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古の鉄の巨人を駆る他世界への介入者

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対面

「どうぞどうぞ、この程度の物しかありませんが」
「すいません、態々こんな物を出して貰っちゃって」

守衛の老人は、碇 シンジと名乗る子どもとその保護者が来ていると上に連絡を入れると、迎えをやるからそれまで留めて置く様に言われ、ゲート近くにやって来ていた3人を守衛室に上げて、茶菓子を振舞っていた

「いえいえ、今お茶を・・・ってしまった。この前切らしちゃったんだっけ・・・」
「あっそれなら大丈夫ですよ、僕がコーヒーですけど持ってきてますから」
「それは有難う御座います、今コップを出します」

そう言ったのは椅子に座わりながら持って来ていたバックから魔法瓶を出しているキラだった。その隣にはシンがコーヒーを守衛が持って来たコップにコーヒーを淹れて貰い、それを啜って茶菓子に手を伸ばしている

「んっ、この茶菓子行けますね。味は強いけどあっさりしてて口通りが良いや」
「おお、お若いのにこの味が解るとは。いやはや、これは私が行きつけのお店で買った物でね。ここのお菓子は美味しいですよ」
「へぇ~・・・あっすいません、コーヒーのおかわり貰っても良い?」

そう言ってキラにコップを出す少年がいた。短い茶髪に黒い瞳、キラのように優しげな顔つき。キラはコップを受け取りながら魔法瓶からコーヒーを注いでコップを返した

「はい、今度はもっと味わって飲んでよね」
「そうだぞ、このコーヒーは最高なんだからもっと味わないとな。シンキ」
「解ったよ、キラ兄さん。シン兄さん」

シンキと呼ばれている少年は今度はゆっくり、コーヒーを味わうように飲み始めた。すると守衛室に備え付けられている機器が音を立てた。守衛はどっこらしょと腰を上げて機器を取ると、解りましたっと答えて、機器を戻した

「どうやらお迎えが着た様です。外にお迎えの職員がいらっしゃいます」
「はい、如何も美味しい茶菓子を振舞って頂いて有難う御座います」
「本当に美味しかったです」
「御馳走様でした」

キラ、シン、シンキは守衛にお辞儀してから守衛室から出た。そして外には美女の部類に入るであろう金髪の女性が立っていた

「あなたがサードチルドレンの碇シンジ君ね」
「サードチルドレンって言うのはなんだか解りませんがその名前は旧名です」
「旧名?」
「ええ、僕はもう碇 シンジという名ではありません」

シンキははっきりとした口調でそう答えると、金髪の女性は驚いていた。旧名とは一体どういう事なのか。そしてシンジと共にいるこの二人の青年は一体誰なのかと

「それより、貴方誰ですか?」
「そ、そういえば自己紹介がまだだったわね。私はネルフの技術局一課の赤木リツコよ。リツコと呼んで頂戴」

リツコはそう言いながらシンキに手を差し伸べた。だがシンキはそれに応じる事はなかった

「親しくも無い人を下の名前で呼ぶ必要はありませんね。それと僕の事を碇 シンジと呼ぶのはやめてください。僕の名前はシンキです」
「そ、そう・・・それとこの人達は、ここから先は部外者を入れるわけにはいかないんだけど」
「それならシンキだって部外者ですよね?」

リツコの言った言葉にキラが食い付いた。リツコはキラの方を見た

「それにシンキはまだ未成年です。保護者は必要でしょう、僕達はシンキの保護者の代理として来ました。僕達の同席が認めないというのなら僕達はシンキを連れて帰りますよ?」
「でも、ここにはあなたのお父さんに呼ばれた・・・・・・・」

そのリツコの言葉にシンキは怒りを感じた

「あれはもう僕の父ではありませんよ、遺伝子情は父であるでしょうけど。社会的にはもうあれは父ではありません、あれにはもう僕の親権はありません」
「え・・・!?」

当のリツコはというと、内心混乱していた。シナリオではシンジは気の弱い内向的な少年になっている筈。だが目の前にいる少年は初対面であるリツコを前にしてもハッキリとした強い口調で話している。それと、ゲンドウ自身はまだ気づいていないが、既にゲンドウは碇家より断絶処分を受けている、親権も放棄されているので父親ではないのだ。その関連の連絡も書類も毎回毎回、問題ないっと言って無視しているか書類があってもシュレッダー行きとなっている

