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万華鏡

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第三話 部活その十一


 昼休み食堂で食べながらだ。他の四人に昨日の弟とのやり取りをそのまま話した。その話を聞いてだった。
 お好み焼き定食を食べる里香がこう言った。最初は彼女だった。
「面白い弟さんね」
「面白いっていうか頭の中のかなりの割合が阪神なのよ」
「感心ね」
「まあね」
 焼きそば定食を食べている琴乃は笑って里香に応えた。
「それはね」
「そうよね。阪神を純粋に応援するのはね」
「私はどっちかっていうとバスケだけれど」
 それでもだと言う琴乃だった。
「野球はやっぱりね」
「阪神よね。プロ野球は」
「八条リーグだと西宮ブレーブスだけれど」
 プロ野球とは別のプロ野球組織だ。八条グループがその全てを運営している。
「プロ野球はね」
「そうよね、阪神よね」
「関西人だからね」
 それ故にだというのだ。
「やっぱりね」
「そうよね。私もだし」
 里香がこう言うとだ。続いて。
 景子も美優も彩夏もだ。笑顔でこう言うのだった。
「勿論私もね」
「あたしもだよ」
「私も」
 三人は笑顔で言ってきた。
「野球は阪神よ」
「八条リーグは別だけれどな」
「阪神が好きよ」
 尚八条リーグは二十四球団だ。プロ野球よりも多い。
 しかしそのプロ野球についてはだ。三人はこう言ったのだった。
「あのユニフォーム最高よね」
「甲子園球場っていいよな」
「あの応援がいいのよ」
 笑顔で話してだ。そのうえでだった。
 三人もいいと言う。その中でだ。
 景子は自分のきつねうどんと他人丼を見ながら御飯とカレーを最初から混ぜて卵を入れてアルそれにソースをかけている美優に対して言った。
「それじゃあね」
「ああ、練習の時か」
「六甲おろしどうかしら」
「あの曲演奏しやすそうだしな」
「丁度いいわよね」
「コーラスもしやすそうだしな」
 それもあった。
「じゃあな」
「ええ、それでね」
「私もね」
 景子は鯖の煮付け定食だった。その醤油は薄口醤油で生姜もきかせている。
 それと味噌汁を口にしながらだ。こう言うのだった。
「いいと思うわ。練習するならね」
「やってて楽しい曲じゃないとな」
「はかどらないと思うし」
「そうそう、そうだよ」
 笑顔で頷く美優だった。
「それじゃあ六甲おろしも演奏して歌ってみるか」
「六甲おろしだと」 
 ここでこんなことを言う琴乃だった。
「もう感じもわかってるし」
「歌いやすいわよね」
「そうよね」
 琴乃に里香と彩夏も頷く。
「じゃあ今実際にやってみる?」
「そうする?」
 二人が頷きだ。そうしてだった。
 景子と美優もだ。笑顔で二人で話をした。 
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