パーツを現在の技術で製作して、空間服さえも貫けるようにした改造拳銃である。
オリジナルの設計自体が米軍で長きに渡って使用されてきたものだから信頼性も折り紙付き。マンストッピングパワーに優れた45口径。弾丸はメガ・チタン弾(この時代の火薬式拳銃には必ず使われている完全統一規格の弾丸。)
白野が白兵戦を行う際はスークリフブレードと同じく必ず使用する。

「………」

真剣極まる表情で一つ一つパーツを分解して布で汚れを落としていく。
いくら信頼性が高くても整備をろくにせずに放っておいたらジャムるのは当たり前だ。
やがて、整備を終えた白野はパーツを一から組み立て直すとスライドを引いて弾丸が装填されたのを確認し、もう一度スライドを引いて弾丸を排出した。
整備のできに完全に満足した白野は45口径をホルスターに収めると、壁に張り付いたテレビの電源をいれてニュース番組を見始めた。

『次のニュースです。ネージリンス標準時間の昨夜12時、ネージリンス〜マゼラニックストリーム間のボイドゲート付近で民間商船がスカーバレル海賊団の襲撃を受け撃沈。乗組員は全員死亡した模様。現場に残された犯行声明によりますと、
[これからは俺たちの時代だ。覚悟しろ。]
との事で今後も襲撃は続くと予想されます。これに対してネージリンス国防軍は新たに宙域パトロール部隊を編成、近辺の警護に当たり、安全を確保するとの事です。………それでは次のニュースです。』

「スカーバレル海賊団か………エルメッツァから遠路はるばるご苦労な事だ。」

スカーバレル海賊団はエルメッツァで急速に勢力拡大を果たした海賊団である。主戦力にジャンゴ級やフランコ級といった水雷艦を配備し、幹部クラスの乗艦にはオル・ドーネ級といった
そして、許し難い事に0Gドッグ達の暗黙のルールである【地上の人間に手を出さない】という0Gドッグが単なる荒くれ者ではなく誇り高き宇宙の旅人であるという証を平気な顔で踏み躙る極悪人どもである。
それが、エルメッツァからネージリンスまでやって来た。
手加減は不要。遭遇したら完膚なきまでに叩き潰して宇宙のゴミにしてやろうと決意を固めた白野だった。



ユニコーン ブリッジ

その頃ブリッジでは、オペレーターのゲイケットがオペレーター席に座ってタバコを吸いながらだらけていた。
ユニコーンは自動航行に切り替えてある。隣を進むバウンゼィも損傷しているものの航行に支障は無い。
つまり、やる事が無いのだ。

