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古の鉄の巨人を駆る他世界への介入者

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使徒襲来

国際連合直属非公開組織 特務機関NERV 第一発令所

『正体不明の移動物体は、依然本所に対し進行中!』
『目標を映像で確認。主モニタに回します』

「十五年ぶりだね」
「ああ、間違いない・・・使徒だ」

発令所に居る老人と中年の男が、画面に映し出されている映像を見ながら会話をしている。中央の大型モニターには、緑色をした巨大な物体が映し出されていた。無生物とも言えない、生物とも言えるのかも謎だ。だが中年の男と老人はその使徒と呼ばれる物を見て、不敵にほほ笑んだ

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

使徒の周囲を取り囲んでいる航空機は、期待に装着されていた装置から多数のミサイルを打ち出した、そして使徒に着弾した。多数のミサイルの爆発の衝撃で使途は仰け反り、それと同時に周囲の建物を焼いた

『目標に全弾命中! うぉぉ!』

航空機のパイロットは全段命中した事に若干喜びが混じった声を挙げるが、その声は直ぐに驚きの声に変わった。使徒は何も無かったかのように平然として、ダメージを受けているような印象を受けられない。使徒は手から光のパイルを出して周囲の航空機を貫いた。攻撃を行っているパイロットたちは焦り始めた、そのまま攻撃を続行するが使徒はそれを気にせずに前進を始めた。途中、足元でウロチョロしている青い車を踏み潰しそうになりながら、その運転手と思われる女性が罵声を浴びせるが、それを気にせずに進んでいく

『目標は依然健在。現在も第三新東京市に向かい進行中!!』
『航空隊の戦力では、足止め出来ません!!』

「総力戦だ!厚木と入間も全部あげろ!!」
「出し惜しみは無しだ!! 何としてでも目標を潰せ!!」

警報音に混じって知らせられる現状の報告、それに怒りを滲ませている戦略自衛隊の制服を着た将校達は怒声をあげる。今まで使徒に攻撃して成果らしい成果はまだ一つも挙げられていない。その常識外れな状況に将校の一人は勢い余ってペンをへし折った。

対地ミサイルが使徒に打ち込まれ、息もつくも無くロケット砲、戦車砲、自走砲が次々と撃ち込まれていく。戦自が持ちうる武器のほとんどが使徒に撃ち込まれていく。そしてそれに追い打ちをかける様に大型の爆雷が落とされる。爆雷が炸裂して将校もこれならっと思ったが現実は甘くなかった。使徒はどれだけの攻撃を受けても、衝撃で少しだけ体勢を崩すだけで、ダメージを食らった形跡はなかった。使徒は戦自の攻撃には何も感じなくなったのか。そのまま攻撃を無視して歩み続けた

「何故だ!? 直撃のはずだ!!?」
「戦車大隊は壊滅、誘導兵器も砲爆撃もまるで効果無しか・・・恐ろしいな」
「駄目だ!この程度の火力では埒があかん!!!」

将校達はこの光景をモニター越しに見て、信じられなかった。あれだけの集中砲火でもダメージを与えられる事が出来ないとは、今まで自分達が信じて来た常識があっさりと覆された瞬間だった。

「やはり、ATフィールドか?」
「ああ。使徒に対して通常兵器では役に立たんよ」

ネルフの制服を着た男二人はこの状況にも関わらずに、焦りもせず驚きもしていなかった。まるで当然だっと解っているようだっだ、そこに電話の呼び出し音が鳴った。戦自の将校はカードキーを通して赤い受話器を取った。

「・・・分かりました。予定通りに発動します」

将校はそう言って受話器を戻した。苦悶の表情を浮かべていた、他の将校二人もそれ電話が何を意味しているのか理解しているようで、強く歯軋りした


使徒は周りに飛んでいる戦自の航空機を気にする事無く歩き続けていた。だが突如航空機は使徒から急速離脱を始めた。使徒は少し不穏に思ったが気にする事も無いと思って足を進めると、足を置いた地面がいきなり爆発し、空へ高い高い火柱があがった

「やった!!」

将校の一人が使徒が戦自の最強の火力を誇るN2兵器をまともに食らった事に喜びの声を挙げて席から立った。N2地雷の威力は十分に知っている。これに耐え得るものなど存在するはずが無いと考えていた。

N2兵器
国連軍・戦略自衛隊が保有する武器のなかで、最大級の破壊力を持つ兵器の事をさす。地図を描き直さなければならないほど地形を吹き飛ばす威力がある。N2のNとは、No Nuclearの事を指している

