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ハイスクールD×D 新訳 更新停止

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第1章
旧校舎のディアボロス
  第20話 緋破の幻龍

 
前書き
オリジナルドラゴンが登場します。 

 
「大丈夫ですか?」
「は、はい……」

 朱乃さんにフリードに付けられた傷に包帯を巻いてくれる。
 ちなみに、傷を治療する際に部長に裸で抱き付かれると言うステキなイベントがあった。
 前に家で裸だったのも、この治療法を行ったからだ。
 それと、何故か千秋が頬を膨らませていた。一体どうしたんだ?

「完治には少し時間が掛かりそうですわ」
「あの『はぐれ悪魔祓い(エクソシスト)』が使った光の力が相当濃いのよ」
「はぐれって、悪魔だけじゃないんですか?」
「教会から追放されて、堕天使の下僕に身を落とす者も多いんだ」

 俺の質問に木場が答えた。

「じゃあ、アーシアもその『はぐれ悪魔祓い(エクソシスト)』だって言うのかよ!」
「………」

 木場は何も言わなかった。

「どうであろうと、貴方は悪魔。彼女は堕天使の下僕。これは事実なのよ」
「……部長……」
「それよりも明日夏の事よ」

 そうだ、明日夏は部長の眷属じゃない為に、俺達と一緒に魔方陣によるジャンプができなかった。
 明日夏は自力で戻れるって言ってたが、やはり心配だ。
 そんな空気の中、俺のケータイの着信音が鳴った。見てみると、明日夏からだった!

「明日夏ッ!」
『……デカイ声で話し掛けるな』
「お前、大丈夫なのか!?」
『大丈夫じゃなかったら電話してねえ』
「そっか……」
『ついでにアーシア・アルジェントの事だが』
「アーシア!?」
『一応、逃がしておいた』
「っ!?」
『後で詳しく話す。部長に代わってくれ』
「あ、ああ……」

 俺は言われた通り、部長に代わった。


━○●○━


「もしもし、明日夏?」
『はい、部長』
「ずいぶんと勝手な事をしたそうね?」
『アーシアの件はすいません。それよりも、明日の朝、時間を取れませんか?色々と話したい事があるんで。それから、また神父の死体を十体用意してしまったので、後後処理をお願いします』
「分かったわ」
『以上です。イッセーに代わって下さい』


━○●○━


 部長が俺にケータイを渡してきた。

「明日夏、アーシアの事だけど」
『明日話す。今日は少し疲れた。部長にも休むって伝えてくれ』
「あ、ああ、分かった」
『それと』
「ん?」
『水臭ぇんだよ、このバカ』

 そう言って、切られた。
 あの時、アーシアを助けてくれと頼もうとした事に気付いていた様だ。
 良いダチを持ったよ、俺は。

「とりあえず、明日夏が無事で何よりね」

 他のみんなも安堵していた。

「少し疲れたらしいので、今日は休むそうです」
「そう。それじゃあ、今日の活動もここで終わりにしましょう。イッセー、貴方は傷の事もあるから、明日は学校を休みなさい」
「は、はい」

 こうして、今日の悪魔の活動は終わった。


ー○●○ー


「ふぅ……」

 俺はケータイで色々伝えた後、家に戻り、軽い夜食を作って食べた後、ベッドで横になっていた。

「さて、明日は話す事がいっぱいだな」

 イッセーにはアーシアの事、部長には堕天使達の目的など話す事がいっぱいあった。
 そんな事を考えていると…。

『俺の力を使えばあの程度の堕天使どもなんて一瞬だっただろうが』

 俺の奥底から話し掛ける者がいた。

「……誰だ?」
『おいおい、久々の会話の第一声がそれかよ!つうか、俺の事を忘れたのかよ!』
「……第一印象が最悪だったからな」
『覚えてるじゃねえか!』
「……何の用だ?『緋破の幻龍(スカーレット・ファントム・ドラゴン)』ドレイク様……」