「暇だな。こうもやる事がないと敵襲の一つや二つあった方がいい。」

「物騒なこと言わないでくださいよ。暇なのはいいことです。」

「そうだがな………」

そんな彼らの持て余した暇を解消するかのように、ブリッジに警報が鳴り響く。

「やっほう!なんか来たぜ!」

「だー!貴方があんなこと言うから!」

即座にレーダー監視網から得た情報を解析して接近してくる何かの正体を特定する。

「データ照合………フランコ級水雷艦五隻。こちらに急速接近!」

「敵襲だ!各員、持ち場につけ!」

仕事熱心なスカーバレル海賊団の訪問である。噂をすれば陰というやつなのかもしれない。
ちょうどその時、白野もブリッジにやって来た。

「ゲイケット、状況は?」

「フランコ級水雷艦が五隻、こちらに急速接近してくる。あと三十四秒後に会敵する。」

「ギリアスのバウンゼィは戦えるか?だいぶ損傷していたが。」

すると、それに答えるようにバウンゼィから通信が入る。

『俺はいけるぜ。バウンゼィも砲台は動くんだ。細かい戦闘起動はできねえが、遠距離砲撃くらいなら余裕だぜ。』

『よし、ならば戦列への参加を許可する。だが、くれぐれも無理はするな。』

『おう!』

ユニコーンの隣を進むバウンゼィが停止して砲門を開く。敵が射程内にはいればすぐに攻撃できる体制をとった。

「敵艦隊、戦闘宙域へ到達。」

「ルートン、プラズマ砲Lで先制攻撃。敵がこちらを射程内に捉える前にできるだけうち減らせ。」

「合点!」

ユニコーンのプラズマ砲がなおも急速接近してくる五隻の敵艦隊に向けて放たれる。
同時にバウンゼィからもレーザーが放たれる。

プラズマ砲の赤い光弾とレーザーの青い線がフランコ級に吸い込まれ、そして、命中した二隻のフランコ級は呆気なく爆砕される。そもそもスカーバレル海賊団の艦などユニコーンとバウンゼィの前にはそこらのスペースデブリと何ら変わりない。
この結果は当たり前と言える。

さらにバウンゼィが砲撃して、またもやフランコ級が宇宙の藻屑となる。
そして、トドメとばかりにユニコーンがプラズマ砲を斉射してフランコ級二隻を叩き潰した。
圧倒的である。
たかが道義をわきまえぬ海賊風情では誇り高き宇宙の旅人の代名詞であるランカーにかなうはずもない。

「敵艦隊、完全に沈黙。みんな、お疲れ。」

吹き飛ばされたフランコ級の断末魔のインフラトン光の残滓すら終息した後に、ゲイケットが艦内放送で戦闘終了を告げた。
こちらには全く被害のない完璧な完全勝利である。大マゼランの頃は海賊船も性能が高かったので、こうはいかなかった。

「さて、戦闘は終わった。後は………死体漁りをしようか。」

「了解だ。整備班、船外活動服に着替えて敵艦の残骸を回収せよ。」

ユニコーンに敵艦の残骸を放っておく経済的余裕はない。この時代はボロボロの装甲板からでも元になった鉱石をほぼ100パーセント再利用できる。その分金もてにはいる。

船外活動服に着替えたバーク達整備士が吹き飛ばされたフランコ級の残骸から装甲板の破片とまだ使えそうなパーツを回収し始める。
その間に、白野はギリアスにバウンゼィの調子を聞いて見た。

『まあ、次の港までは大丈夫なはずだぜ。』

『応急処置してるのなら大丈夫なはずだが、一応油断はするなよ。』

そうして話しているうちに、回収作業は終わったようで、整備士達は回収したパーツや装甲板の破片を船内のキャリースペースに収納すると、船内に引き上げて来た。

「終わったか。では、そろそろアークネージに………」

出発する、そう言いかけたが、再び鳴り響く警報によってその指令は出されずに終わった。
ゲイケットがレーダー監視網から得た情報を解析して接近してくる何かの詳細を確認する。

「艦載機接近!機種不明なれど総数45!各員、再度持ち場につけ!」

さらに不明艦載機が接近し、ユニコーンのレーダーがその全容を捉える。

「機種判明。ネージリンス製艦載機【メテオン】です。さらに後方にネージリンス国防軍所属マーカーを出しているヴァランシエヌ級空母確認。非交戦信号受信。戦闘の意思は無いようです。あ、今、通信が来ました。」

「でよう。モニターに出してくれ。」

モニターに空母の艦長の男が映し出される。
ネージリンス国防軍の軍服を着た中年の男だった。

『私はネージリンス航宙軍統合部所属、宙域パトロール部隊司令ワレンプス・パルパードル大佐だ。』

ワレンプス・パルパードル大佐。ネージリンス航宙軍統合部の所属で、軍隊は戦争を止めるための抑止力であるという信念を持つ、原作の中でも白野がかなり高い好感を持っていた中の一人である。