「僕達はシンジではなく、シンキの今の父親と母親の代理としてやって来た者です。態々アメリカ来たんですから、用があるなら早くしてくれません?僕達だってこんな所になんて居たくなんです」
「そうだぜ、今だって非常事態宣言が出されてるんじゃないか。来ただけでも感謝するもんだろ。それとさっさとしない俺達帰るぜ」

キラとシンに言われてリツコは反論しようとしたが、二人から出ている威圧感に圧されて何も言えなくなってしまった。二人から出ている年齢にそぐわない威圧感、カリスマとでも言える物が。結局リツコはキラとシンの同校を認めて3人の案内を始めた、そしてリツコは少しでもシンジの情報を得ようとシンジ達に話しかけた

「シンジ君、アメリカに居たそうだけど、司令、つまりあなたのお父さん・・・」

だがリツコは途中で言葉を止めた。シンキの余りの殺意と怒りの包まれた視線で何も言えなくなってしまった

「もう一度だけ言いますよ。あれは僕の父親でありません、赤の他人です。次同じ事言ったら容赦しませんよ」
「ご、ごめんなさい・・・私は司令から貴方が行方不明になったと聞いていたから・・・」
「「「はぁ?」」」

リツコの言葉にキラ、シン、シンキは声を上げた。全く同じタイミングで何を言っているんだ?っと感じなれる言葉だ

「何を言ってるですか?あの六分儀 ゲンドウは僕を長時間殴り続けていたんですよ、それで僕を捨てたんですよ自分から」
「あの時は酷かったよね。全身打撲にナイフか何かで刺したような跡もあったし」
「本当にあの時のシンキの身体は痛々しかったな・・・って俺が言えるセリフじゃないか」

リツコはあまりの事実に身体が凍りつくような感覚に陥った。だがそんな身体を必死に動かして、前へと進んでいく。そして目的地へと辿り着いた。そしてその時に初めて言われた言葉が

「目が悪くなりそうなのでさっさと電気付けてください、来るって事解ってて消しとくとか怪我でもさせるつもりですか?」

リツコは直ぐに手元の装置のボタンを押して電気を付けた。そしてシンキ達の前に巨大な物があった。それは紫色をした巨大な顔だった。額には一本角がついており、鬼にも見える

「なんですかこれ、電気なんか消しておくとかいらない演出ですね」
「鬼だね」
「なんて角生やしたんだ?」

上からシンキ、キラ、シンの感想だった、あまりにもドライな感想。リツコは全く驚いた素振りを見せない3人に複雑な視線を投げかける

「これは人造人間エヴァンゲリオン、その初号機よ」
「んで?非常事態だっていうのに俺達にこんな物見せた理由はなんですか?自慢?」
『久しぶりだなシンジ』

その時、スピーカーを通して男の声が響いて来た。シンキ達は上を見上げると六分儀 ゲンドウが遥か、ガラス越しにサングラスを掛けこちらを見据えていた

「・・・ああ、確かに久しぶりだね。六分儀 ゲンドウ」
『出撃』

ゲンドウはいきなり会話をぶった切る様な単語をシンキ達にぶつけて来た。それを聞いたシンキははぁ?っと声を上げて、キラとシンは呆れていた

「あの赤木さんでしたっけ、あの髭面の言う事を翻訳してくれませんか?行きなり出撃とか主語が無くて訳が解りません」
「シンz・・・シンキ君。取り合えず聞いてちょうだい・・・」

リツコが説明を始めた。シンキには目の前にあるエヴァ初号機に乗って地上に居る使徒と戦って欲しい。本部にもパイロットがいるが重傷でとても出撃出来る状況ではない

「つまり・・・この得体が解らないとんでも兵器に乗って上に居た化け物と戦って事ですか」
「と、とんでも兵器って・・・まあそういう事よ」
「ハッキリ言いますけどね、b「待たせたわね!!!!」・・・」