 この声の主は『緋破の幻龍(スカーレット・ファントム・ドラゴン)』ドレイクと言う名のドラゴンである。
 何故ドラゴンが俺の中から話し掛けているのか。それは俺の持つ神器(セイクリッド・ギア)に魂を封印されているからだ。
 そう、俺もイッセーと同様に神器(セイクリッド・ギア)を所持している。俺だけじゃない。千秋も兄貴や姉貴も同様に神器(セイクリッド・ギア)を所持している。

『まあ確かに、第一印象は最悪だろうな。なんせ、お前の体を乗っ取ろうとしたんだからな』

 そう、こいつは俺が初めて神器(セイクリッド・ギア)を発現させた時に俺の体を乗っ取ろうとした。
 その時はその場に居合わせた兄貴に助けてもらい、事無きを得た。
 それ以降は普通に神器(セイクリッド・ギア)の力を使えたが、またいつこいつが介入してくるのか分かったもんじゃない為、俺は神器(セイクリッド・ギア)の力に頼った事は無かった。
 たまに今みたいに力を使わせようと話し掛けてきたが、諦めたのかもう話し掛けて来る事は無くなったんだがな。

「……今さら何の用だ?俺がお前の力を使わないってのは分かってる事だろう?」
『分かってるよ。別に今日は力を使えとか言いに来た訳じゃねえ。退屈だから話し掛けただけだ』
「……つまり話し相手になれと?」
『これでも話し相手が欲しかったんだよ』
「……やれやれ。分かったよ」

 俺はとりあえず、こいつの話し相手になる事にした。

「……しかしもまあ、お前ぐらいだろうな。宿主の体を奪おうとした神器(セイクリッド・ギア)に封印された奴は」

 こいつは神器(セイクリッド・ギア)に封印されている状態にも関わらず、俺の体を奪おうとした。

『まあ、俺は元々実体が無いある意味魂だけのドラゴンだからな。魂だけになっても結構好き放題出来たりするんだよ。まあ、ドラゴンとしての強さはお前のダチが飼い慣らしている奴の足下にも及ばないがな』
「……やっぱりイッセーの神器(セイクリッド・ギア)は……」
『ああ、『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』だ。最も発現が甘いから『龍の手(トゥワイス・クリティカル)』って感じだけどな』
「……『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』か……」

 『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)』、赤龍帝が封印された神器(セイクリッド・ギア)

『あれの過去の所有者はみんな力に溺れて、周りに被害を出して、ろくな死に方をしなかったんだよなぁ。ハハハ!』
「………」

 そう、過去の『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』所有者はみんな力に溺れた。そして、みんな悲惨な死に方をした。
 最も、全部兄貴に聞いた話だがな。

『お前のダチもどうなるのかなぁ?』
「……何が言いたい?」

 俺は言葉に怒気を含ませて訊く。

『力に溺れたらどうするのかなぁって。まあ、お前の事だ。どうせ止めようとするんだろうが。お前の力だけで出来るかなぁ?』
「……結局、力を使えって言ってるじゃねえか……」
『おっと、これは失礼』
……この野郎……。

『さっきのお返しだ。まあ、お前の勝手だ。好きにしろ。お前が死んでも俺が死ぬ訳じゃねえからな。むしろ、次の宿主の方が肉体を乗っ取り易いかもな』
「……余計死ねねえな……」
『ハハハ!まあ、頑張れよ。話し相手サンキュー。じゃあなぁ~』

 それっきり、ドレイクは話し掛けてこなかった。

「クソッ!余計疲れた。……もう寝るか」

 やっぱり、こいつの力は使う気にならない。  
 

 
後書き
はい、明日夏も神器(セイクリッド・ギア)所有者です。
しかも、封印系です。
オリジナルドラゴンを封印しているのでオリジナル神器(セイクリッド・ギア)です。
千秋や兄と姉もオリジナル神器(セイクリッド・ギア)所有者です。
ただし、今みたいな関係なので、まだしばらく出ません。
ドレイクとの会話は出ます。  
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