『ユニコーン艦長、白野秋人だ。軍の人間が一介の航海者に何の用だ?』

『うむ、では単刀直入に聞こう。先ほどこの付近で交戦反応が確認され、我々の追っていた海賊団の艦隊反応が消失した。これは貴艦との交戦の結果によるものか?』

ワレンプス艦隊はどうやら先ほどユニコーンとバウンゼィで沈めた海賊船を追っていたらしい。
沈めずに白兵戦で制圧したほうが情報を引き出せて良かったのかもしれないが、沈めたことに後悔は無い。

『ああ。それは俺たちが沈めた。海賊船を沈めたんだ、別に悪いことではあるまい。それとも、何か重要な情報を握っていたのか?』

『いや、それは無い。何にしろこの宙域の治安維持に協力していただき感謝する。だいぶたちの悪い連中で、我々も手を焼いていたのだ。』

もしかすると、さっきのニュースに出てきた民間商船を沈めた連中だったのかもしれない。
被害者たちよ、仇はうった。安らかに眠りたまえ。

『しかし、その赤い艦はだいぶ損傷しているようだな。見たところ大マゼラン製のようだが、それほど手強かったかね?』

『ちげえよ、おっさん。』

あの程度の連中にやられたと思われたのが心外だったらしく、ギリアスが通信に割り込んできた。

『む、君が赤い艦の艦長か。海賊にやられてないのなら………おおかたマゼラニックストリームではないかね?』

『ああ、そうだ。奴らにやられたんじゃねえからな!忘れんなよ!』

それだけ言って通信を切ってしまった。

『若者は元気がいいな。』

『ところで、だ。彼の艦を修理したいかね?それも、できるだけ早く。』

『ん?確かに早いことに越したことはないが。』

『では、我々の使っている臨時のパトロール部隊用基地に案内しよう。まだチャートには載っていない人工惑星だが、きちんとした造船、増設施設が整ったところだ。』

『それは有難いが………民間人にそんな軍事基地を見せてしまっていいのか?』

『構わんよ。まだ発表されていないが、政府は今回の海賊対策に民間の0Gドッグにもある程度の報酬付きで協力を仰ぐことにしている。いずれあそこに民間の協力者が集まるから機密も何も無いのさ。』

それは願ってもないことである。

『そうだな………では、その好意に甘えさせてもらおう。』

『決まりだな。では、我々の艦隊についてきたまえ。通信終わり。』

大佐が通信を切り、ユニコーンの近くに接近していたヴァランシエヌ級が反転して前進し始めた。
それに続いて、ユニコーンとバウンゼィも前進して行った。



宙域パトロール部隊基地 アミタス

ワレンプス艦隊に同行したユニコーンとバウンゼィは、宙域パトロール部隊の拠点【アミタス】にたどり着いていた。
タラップから人工惑星の大地を踏んだ白野とギリアスはそのまま合流した。

「しかしまあ、海賊相手に人工惑星を用意するとはネージリンスもなかなか太っ腹じゃねえか。」

普通なら艦隊を派遣して終わりのはずなのに、わざわざ高い費用をかけて人工惑星を基地に使用できるようにして、しかも民間の協力者に支払う報酬も用意されているところからして、ネージリンス政府がいかに今回の件に本気なのかがよくわかる。

「カシュケントに繋がるこの宙域で好き勝手されたら大マゼランとの交易が滞る。つまりはそういうことだ。」

「なるほど、ネージリンスのウリの科学分野は大マゼランとの交易で成り立ってるってことか?」

「そういうことだ。」

しばらくネージリンスがなぜ今回の件に本気なのかという考察を話していると、ユニコーンの隣に停泊したバウンゼィのそのまた隣に停泊したヴァランシエヌ級からワレンプス大佐が降りてきた。