「残念ながら君達の出番は無かったようだな」

戦自の将校の嫌味な台詞にネルフの総司令 碇 ゲンドウは僅かに顔をあげ、副司令 冬月 コウゾウは首を竦めただけだ。二人はN2地雷では使徒は倒せないと判断していた。何故そう思っているのか、それは無駄だと知っているからだ

「その後の目標は?」
『電波障害に為に、確認出来ません』
「あの爆発だ。けりはついている」
『センサーが回復します。爆心地にエネルギー反応!』
「なんだと!!?」

報告を聞いた将校は驚きの声を挙げて席から立ち上がった。信じられなかった、N2の威力を重々に知っているからこそ、N2兵器でさえ倒せないっという事が信じられなかった。そこに追い打ちをかける報告が舞い込んで来た

『映像回復します』

大型モニターに使徒の現状が映し出された。そこには信じられない物が映っていた、地面は融解してドロドロに溶かした鉄に等しい状態になっていて、その中心地には依然立ち続けている使徒の姿があった。それを見た将校達はフラフラと椅子に座りこんだ

「わ、我々の切り札が・・・」
「むぅうん・・・何て事だ・・・」
「化け物め・・・!」

「予想通り自己修復か」
「そうでなければ単独兵器として役に立たんよ」

戦自の将校が絶望している中、ゲンドウと冬月はモニターを見続けていた。使徒の周辺を飛んでいるヘリからの映像を見ているゲンドウ達だったが、使徒が光ったかと思ったら、いきなりモニターにノイズが走り何も見えなくなった

「ほう、大したものだ。機能増幅まで可能なのか」
「おまけに知恵もついたようだ」
「再度の侵攻は時間の問題だな」

戦自の将校達は、ゲンドウ達がいる地点よりも高い所からゲンドウを見下ろす形で悔しそうに決定事項を語り始めた

「今から本作戦の指揮権は君に移った。お手並みを見せて貰おう」
「了解です」
「碇君。我々の所有兵器では目標に対し有効な手段が無い事は認めよう。だが、君なら勝てるのかね?」

戦時の言葉にゲンドウはサングラスを挙げながら、自信満々に口元の笑みを隠しながら答えた

「その為のネルフです」

ネルフはこの日の為に莫大な資金や特務権限が与えられて来た。失敗してでは唯では済まされないことは承知していた。それだけゲンドウには自信があった

「期待してるよ・・・行くぞ・・・」

戦自の将校達は肩を落としながら、発令所から出て行った

『目標は今だ変化無し』
『現在の迎撃システムの稼働率は7.5%です』
「戦自のご自慢のN2もお手上げか。どうするつもりだ?」
「初号機を起動させる」

冬月の返答にゲンドウが言った言葉に冬月は激しく不安を抱いた

「初号機をか? パイロットがいないぞ」
「問題ない。もう一人の予備が届く」

ゲンドウは不敵な笑みを浮かべていた、冬月はその笑みを見てゲンドウのシナリオ通りに進行されている事に少し嫌気がした。自分の言葉までもシナリオに組み込まれているのかっと。だが、イレギュラーが発生していた、ゲンドウのシナリオには組み込まれていない想定外の事態が起き始めていた


「葛城一尉からサードチルドレンを保護出来なかったと報告が入ってきています。現在、シェルター内にサードチルドレンがいないか調査しています。葛城一尉はN2兵器の余波で被害を受けてはいますが、負傷は無いそうです。現在はこちらに向かっています」
「か、彼を保護出来ていないのか!?」
「はい、そのようです。それに、駅周辺のシェルターに避難していたとしても、あの周辺はN2兵器の被害でシェルターも潰れてしまっています。サードチルドレンが避難していたら・・・」

その報告を聞いた冬月とゲンドウは顔を少し青くした、現在ネルフにはパイロットは居る事は居る。だが本部にいるパイロットは一人のみでしかも重傷であり、出撃出来る状態では無い。だがサードチルドレンが来ればネルフが所有している最強の兵器、エヴァンゲリオンが起動出来たかもしれない。サードチルドレンは使徒を撃退出来る可能性を持った希望だった。だがその希望は潰えた。サードチルドレンがN2兵器の被害に合ったとなれば、エヴァを動かす事が出来ない。ネルフには戦力が無い。迎撃システムも全く稼働しないに等しい

「碇、どうする気だ」
「くっ・・・」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「あ~すいません、守衛さん?少しいいですか?」
「はいはい、なんでしょうか?っていうかどうしてここに来れたんですか?」
「上に伝えて貰えますか?旧名、碇 シンジとその保護者が来たって」 
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