シンキ達がいたケージにいきなり大声を上げて、入ってきた女性がいた。赤いジャケットを着た、ミニスカートの黒髪の女、それを見たシンキは嫌な顔をした。キラとシンは汚物を見る様な眼をした

「リツコ、初号機に乗せる気なの?」
「ミサト。ほかに方法が無いわ」
「ちょっとレイはまだ動かせないわ、パイロットがいないわよ!!」
「さっき届いたわ」
「まさか
「マジなの」
「でも、レイでさえエヴァとシンクロするのに7ヶ月も掛かったんでしょ!!今来たばかりのこの子にはとても無理よ」
「座っていればいいわ、それ以上は望みません」

目の前で勝手に繰り広げられる口論に3人は、興味も示さずに初号機を見ていた。シンキは別にどうでも良いっと言った様な感情で見ていた

「そうね、シンジ君乗りなさい」
「座っていればいいわ、それ以上は望みません。もう一度言うわ、シンキ君、貴方が乗るのよ」
「あんたら人の意思を無視していきなり何言ってんだ?」

二人の身勝手な言葉にシンがキレた。まだ完全にキレた訳ではないが本人の意思を無視して勝手に話を進めているので、シンも頭にきた

「何よアンタ」
「シンキ、アンタが言ったシンジの行者保護者代行者だ、兄がわりでもある。いきなり乗れとか頭可笑しいじゃないのか?今の話じゃもう一人のパイロットも動かすのに7ヶ月も掛かったらしいじゃないか。それだけ時間が掛かるんなら如何してもっと早く呼ばなかったんだ?可笑しいじゃないか。素人であるシンキを戦場に出す?そんなの認められるかよ」

シンの正論にミサトと言われた女は言いよどんだ、確かにシンの言うとおりだからだ。そんな流れを見ていたゲンドウを回線を取って発令所に掛けていた

『冬月。予備が使えなくなった、レイを起こせ』
「・・・さてと、茶番はここまでにしましょう」

キラが声を上げた。ミサト、リツコ、ゲンドウはキラの方を見た。そのキラの顔は先程まであった優しさなどかけらも無い凛とした戦士の目をしていた。シンとシンキもキラと同じ目をしていた

「現在交戦権はネルフにありますが、現状使用出来る機体はあるもののそれを動かすパイロットが居ない。それによってネルフには戦力が無い物と判断します」
「貴様、何が言いたい」

ゲンドウは威圧感を込めた声をキラに向けるが、キラをそれを聞いても平然としていた。そして次に言われた言葉で全員は衝撃を受けた

「現時刻をもって、ネルフの特務権限を戦闘終了まで凍結。そして交戦権限は国連軍へと移行する。これは日本政府及び国際連合上層部の要求であることを通達する。交戦権は我々国連軍が受け継ぐ。以上」

キラがそう言いきった瞬間に、キラ達の姿がぶれ始める。それを目の前で見ていたリツコ、ミサト、ゲンドウを目を見開いた

「尚、この場にいる我々はホログラムである。残念でした」

その言葉を残してキラ達の姿は消えた。リツコ、ミサト、ゲンドウは目の前で起きた事が信じられずに立ちつくす。そしてゲンドウの元に冬月から連絡が入る

『碇拙いぞ、ネルフが行動を起こさない為に日本政府が痺れを切らして、国連軍に出動を依頼したと連絡が入ったぞ!』
『何だと!?』

ゲンドウが冬月にどういう事だと聞き返してる時、使徒に向かって飛行している大型航空機2機。その航空機は通常の航空機とは違って、機体の下部にコンテナの様な物が搭載されていた。

『シンキ、目標までの距離は1300だ。そろそろ準備しといてくれ』
「解ってるよ。・・・全システムオールグリーン、何時でも発進出来るよシン兄さん」
『よし、3分後に発進だ』 
 

 
後書き
次回、使徒対シンキ!

謎の敵、使徒に立ち向かうシンキ。はたして!? 
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