「よう、大佐。」

「うむ、無事についたようだな。ともかく、君たちには感謝している。おかげで部下が一人も死なずに済んだ。」

感謝の言葉よりも本題である。白野は単刀直入に切り出した。

「さてと、大佐、先ほど民間の協力者を募ると言ったな?」

「ああ。君たちも参加してくれるのかね?だとすれば有難いが………」

すると、ギリアスは真っ先にOKをだした。

「俺はやるぜ。鍛錬には物足りねえが、いろんな戦術の練習ができるからな。」

血気にはやる弟子とは違い、白野は冷静にワレンプス大佐に聞きたいことを聞く。

「報酬は、いくらだ?」

「一人頭2000G出す予定だと上は言っている。悪くない値段だと思うが?」

「………考えておこう。」

確かに割りのいい仕事ではある。もっとも、白野やギリアスがそれを簡単だと思える程度の実力を身につけているから割りのいい仕事だと思えるのかもしれないが。

しかし、こういったことの参加不参加については慎重に決めなければならない。悪くすれば軍に目を付けられて何かを条件にこちらを手駒にしようと画策する可能性もある。ギリアスならそんなことはないだろう。何故なら、ここには白野がいる。ランカーと新米。手駒した時の実益から言うとどちらを狙うかは明白だ。
まあ、ワレンプス大佐なら人格的に言ってそのような手段は取らないだろうが、その上の人間がそうとは限らない。警戒しておくにこしたことはないだろう。

「ところでおっさん。俺のバウンゼィはいつ直る?」

「その点は大丈夫だ。我が軍の整備士達は優秀だ。明日にでも修繕は完了するだろう。」

「うっし!直ったらすぐに海賊連中をぶっ飛ばしてやるぜ!」

やる気満々のギリアスである。
白野も海賊討伐に参加することにしたようだ。
何故なら、ユニコーンの主計局から主計官のバウトが白野のところにやってきて、先ほどのスカーバレル海賊船の残骸が1000G以下で買い叩かれたということを告げたからである。

「大佐、俺も今回の海賊対策に参加する。」

「おお、本当かね?」

「ああ。」

「勿論だとも。心強い味方が増えたものだ。では私は君たちのエントリー手続きしてくる。作戦開始まであと一週間あるから、その間はすきにしていてくれたまえ。作戦開始時刻には間に合うように連絡をいれる。」

「了解だ、大佐。」

ワレンプス大佐はホクホク顏で基地内に去っていった。

「海賊退治か………腕が鳴るぜ。」

「さて、作戦開始まであと一週間ある。ギリアス、バウンゼィが直るまで少しユニコーンに積んである操艦シミュ室で艦船運用の練習をするといい。」

操艦シミュ室、ユニコーンに積んである内装モジュールの一つである。
その名の通り操艦のシミュレーションを仮想空間で行うことができる。ユニコーンの一般クルー達の中には将来自分の船を持とうと志す者も多く、そう言った連中のために白野が搭載を決定した。

「そんな物まで積んであるのか?すげえなユニコーン。」

「当たり前だ。なにせ、ユニコーンだからな。さあ、時間を無駄にしないためにも早く来い。」

「おう。」

ギリアスはバウンゼィのクルー達にユニコーンの中で訓練する旨を告げて、足早に白野についていった。



ユニコーン 操艦シミュ室

操艦シミュ室には、既に何人かのクルー達がいて、それぞれがポッド型のシミュレーターの中に入って操艦訓練を行っていた。

「使い方はわかるな?」

「ああ。大丈夫だ。」

この手のシミュレーターはそこらへんにも結構置いてあるが、艦船に搭載できるサイズとなるとそうそう置いてない。
ギリアスは早速ポッド型シミュレーターに入ると、システムを起動してシミュレーションを開始した。



仮想空間

シミュレーションを開始したギリアスの前に現れたのは、愛艦バウンゼィのブリッジにある指揮官席だった。
そして、目の前に今回の目的と記された艦船、大マゼラン製の戦艦【ネビュラス級】のホログラムが現れる。
どうやら、これを撃破せよということらしい。

バウンゼィのモニターにも、遠方から接近しくるネビュラス級が映されている。

「ようし、いっちょやってやるぜ。」

ギリアスはバウンゼィに臨戦体制を取らせながらネビュラス級を正面に捉えるために微妙に船首の角度を調整して、その後にバウンゼィのサイドブースターに火をいれる。
これは、砲撃と同時に回避軌道をとり反撃を回避するための戦術である。

バウンゼィの主砲である連装連射対艦レーザーの射程にネビュラスが侵入し、戦端は切って落とされた。



ユニコーン 操艦シミュ室

ギリアスの訓練内容をモニターしていた白野は、想像以上にギリアスがよくやっているのを見て、他のクルー達にも参考にさせるために大画面に表示してその様子を公開していた。

「おお、すげえ!」

ちょうど今、バウンゼィがネビュラス級の鼻面に対艦レーザーを叩き込んで反撃の斉射を軽やかに回避する様子が映され、クルー達は、その見事な操艦に歓声をあげる。
さらに、ブースターを最大稼働させてネビュラス級に最接近。そのまま砲門が向かない艦後方に回り込んでネビュラス級のブースターにレーザーを撃ち込んだ。
そして、インフラトン機関に誘爆したネビュラス級は青い爆炎の中に沈んでいった。
白野を除いては、撃破の最短記録更新である。
クルー達の歓声は一層高まる。

「やったぜ!」

シミュレーターからでてきたギリアスはそう言って、そして興奮したクルー達に軽く胴上げされていた。
今日のヒーローはギリアスだ。



ユニコーン ブリッジ

ギリアスが操艦シミュ室でヒーローになっている頃、ブリッジではゲイケットがその部下と話していた。

「で、艦長の話では俺たち海賊退治に参加するらしいですよ。」

「海賊退治か。ま、昔からやってることだからな。資金調達の方法としては妥当なところだろう。それに、艦長の事だ。ギリアス少年の鍛錬にこの機会を利用したいのかもしれんな。」

「ところで、今、ネットで調べたんですけど今回のスカーバレル海賊団とかいう奴ら、とんでもない奴らですね。地上の人間に手をだしてるとか言われてますし。」

「なるほど。艦長が今回の件に参加した理由がわかった。」

地上の人間に手をだす事は0Gドッグ達の中でも最も忌むべき行為とされている。それを平然と行うスカーバレル海賊団には容赦は不要というのがユニコーンクルーの総意であった。



ユニコーン 食堂

ヒーロー・ギリアスはクルー達に食堂に連れてこられていた。

「よし、ここは俺たちの奢りだ。食え食え。」

「美味い!美味すぎるぜ!」

ギリアスはクルー達に食事をおごられて、ユニコーン食堂の絶品唐揚げ定食に舌鼓を打っていた。
上手くユニコーンに溶け込めているようで白野はラーメンを啜りながら安心している。

続く 
 

 
後書き
艦船設定

ヴァランシエヌ級・・・かつての祖国の技術支援を受けて対カルバライヤ決戦に向けて建造されたネージリンスの新型空母。長大なカタパルトを有し、従来型空母の1.5倍の艦載機を搭載できるようになっている。
作中ではワレンプス・パルパードル大佐の乗艦として【グランティノ】と呼ばれていた一隻が確認できる。

ネビュラス級・・・ロンディバルド正規軍で長きに渡って使用されてきた傑作戦艦。艦載機搭載能力、拡散プラズマ砲二問装備など、艦隊旗艦のみならず単一の戦力としての能力は申し分ない。ハイヴァルト会戦の際にはロンディバルド側の総旗艦として【ゼラーオン】という同型が運用されている。

艦載機設定

メテオン・・・ネージリンスの汎用型艦載機。ツインブースターと逆ガル翼が採用されている。また、機体底部にパルスレーザーなどの兵装を装備しており、小マゼラン内ではもっともバランスのよい艦載機として知られている。 
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